Making of the Moon【柳宿side】
鬼宿の騒動も、鬼宿が病院送りになった程度で済み、柳宿もホッとしていた
しかし、鬼宿の見舞いに未だに行けない理由がある
それは・・・翼宿の事があったからだった
「ふぅ・・・」
「柳宿さん。最近、毎日元気ないですね」
「ごめんねぇ~せっかく就職決まったのに・・・」
聖も無事に就職が決まり、もはや二人が一緒にいる必要はなくなった
最後の一緒の帰宅
「・・・・・・・・・・・・ここでいいよ。ありがとう。じゃあ・・・卒業してもお互い頑張ろうね」
「あの・・・柳宿さん!!」
「へ・・・?」
「会って・・・くれませんか?今度の日曜日に」
「・・・今度の?」
「就職祝いに・・・遊園地にでも」
気晴らしにならいいか
「うん。いいよ!!楽しみにしてる!!」
しかし、部屋に入っても考えるのは「彼」の事だけ
あれから一ヵ月・・・・・・・・・・・相変わらず連絡は来ない
いつまでももやもやしていたくないから、柳宿は携帯を開いた
Pllllllllllll
『もしもし・・・』
「もしもし。翼宿・・・?」
『・・・・・・・・・・久々やな』
「あの・・・翼宿・・・あたし・・・」
『すまんな。メール返せんで』
翼宿の声は、とても気落ちしていた
案の定
「あの・・・杏さん・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「やっぱり・・・・・・・・・そうなんだね」
『何や・・・知ってたんか』
「裏で流れてるニュースで・・・教えてもらった」
『・・・・・・・・そか』
「翼宿・・・あたし・・・」
『心配すんな。こっちは大丈夫やから』
「大丈夫って・・・」
『すまん。これからライブなんや・・・後で、ちゃんと電話する』
「分かった・・・」
電話を切っても、もやもやは消えない
あいつの頭の中は・・・きっと、あの子の事だけ
「ふぅ・・・」
「また、溜息ですね」
「ごめんね!!せっかくの遊園地!!」
晴天の空の下
柳宿と聖は、朱雀遊園地に来ていた
「お化け屋敷もジェットコースターも一通り乗りましたし、次は観覧車に行きますか?」
「そーだね!!あたし、観覧車が一番好き!!」
観覧車の中からは、海が見える
「ありがとうございます。いい気分転換になりました」
「ううん。こちらこそ、楽しいよ!!」
「あの・・・翼宿さんの事で悩んでるんですか?」
「・・・へ!?そう見える!?」
「あなたが頭を抱える理由は、それしかありませんから」
「この前、電話したんだけどさ・・・案の定、彼女の事で頭がいっぱいみたい」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「あたしも理不尽だよねぇ!!杏さんは、翼宿の事・・・ずっと好きだったみたいだから」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「だから、複雑だった」
「仕方ないですよ」
「え・・・?」
「柳宿さんも杏さんも、同じくらい翼宿さんを愛しているから・・・仕方がないです」
反論は出来なかった
「あの二人・・・どこまで行ったんだろう」
「柳宿さんは、どこまで行ったんですか?」
「はぁ!?あたしなんて・・・まだこれっぽっちも・・・って、何の話してんだか・・・」
その瞬間、聖の手が柳宿の手に触れた
「僕じゃ・・・駄目ですか?」
「え・・・?」
「僕・・・これっきりの関係にしたくないんです」
「・・・・・聖君?」
「僕・・・柳宿さんと離れたくない」
「だって・・・あなた、合唱団の女の人が好きって・・・」
「嘘です・・・」
「嘘ぉ・・・!?」
「あなたが芸能人だから興味を持って近づいてるだとか・・・そういう風に思われたくなかったから」
「聖君・・・」
「だけど、この気持ちだって芸能人だからとかっていう意味じゃありません!!純粋に・・・あなたの人間性が好きなんです」
顔面真っ赤で告白してくる聖
きっと、生まれて初めての告白なのだろう
「・・・・・・・・・・・・・・・ごめん。よく分かんないや」
