Making of the Moon【柳宿side】

「夕城プロ!!柳宿が試験合格しました!!」
天文が事務所に飛び込んできた
「それは本当か!?天文!!」
「はい!!あいつ、実技試験も難なくこなしまして!!遂に合格です!!」
「よかったなぁ~vじゃあ、みんなでお祝いだな!!」
「今は・・・あいつも準備とかで忙しいみたいで、落ち着いたらまた事務所に連絡入れるって言ってました!!」
「そうかそうかぁ~v後は鬼宿だけだな!!」
「先週でしたっけ?試験」
「そうそう!!あいつも上手く行けばいいがなぁ~」
そこで、夕城プロは、天文に耳打ちした
「・・・悪かったな。心中複雑なお前に任せてしまって」
「いいんですよ!!柳宿の事ずっと応援してますから!!」
「そう聞き分けのいい事を言って・・・後が怖いぞ~」
「どういう意味ですかぁ?」
この時は、まだ天文も諦めていたのだ
自分が本気で愛した天使の事は

『絶対電話するんだよ!!いいね!?』
『柳宿先輩vもうひと頑張りですよv』
鳳綺と美朱のエールのメールを交互に受信し、柳宿は思い悩む
遂にこの日が来たのだ
あいつに電話する日が・・・

(あたしもある程度頑張ったんだし・・・いいよね?あれから暫く経ったんだし・・・)

そっと、震える指でボタンを押す
(国際電話・・・いくらかかるんだろ?ずっと話してたいけど・・・でも・・・何話せば・・・)
頭の中が混乱する
(えぇい!!かけちゃえ!!!)
受話器の向こうで通信音がする
心臓はMAX
Plllllllllllllllllllll
しばらく呼び出し音が鳴り、そして・・・応答した
『ただいま電話に出る事が出来ません。ピーという発信音の後にお名前とメッセージをお入れください』
ちょっと安心
ピーーーーー
「翼宿・・・。あたし・・・。久し振り。元気してた?久々にあんたと話がしたくて・・・時間ある時でいいので、電話待ってます」
簡潔すぎるメッセージ
だけど、きっとすぐに連絡が来ると思っていた

それから、柳宿が大学に入学しても連絡は一度も来なかった・・・
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