Making of the Moon【柳宿side】
ピンポーン
帰国後、向かった先は愛しい人が示す親類の元
「はい?」
「夜分にすみません・・・私、翼宿さんの知り合いの柳宿という者ですが・・・」
「あらぁv柳宿ちゃん!?話は聞いてるよ!!さぁ入った入ったv」
その女性は微笑んだ
ニャ~
タマが柳宿に気付いて駆けてくる
「タマ・・・元気だった・・・?ごめんね。おいてけぼりにしちゃって」
愛おしそうに頭を撫でる
「お疲れさん。今、帰ってきたんだって?」
「はい・・・。タマが心配になって」
「色々大変だったろう。少し休んでいくといい」
「あの・・・」
「ああ。あたしは翼宿の親類でも何でもないけどさ、東京来たての頃に3ヶ月間だけあいつがバイトしてたCDショップの店長の優ってんだ」
悪戯そうに微笑んだ優
お茶をいただき、一息つく
「あんたらには、酷な決断だったかもしれないね・・・」
「いいえ・・・。あたしが我儘だっただけなんです。今は・・・翼宿の事素直に応援できます」
「あいつがまさか世界に・・・ねぇ。あの頃はそんなナリになるなんて思わなかったけど」
「そうなんですか?」
「不良から抜けたての頃だったし、髪も化粧も直してこないで堂々とうちの店に面接頼んできてね。びびったけど、話せば熱い奴だし、人は見た目じゃないし、うちは幸運にもCDショップだし少し派手な方が売上伸びるかななんて思って雇ったんだけどさ」
「なるほど・・・」
「そしたら客は減るばかりか増える一方。あいつのファンが、CD何枚も買ったりCDの場所聞く行列作ったり、もうひどかった」
「はは・・・」
「あいつはそしたらウザいから辞めるだってさ。そりゃそうだよ~仕事どころじゃなかったし」
「そういう奴ですよね・・・あいつは」
「平気?辛くない?」
優は尋ねる
途端に堪えていた涙が溢れ出した
「あ・・・すみません・・・。初対面で・・・」
「いいんだよ。あたしに何でも相談して?女としての気持ち分かってくれないでしょ?男ばっかの職場だと」
「優さん・・・」
ニャ~
あの人との別れと引き換えに得た出会い
大きな優しさに包まれていた
それから帰国後一週間
家から出るなと、夕城プロに謹慎命令を言い渡され、柳宿は家でボーッとしていた
その間、柳宿はインターネットに気になる名前をそっと検索してみた
「朱星音楽短期大学」
「何見てるんだい?」
「兄貴!!」
「短大・・・?柳宿、短大行きたいの?」
「う~ん・・・進学時期じゃない?迷ってて」
「そうか。柳宿ももう普通の学生だもんな」
「やる事、急になくなっちゃったよねぇ・・・」
「柳宿・・・。平気なのかい?」
「え・・・?」
「連絡・・・取ったのか?」
「まだだよ・・・暫くは無理だよぉ~」
「まぁ・・・そうだろうけど。柳宿。母さんと父さんに話してみるだけ話してみたらどうだい?」
「・・・うん」
自分の人生は自分で決める
翼宿に言われた言葉
今がその時なんだから
Pllll
『はい。yukimusic事務所です』
「あ・・・夕城プロですか?」
『柳宿!!どうした?そろそろ俺が恋しくなったか?』
「そんなんじゃないですよ~あたし・・・進路決めたんです」
『へ!?どこへ!?』
「朱星音楽短期大学。ピアノの指導が強い大学なんだって。留学も出来る。あたしやってみようかなって」
『そうかぁ~普通の学生に戻ってピアノを極めるのか!!いい考えかもな!!』
「それで、夕城プロに報告しとこうと思って!」
『ありがとな~わざわざ!!あ。今度、鬼宿と飲む約束したんだけど、柳宿も来ないか?』
「あたしはいいですよ~二人の中に入れないので」
『そっかぁ~残念だな。まぁ、鬼宿にも連絡してやれよ!!』
「は~い」
(鬼宿。全然連絡取ってないな。何か傷の舐め合いとかしたくないからなぁ・・・)
それから更に数日が経ち
鳳綺が家に遊びに来た
「久し振りv無事に帰ってきたのねv」
「鳳綺・・・。心配かけてごめんね~」
「いいのいいの!!お疲れ様!!色々と!!」
鳳綺も、柳宿の気持ちはよく知っていた
中々仕事中は会えなかったけれど、メールでしょっちゅう相談はしていたから
「それで、彼から連絡は来ないの?」
「まだ何も・・・。忙しいんでしょ、きっと」
「あんたから連絡してみたらいいじゃない」
「何か・・・怖くて」
指輪にはリングは光っているが
「まだ、元気出なくてさ。怒られちゃう。あいつに」
「あんたの気持ち分かってくれるわよ~多分彼だって痛いくらいに」
「・・・・・」
「じゃあ、鬼宿先輩には連絡してみたら?力になってくれると思う」
「そうかな・・・」
「彼まで避ける理由はないでしょ?」
その夜
やっと開いた鬼宿の連絡先
電話だけでも・・・
『もしもし!?』
受話器の向こうから嬉しそうな声
「もしもし・・・たま・・・?」
『柳宿!!お前・・・元気だったかよ!?たった今、夕城プロに聞いたとこだよ!!お前の進学!!』
「うん。丁度進学時期だったし・・・短大くらいなら出た方がいいって親にも薦められてね」
『お前・・・明日暇か?』
「大丈夫だけど・・・」
『事務所借りてさ。話しようぜ。まだ公には出られないだろうし』