本当に分かんない
日本で幸せになる方法なんていくらでもあるのに
しかし、鬼宿の見舞いに未だに行けない理由がある
それは・・・翼宿の事があったからだった
「ふぅ・・・」
「柳宿さん。最近、毎日元気ないですね」
「ごめんねぇ~せっかく就職決まったのに・・・」
聖も無事に就職が決まり、もはや二人が一緒にいる必要はなくなった
最後の一緒の帰宅
「・・・・・・・・・・・・ここでいいよ。ありがとう。じゃあ・・・卒業してもお互い頑張ろうね」
「あの・・・柳宿さん!!」
「へ・・・?」
「会って・・・くれませんか?今度の日曜日に」
「・・・今度の?」
「就職祝いに・・・遊園地にでも」
気晴らしにならいいか
「うん。いいよ!!楽しみにしてる!!」
しかし、部屋に入っても考えるのは「彼」の事だけ
あれから一ヵ月・・・・・・・・・・・相変わらず連絡は来ない
いつまでももやもやしていたくないから、柳宿は携帯を開いた
Pllllllllllll
『もしもし・・・』
「もしもし。翼宿・・・?」
『・・・・・・・・・・久々やな』
「あの・・・翼宿・・・あたし・・・」
『すまんな。メール返せんで』
翼宿の声は、とても気落ちしていた
案の定
「あの・・・杏さん・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「やっぱり・・・・・・・・・そうなんだね」
『何や・・・知ってたんか』
「裏で流れてるニュースで・・・教えてもらった」
『・・・・・・・・そか』
「翼宿・・・あたし・・・」
『心配すんな。こっちは大丈夫やから』
「大丈夫って・・・」
『すまん。これからライブなんや・・・後で、ちゃんと電話する』
「分かった・・・」
電話を切っても、もやもやは消えない
あいつの頭の中は・・・きっと、あの子の事だけ
「ふぅ・・・」
「また、溜息ですね」
「ごめんね!!せっかくの遊園地!!」
晴天の空の下
柳宿と聖は、朱雀遊園地に来ていた
「お化け屋敷もジェットコースターも一通り乗りましたし、次は観覧車に行きますか?」
「そーだね!!あたし、観覧車が一番好き!!」
観覧車の中からは、海が見える
「ありがとうございます。いい気分転換になりました」
「ううん。こちらこそ、楽しいよ!!」
「あの・・・翼宿さんの事で悩んでるんですか?」
「・・・へ!?そう見える!?」
「あなたが頭を抱える理由は、それしかありませんから」
「この前、電話したんだけどさ・・・案の定、彼女の事で頭がいっぱいみたい」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「あたしも理不尽だよねぇ!!杏さんは、翼宿の事・・・ずっと好きだったみたいだから」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「だから、複雑だった」
「仕方ないですよ」
「え・・・?」
「柳宿さんも杏さんも、同じくらい翼宿さんを愛しているから・・・仕方がないです」
反論は出来なかった
「あの二人・・・どこまで行ったんだろう」
「柳宿さんは、どこまで行ったんですか?」
「はぁ!?あたしなんて・・・まだこれっぽっちも・・・って、何の話してんだか・・・」
その瞬間、聖の手が柳宿の手に触れた
「僕じゃ・・・駄目ですか?」
「え・・・?」
「僕・・・これっきりの関係にしたくないんです」
「・・・・・聖君?」
「僕・・・柳宿さんと離れたくない」
「だって・・・あなた、合唱団の女の人が好きって・・・」
「嘘です・・・」
「嘘ぉ・・・!?」
「あなたが芸能人だから興味を持って近づいてるだとか・・・そういう風に思われたくなかったから」
「聖君・・・」
「だけど、この気持ちだって芸能人だからとかっていう意味じゃありません!!純粋に・・・あなたの人間性が好きなんです」
顔面真っ赤で告白してくる聖
きっと、生まれて初めての告白なのだろう
「・・・・・・・・・・・・・・・ごめん。よく分かんないや」
本当に分かんない
日本で幸せになる方法なんていくらでもあるのに