Making of the Moon【柳宿side】
聖への返事よりももっと大事な事があった
彼の気持ち
「そう・・・やっぱり、聖君にねぇ」
「男ってみんなそうなんだね」
今まで関わってくる男全てに告白されていた柳宿は、今回もかと苦笑いをする
そんな柳宿を見て、鳳綺はため息をつく
「・・・・・・・・・・・・翼宿君とちゃんと話をしたら?」
「え・・・・・・・・」
「まだ、きちんと貰ってないんでしょ?留学の返事も」
「・・・・・・・・・・・うん」
「あんたがきちんと励ましてやりなさいよ。杏さんがどんな人だろうと、翼宿君の彼女はあんただけなのよ?」
そうだ。いつだって、彼は自分の電話を邪険にした事はない
いつも連絡出来ないのを謝って・・・人一倍疲れていたくせに
「・・・・・・・・・・・・きちんと電話するよ」
自分に出来る精一杯の事だから
Pllllllllllllllllllll
心臓が静かに高鳴るのが分かる
カチャ
その電話の空気は既に重たかった
『もしもし・・・』
「もしもし・・・」
『柳宿・・・』
「久し振り。元気・・・?」
『あぁ・・・』
「やっと・・・繋がった」
『・・・・・・・・・・・・・すまんな。結局連絡せんで』
「大丈夫・・・あんた、ちゃんと食べてるの?」
『・・・・・・・・・・・・・残念ながら』
「何やってんのよ・・・まずは、体が主体でしょ?」
『何も喉通らへん・・・』
今まで聞いた事のない声
「・・・・・翼宿」
『・・・・・・・・・・・・・・・こんな情けない声聞かせとうないやん』
「だから・・・・・・ずっと連絡無視してたのね」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「翼宿。あたしさ・・・今年の春にそっちに行くんだ」
『・・・・・・・・・ああ』
「今、うきうきしながらあんたとデートの約束する気はない」
『・・・・・・・・・・・・』
「だけど・・・会いたいとは思ってる」
『・・・・・・・・・・・・』
「あんた次第だよ。あたしの事忘れてるなら、それでもいいし」
『・・・・・・・・・・・今は、まだ』
「分かってる・・・。だけどさ、あたしはずっとあんたの味方だから」
『・・・・・・・・・・ああ』
「それだけは、忘れないで?」
『・・・・・・・・・・・おおきに』
「・・・・・・じゃあ」
『・・・・・・・・・・・くっ・・・』
「翼宿・・・?」
突然、彼の嗚咽
「どうしたの・・・?」
『・・・・・・・・・・・・・・すまん。お前の声聞いたら、何だか』
「翼宿・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・怖い』
初めて見た彼の弱音
『怖いんや・・・』
柳宿は落ち着いて、事を把握した
彼は大事な人を失い、自分の目標を見失っている
だけど、ここで逃げてはいけない
大事なものを失う事に怯えてはいけない
それ以上に過酷な世界に、彼は飛び込んで行ったのだから
「翼宿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・負けないで。あんたが選んだ道だよ?みんな・・・・・・・・・・信じて待ってる。みんなの気持ちがあんたを支えてる・・・・・・・・・・その気持ちだけは、絶対に消えないんだよ?」
自分でも何を言っているか分からなかった
だけど、ゆっくりと諭す
翼宿のいるこの現実を
『・・・・・・・・・・・・・・すまんな』
「ううん・・・また・・・電話するね」
『ああ・・・』
電話を切ると、涙が溢れた
本当は傍にいてあげたい
抱きしめてあげたい
だけど・・・
負けちゃいけないんだよね。翼宿・・・・・・・・・・・・・自分の為にも。
彼の気持ち
「そう・・・やっぱり、聖君にねぇ」
「男ってみんなそうなんだね」
今まで関わってくる男全てに告白されていた柳宿は、今回もかと苦笑いをする
そんな柳宿を見て、鳳綺はため息をつく
「・・・・・・・・・・・・翼宿君とちゃんと話をしたら?」
「え・・・・・・・・」
「まだ、きちんと貰ってないんでしょ?留学の返事も」
「・・・・・・・・・・・うん」
「あんたがきちんと励ましてやりなさいよ。杏さんがどんな人だろうと、翼宿君の彼女はあんただけなのよ?」
そうだ。いつだって、彼は自分の電話を邪険にした事はない
いつも連絡出来ないのを謝って・・・人一倍疲れていたくせに
「・・・・・・・・・・・・きちんと電話するよ」
自分に出来る精一杯の事だから
Pllllllllllllllllllll
心臓が静かに高鳴るのが分かる
カチャ
その電話の空気は既に重たかった
『もしもし・・・』
「もしもし・・・」
『柳宿・・・』
「久し振り。元気・・・?」
『あぁ・・・』
「やっと・・・繋がった」
『・・・・・・・・・・・・・すまんな。結局連絡せんで』
「大丈夫・・・あんた、ちゃんと食べてるの?」
『・・・・・・・・・・・・・残念ながら』
「何やってんのよ・・・まずは、体が主体でしょ?」
『何も喉通らへん・・・』
今まで聞いた事のない声
「・・・・・翼宿」
『・・・・・・・・・・・・・・・こんな情けない声聞かせとうないやん』
「だから・・・・・・ずっと連絡無視してたのね」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「翼宿。あたしさ・・・今年の春にそっちに行くんだ」
『・・・・・・・・・ああ』
「今、うきうきしながらあんたとデートの約束する気はない」
『・・・・・・・・・・・・』
「だけど・・・会いたいとは思ってる」
『・・・・・・・・・・・・』
「あんた次第だよ。あたしの事忘れてるなら、それでもいいし」
『・・・・・・・・・・・今は、まだ』
「分かってる・・・。だけどさ、あたしはずっとあんたの味方だから」
『・・・・・・・・・・ああ』
「それだけは、忘れないで?」
『・・・・・・・・・・・おおきに』
「・・・・・・じゃあ」
『・・・・・・・・・・・くっ・・・』
「翼宿・・・?」
突然、彼の嗚咽
「どうしたの・・・?」
『・・・・・・・・・・・・・・すまん。お前の声聞いたら、何だか』
「翼宿・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・怖い』
初めて見た彼の弱音
『怖いんや・・・』
柳宿は落ち着いて、事を把握した
彼は大事な人を失い、自分の目標を見失っている
だけど、ここで逃げてはいけない
大事なものを失う事に怯えてはいけない
それ以上に過酷な世界に、彼は飛び込んで行ったのだから
「翼宿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・負けないで。あんたが選んだ道だよ?みんな・・・・・・・・・・信じて待ってる。みんなの気持ちがあんたを支えてる・・・・・・・・・・その気持ちだけは、絶対に消えないんだよ?」
自分でも何を言っているか分からなかった
だけど、ゆっくりと諭す
翼宿のいるこの現実を
『・・・・・・・・・・・・・・すまんな』
「ううん・・・また・・・電話するね」
『ああ・・・』
電話を切ると、涙が溢れた
本当は傍にいてあげたい
抱きしめてあげたい
だけど・・・
負けちゃいけないんだよね。翼宿・・・・・・・・・・・・・自分の為にも。