あれ以来のメンバーとの再会
帰国後、向かった先は愛しい人が示す親類の元
「はい?」
「夜分にすみません・・・私、翼宿さんの知り合いの柳宿という者ですが・・・」
「あらぁv柳宿ちゃん!?話は聞いてるよ!!さぁ入った入ったv」
その女性は微笑んだ
ニャ~
タマが柳宿に気付いて駆けてくる
「タマ・・・元気だった・・・?ごめんね。おいてけぼりにしちゃって」
愛おしそうに頭を撫でる
「お疲れさん。今、帰ってきたんだって?」
「はい・・・。タマが心配になって」
「色々大変だったろう。少し休んでいくといい」
「あの・・・」
「ああ。あたしは翼宿の親類でも何でもないけどさ、東京来たての頃に3ヶ月間だけあいつがバイトしてたCDショップの店長の優ってんだ」
悪戯そうに微笑んだ優
お茶をいただき、一息つく
「あんたらには、酷な決断だったかもしれないね・・・」
「いいえ・・・。あたしが我儘だっただけなんです。今は・・・翼宿の事素直に応援できます」
「あいつがまさか世界に・・・ねぇ。あの頃はそんなナリになるなんて思わなかったけど」
「そうなんですか?」
「不良から抜けたての頃だったし、髪も化粧も直してこないで堂々とうちの店に面接頼んできてね。びびったけど、話せば熱い奴だし、人は見た目じゃないし、うちは幸運にもCDショップだし少し派手な方が売上伸びるかななんて思って雇ったんだけどさ」
「なるほど・・・」
「そしたら客は減るばかりか増える一方。あいつのファンが、CD何枚も買ったりCDの場所聞く行列作ったり、もうひどかった」
「はは・・・」
「あいつはそしたらウザいから辞めるだってさ。そりゃそうだよ~仕事どころじゃなかったし」
「そういう奴ですよね・・・あいつは」
「平気?辛くない?」
優は尋ねる
途端に堪えていた涙が溢れ出した
「あ・・・すみません・・・。初対面で・・・」
「いいんだよ。あたしに何でも相談して?女としての気持ち分かってくれないでしょ?男ばっかの職場だと」
「優さん・・・」
ニャ~
あの人との別れと引き換えに得た出会い
大きな優しさに包まれていた
それから帰国後一週間
家から出るなと、夕城プロに謹慎命令を言い渡され、柳宿は家でボーッとしていた
その間、柳宿はインターネットに気になる名前をそっと検索してみた
「朱星音楽短期大学」
「何見てるんだい?」
「兄貴!!」
「短大・・・?柳宿、短大行きたいの?」
「う~ん・・・進学時期じゃない?迷ってて」
「そうか。柳宿ももう普通の学生だもんな」
「やる事、急になくなっちゃったよねぇ・・・」
「柳宿・・・。平気なのかい?」
「え・・・?」
「連絡・・・取ったのか?」
「まだだよ・・・暫くは無理だよぉ~」
「まぁ・・・そうだろうけど。柳宿。母さんと父さんに話してみるだけ話してみたらどうだい?」
「・・・うん」
自分の人生は自分で決める
翼宿に言われた言葉
今がその時なんだから
Pllll
『はい。yukimusic事務所です』
「あ・・・夕城プロですか?」
『柳宿!!どうした?そろそろ俺が恋しくなったか?』
「そんなんじゃないですよ~あたし・・・進路決めたんです」
『へ!?どこへ!?』
「朱星音楽短期大学。ピアノの指導が強い大学なんだって。留学も出来る。あたしやってみようかなって」
『そうかぁ~普通の学生に戻ってピアノを極めるのか!!いい考えかもな!!』
「それで、夕城プロに報告しとこうと思って!」
『ありがとな~わざわざ!!あ。今度、鬼宿と飲む約束したんだけど、柳宿も来ないか?』
「あたしはいいですよ~二人の中に入れないので」
『そっかぁ~残念だな。まぁ、鬼宿にも連絡してやれよ!!』
「は~い」
(鬼宿。全然連絡取ってないな。何か傷の舐め合いとかしたくないからなぁ・・・)
それから更に数日が経ち
鳳綺が家に遊びに来た
「久し振りv無事に帰ってきたのねv」
「鳳綺・・・。心配かけてごめんね~」
「いいのいいの!!お疲れ様!!色々と!!」
鳳綺も、柳宿の気持ちはよく知っていた
中々仕事中は会えなかったけれど、メールでしょっちゅう相談はしていたから
「それで、彼から連絡は来ないの?」
「まだ何も・・・。忙しいんでしょ、きっと」
「あんたから連絡してみたらいいじゃない」
「何か・・・怖くて」
指輪にはリングは光っているが
「まだ、元気出なくてさ。怒られちゃう。あいつに」
「あんたの気持ち分かってくれるわよ~多分彼だって痛いくらいに」
「・・・・・」
「じゃあ、鬼宿先輩には連絡してみたら?力になってくれると思う」
「そうかな・・・」
「彼まで避ける理由はないでしょ?」
その夜
やっと開いた鬼宿の連絡先
電話だけでも・・・
『もしもし!?』
受話器の向こうから嬉しそうな声
「もしもし・・・たま・・・?」
『柳宿!!お前・・・元気だったかよ!?たった今、夕城プロに聞いたとこだよ!!お前の進学!!』
「うん。丁度進学時期だったし・・・短大くらいなら出た方がいいって親にも薦められてね」
『お前・・・明日暇か?』
「大丈夫だけど・・・」
『事務所借りてさ。話しようぜ。まだ公には出られないだろうし』
あれ以来のメンバーとの再会