Making of the Moon【柳宿side】
「留学・・・決意してくれたのね?柳宿さん!!」
「はい・・・」
翌日、柳宿は「むらさき」に留学承諾書を持って行った
「ここの塾は、小さな塾だけれど、たくさんの優秀な生徒を出しているの。それも、教員の力次第でいくらでも変わる。日本に残ってピアノを極めた人と、グローバルにピアノを極めた人とでは雲泥の差だからね」
不安はあるけれど・・・自分の夢が広がる為にはせっかくのチャンスだ
「あたしも協力するから・・・頑張ってね」
加奈子は、そう言って力強く柳宿の肩を叩く
「ありがとうございます・・・」
事務所のベンチで、柳宿は分厚い書類に目を通していた
「・・・・・・はぁ。こんなにあるのね」
パスポート発行や、留学先のホームステイの手続きなど今からする事はたくさんあった
「留学???」
「わ!!何だ、夕城プロか・・・」
「何を書類とにらめっこしてるのかと思ったら・・・柳宿、留学するのか?」
「はい・・・就職先の薦めで・・・自由なんですけどね」
「そうなのか~遂にお前も渡米するのか!!」
「渡米ったって・・・三ヵ月だけですよ」
「行先は・・・・・・・・・・・・・USA!?」
柳宿は、頷く
「それで・・・夕城プロに報告と相談を」
「あ。でも、この地域だとあいつのいる稽古場からはだいぶ離れてるな」
柳宿は、肩を落とす
「あ!!ダメダメ!!そういうのじゃないんだから!!これは、ちゃんとした勉強!!」
喝を入れなおす柳宿に、夕城プロは噴き出した
「何で笑うんですか~?」
「だって・・・単純だな、昔から柳宿は!!」
「単純って・・・夕城プロよりは単純じゃありません!!」
「会いたいのか?」
「・・・・・・まぁ、すれ違う程度なら」
「嘘つけ。めちゃめちゃその事しか頭になかっただろ?」
「そんな事・・・ないですっ!!」
「ま、お前らも頑張ってる事だし、ご褒美にいいんじゃないか?」
ご褒美・・・かぁ。
「だけど、お互いの事に集中出来なくなるかも・・・」
「けじめつければ、大丈夫だろ。写真の一枚でも送れよ~v」
夕城プロは、さっさと自分で事を片付けて行ってしまった
「夕城プロ~・・・」
出発は、来年の春
本音を言えば、会いたい
会ってくれるかな
デートしてくれるかな
その事しか・・・考えられなくなっていた
まだ、知らなかった「向こう」での事態
「はい・・・」
翌日、柳宿は「むらさき」に留学承諾書を持って行った
「ここの塾は、小さな塾だけれど、たくさんの優秀な生徒を出しているの。それも、教員の力次第でいくらでも変わる。日本に残ってピアノを極めた人と、グローバルにピアノを極めた人とでは雲泥の差だからね」
不安はあるけれど・・・自分の夢が広がる為にはせっかくのチャンスだ
「あたしも協力するから・・・頑張ってね」
加奈子は、そう言って力強く柳宿の肩を叩く
「ありがとうございます・・・」
事務所のベンチで、柳宿は分厚い書類に目を通していた
「・・・・・・はぁ。こんなにあるのね」
パスポート発行や、留学先のホームステイの手続きなど今からする事はたくさんあった
「留学???」
「わ!!何だ、夕城プロか・・・」
「何を書類とにらめっこしてるのかと思ったら・・・柳宿、留学するのか?」
「はい・・・就職先の薦めで・・・自由なんですけどね」
「そうなのか~遂にお前も渡米するのか!!」
「渡米ったって・・・三ヵ月だけですよ」
「行先は・・・・・・・・・・・・・USA!?」
柳宿は、頷く
「それで・・・夕城プロに報告と相談を」
「あ。でも、この地域だとあいつのいる稽古場からはだいぶ離れてるな」
柳宿は、肩を落とす
「あ!!ダメダメ!!そういうのじゃないんだから!!これは、ちゃんとした勉強!!」
喝を入れなおす柳宿に、夕城プロは噴き出した
「何で笑うんですか~?」
「だって・・・単純だな、昔から柳宿は!!」
「単純って・・・夕城プロよりは単純じゃありません!!」
「会いたいのか?」
「・・・・・・まぁ、すれ違う程度なら」
「嘘つけ。めちゃめちゃその事しか頭になかっただろ?」
「そんな事・・・ないですっ!!」
「ま、お前らも頑張ってる事だし、ご褒美にいいんじゃないか?」
ご褒美・・・かぁ。
「だけど、お互いの事に集中出来なくなるかも・・・」
「けじめつければ、大丈夫だろ。写真の一枚でも送れよ~v」
夕城プロは、さっさと自分で事を片付けて行ってしまった
「夕城プロ~・・・」
出発は、来年の春
本音を言えば、会いたい
会ってくれるかな
デートしてくれるかな
その事しか・・・考えられなくなっていた
まだ、知らなかった「向こう」での事態