Making of the Moon【柳宿side】
『入選は、八重樫恵美さんです!!』
パチパチパチパチ
一つの演奏会の結果が発表され、舞台は幕を下ろした
「蛍ちゃん!!お疲れ様!!」
「柳宿先生・・・」
「三位入賞でしょ?凄いじゃないv」
「うん・・・蛍、頑張ったかな?」
「頑張ったよv次は絶対入選狙おうねv」
蛍の表情に曇りはなく、とてもすっきりしていた
これが、自分の努力して得た結果なのだ
そう考えると、とても納得できた結果だった
♪♪♪
演奏会の帰り、柳宿に一件の着信
『着信:鳳綺』
「もしもし?」
『もしもし。柳宿?』
「鳳綺!!久し振りv」
『今から、家来ない?』
「え?」
『あんたに・・・見せたいものがあるの』
その声は、とても深刻そうだった
「何・・・これ」
インターネットのロイター通信に映し出された記事
『翼宿、メディア出演拒否。絶好調の彼に、一体何が?』
「久々の再会で嫌なもの見せてごめんね・・・やっぱり、知らなかった?」
「だって、これ今しがた出た報道でしょ?」
「そう。事務所も本人も今はまだ口を割ってないみたい」
「・・・どうして」
「柳宿・・・あんた、そろそろ限界なんじゃない?」
「え・・・?」
「仕事とかもやっと落ち着いてきて・・・自分の周りの環境が整ってきて・・・後は彼だけでしょ?」
「・・・それは」
「彼・・・きっと何かあったのよ。今の内に日本に帰ってきた方が・・・」
「駄目だよ!!」
柳宿は、きつく拒否した
「・・・・・・・・・・・・まだ、まだきっとあいつは・・・やり残した事がある筈だよ・・・だから」
以前に自分を心配して初めてかけてきてくれた電話で
柳宿は、やっと向こうの彼を受け入れ始めているのだ
帰宅途中、たまたま通りかかったあのCDショップ
懐かしい翼宿の知り合いが思い浮かんだ
「お客さん~また、暗い顔してどうしたんですか?」
「わ!!優さん!!」
「そろそろ、あたしに会いたくなっちゃったかなぁ?」
「へへ・・・まぁ」
「いいよ。もうすぐお店閉めるトコだったし、話聞くよ」
コトン
「そう・・・そんな事が」
「あまり広めないでほしいんですけど・・・」
「あたしが黙ってても、その内週刊誌が報道するわよ」
「・・・・・・あたし、どうしたらいいですかね?」
「ん?」
「きっと・・・メディア出演を断るなら相当の理由だと思うんです。あいつ、やると決めた事はちゃんとやり通す奴だったし・・・テレビ嫌いだったけど、だけどちゃんと元気な姿をファンのみんなに見せてあげる事がファンへの誠意だって分かってる筈ですから」
「だけど、まだ理由は聞き出せずじまいか・・・」
「何か・・・聞きづらいし・・・余計な口出しちゃいけないんじゃないかなって」
「あいつはあいつの考え方があるんだろうしねぇ」
優は、煙草に火をつける
「その銘柄・・・」
「え?」
「懐かしい・・・翼宿の銘柄です」
「ああ・・・あいつ、まだこれ吸ってるんだ?ここにバイトに来た時に、あたしが吸ってるの見て銘柄変えたのよね」
「翼宿・・・辛くないかな。向こうで」
「・・・・・・・・・・・・・・あたし、電話してみようか?」
「え?」
「あんたが心配してたって事も伝えておく」
「・・・・・・・・・本当ですか?」
「何か久々に声聞きたくなっちゃった。あいつに猫預けられた恩師の存在忘れられてると何か悔しいし」
彼の本当の気持ちを聞き出す為にも
パチパチパチパチ
一つの演奏会の結果が発表され、舞台は幕を下ろした
「蛍ちゃん!!お疲れ様!!」
「柳宿先生・・・」
「三位入賞でしょ?凄いじゃないv」
「うん・・・蛍、頑張ったかな?」
「頑張ったよv次は絶対入選狙おうねv」
蛍の表情に曇りはなく、とてもすっきりしていた
これが、自分の努力して得た結果なのだ
そう考えると、とても納得できた結果だった
♪♪♪
演奏会の帰り、柳宿に一件の着信
『着信:鳳綺』
「もしもし?」
『もしもし。柳宿?』
「鳳綺!!久し振りv」
『今から、家来ない?』
「え?」
『あんたに・・・見せたいものがあるの』
その声は、とても深刻そうだった
「何・・・これ」
インターネットのロイター通信に映し出された記事
『翼宿、メディア出演拒否。絶好調の彼に、一体何が?』
「久々の再会で嫌なもの見せてごめんね・・・やっぱり、知らなかった?」
「だって、これ今しがた出た報道でしょ?」
「そう。事務所も本人も今はまだ口を割ってないみたい」
「・・・どうして」
「柳宿・・・あんた、そろそろ限界なんじゃない?」
「え・・・?」
「仕事とかもやっと落ち着いてきて・・・自分の周りの環境が整ってきて・・・後は彼だけでしょ?」
「・・・それは」
「彼・・・きっと何かあったのよ。今の内に日本に帰ってきた方が・・・」
「駄目だよ!!」
柳宿は、きつく拒否した
「・・・・・・・・・・・・まだ、まだきっとあいつは・・・やり残した事がある筈だよ・・・だから」
以前に自分を心配して初めてかけてきてくれた電話で
柳宿は、やっと向こうの彼を受け入れ始めているのだ
帰宅途中、たまたま通りかかったあのCDショップ
懐かしい翼宿の知り合いが思い浮かんだ
「お客さん~また、暗い顔してどうしたんですか?」
「わ!!優さん!!」
「そろそろ、あたしに会いたくなっちゃったかなぁ?」
「へへ・・・まぁ」
「いいよ。もうすぐお店閉めるトコだったし、話聞くよ」
コトン
「そう・・・そんな事が」
「あまり広めないでほしいんですけど・・・」
「あたしが黙ってても、その内週刊誌が報道するわよ」
「・・・・・・あたし、どうしたらいいですかね?」
「ん?」
「きっと・・・メディア出演を断るなら相当の理由だと思うんです。あいつ、やると決めた事はちゃんとやり通す奴だったし・・・テレビ嫌いだったけど、だけどちゃんと元気な姿をファンのみんなに見せてあげる事がファンへの誠意だって分かってる筈ですから」
「だけど、まだ理由は聞き出せずじまいか・・・」
「何か・・・聞きづらいし・・・余計な口出しちゃいけないんじゃないかなって」
「あいつはあいつの考え方があるんだろうしねぇ」
優は、煙草に火をつける
「その銘柄・・・」
「え?」
「懐かしい・・・翼宿の銘柄です」
「ああ・・・あいつ、まだこれ吸ってるんだ?ここにバイトに来た時に、あたしが吸ってるの見て銘柄変えたのよね」
「翼宿・・・辛くないかな。向こうで」
「・・・・・・・・・・・・・・あたし、電話してみようか?」
「え?」
「あんたが心配してたって事も伝えておく」
「・・・・・・・・・本当ですか?」
「何か久々に声聞きたくなっちゃった。あいつに猫預けられた恩師の存在忘れられてると何か悔しいし」
彼の本当の気持ちを聞き出す為にも