Making of the Moon【柳宿side】
ピンポーン
「鳳綺?」
ニャ～
「久し振り。大変だったみたいね」
休日、柳宿の家に鳳綺が訪ねてきた
「あんた・・・報道陣大変じゃなかった?」
「今日はそんなに来てないみたいよ」
「あたしの事・・・心配して?」
「当たり前でしょ?親友だもの」
柳宿は、そんな鳳綺を見て涙が出そうになった
「負けちゃ駄目よ。柳宿。もう少しの辛抱なんだから!!翼宿さん・・・もうすぐ顔出しに戻ってきてくれるわよ」
「でも、益々帰りづらくなっちゃったよ・・・」
「大丈夫。翼宿さんがあんたを信じてるのに、あんたが翼宿さんを信じなくてどうすんのよ!!」
親友の熱いエール
「タマも、頑張ってご主人様の帰りを待ってるのよ?」
ニャ～v
誰にでも人懐っこいタマは、鳳綺に寄り添って鳴いた
『気分転換に、買い物でもしてきたら?』
母親にCDの買い物を頼まれ、こっそり外出
近所にある『Music Counter Reikaku』
「いらっしゃいませ～」
店内には幸いにもほとんど人がいなかった
「あら～?スキャンダルのお嬢様だわ?」
途端に、背後からそんな声をかけられた
驚いて振り向くと・・・
「・・・・・・・・・・・・優さん!?」
翼宿のかつてのバイト先の店長、優だった
「久し振りv偶然ね。ここ、うちの店なのよv」
「そうだったんですか?」
「ここじゃあ何だし、珈琲でも飲んでく?」
ガタン
「どうぞ」
休憩室で自動販売機から珈琲を取り出し、優は柳宿に差し出す
「すみません・・・何か」
「いいのよ。あたしにまで気遣う事ないじゃんかv」
優は自分の珈琲を開ける
「頑張ってるわね。心配してたのよ」
「いえ・・・あたしは何も」
「あんたの気持ち察するよ。大事な友達の為に出た行動なんだろう?」
「だけど、こんなに大事になるなんて・・・」
「そりゃあ無理ないよ。あんたが付き合ってる相手は、誰だと思ってるんだい?」
世界の大スターだ
「翼宿はそんなんで折れるほど軟じゃないから、平気だとは思うけどねv」
「そうでしょうか・・・?」
「そうだよ～あいつ、ああ見えて一途だし、心配いらないよv」
「翼宿って、過去に彼女とかいたんですか?」
優は頭を掻いた
「いたんじゃないの～?でも、荒れてたからそれ程度の女しか寄ってこなかったと思うよ?今のが断然いいって!!」
「あたし、翼宿の事よく知ってるようで知らないとこばっかで。よかったのかなって、たまに思うんです」
「こら～自信持ちなさいな!!あいつはシャイだから、そう感じるだけで一番大事に思ってるのはあんただけだよ!!」
優の優しいエールに励まされる
「また、来なさいv」
CDショップを出ると、メールが一通
『お前を見かけたから・・・話がしたい。隣のカフェで待ってるよ』
天文からだった
見ると、隣のカフェの中から天文が手をあげている
「偶然・・・どうしたの?」
「ちょっとそこのCDショップから売上データ貰ってたんだよ」
「そうだったんだ」
そのカフェも、老人がほとんどだったので記者の姿も見当たらない
「話って・・・どうしたの?」
「いや。・・・実は」
Pllllllllllllll
携帯の着信音
「ごめん・・・ちょっといい?」
相手は、翼宿の携帯
「翼宿・・・」
「え・・・?」
「ごめん・・・」
柳宿は立ち上がって、喫茶店の玄関へ向かった
「もしもし?」
『もしもし』
女の声だった
「え・・・?あの・・・」
『柳宿さんですよね?「空翔宿星」の。あたし、翼宿の同級生で同じ養成所に通っている杏といいます』
「翼宿と・・・?」
『あの・・・失礼は承知なんですけど、もうしばらく翼宿と連絡取らないでいただけませんか?』
突然すぎる要求
『翼宿・・・熱で倒れたんです。あなたのせいなんじゃないですか?あんな勝手な発言して・・・翼宿、せっかくのライブも中途半端に終わって、養成所もみんな迷惑してるんです』
「それは・・・」
『スキャンダルは・・・そっちだけにしてください』
相手の声は怒りで震えていた
『この間の留守電・・・消したのはあたしです』
「え・・・?」
『あたしは・・・中学の頃からずっと翼宿を見てきました。ずっと・・・ずっと好きでした!!離したくないんです!!日本に帰したくない・・・ここにいれば、翼宿の夢はもっと大きくなる。そんなあいつの背中をずっと見ていたいんです!!』
ガチャ
ツーツーツー
今、明かされた突然すぎる真実
翼宿の幼馴染・・・今、傍にいて・・・ずっと好きだった?
まさか・・・翼宿が前に帰れなかった理由は・・・彼女と?
混乱する頭
「柳宿?」
心配した天文が様子を見に来ていた
「天文・・・あたし・・・」
なぜか涙が零れる
「おい。どうした・・・」
「ごめん・・・ちょっと」
顔を背ける柳宿の仕草が切なくて
思わず後ろから抱き締めた
「落ち着くまで、こうしといてやるから・・・」
「天文・・・」
怖い。怖い
翼宿・・・どこへ行っちゃうの?
「鳳綺?」
ニャ～
「久し振り。大変だったみたいね」
休日、柳宿の家に鳳綺が訪ねてきた
「あんた・・・報道陣大変じゃなかった?」
「今日はそんなに来てないみたいよ」
「あたしの事・・・心配して?」
「当たり前でしょ?親友だもの」
柳宿は、そんな鳳綺を見て涙が出そうになった
「負けちゃ駄目よ。柳宿。もう少しの辛抱なんだから!!翼宿さん・・・もうすぐ顔出しに戻ってきてくれるわよ」
「でも、益々帰りづらくなっちゃったよ・・・」
「大丈夫。翼宿さんがあんたを信じてるのに、あんたが翼宿さんを信じなくてどうすんのよ!!」
親友の熱いエール
「タマも、頑張ってご主人様の帰りを待ってるのよ?」
ニャ～v
誰にでも人懐っこいタマは、鳳綺に寄り添って鳴いた
『気分転換に、買い物でもしてきたら?』
母親にCDの買い物を頼まれ、こっそり外出
近所にある『Music Counter Reikaku』
「いらっしゃいませ～」
店内には幸いにもほとんど人がいなかった
「あら～?スキャンダルのお嬢様だわ?」
途端に、背後からそんな声をかけられた
驚いて振り向くと・・・
「・・・・・・・・・・・・優さん!?」
翼宿のかつてのバイト先の店長、優だった
「久し振りv偶然ね。ここ、うちの店なのよv」
「そうだったんですか?」
「ここじゃあ何だし、珈琲でも飲んでく?」
ガタン
「どうぞ」
休憩室で自動販売機から珈琲を取り出し、優は柳宿に差し出す
「すみません・・・何か」
「いいのよ。あたしにまで気遣う事ないじゃんかv」
優は自分の珈琲を開ける
「頑張ってるわね。心配してたのよ」
「いえ・・・あたしは何も」
「あんたの気持ち察するよ。大事な友達の為に出た行動なんだろう?」
「だけど、こんなに大事になるなんて・・・」
「そりゃあ無理ないよ。あんたが付き合ってる相手は、誰だと思ってるんだい?」
世界の大スターだ
「翼宿はそんなんで折れるほど軟じゃないから、平気だとは思うけどねv」
「そうでしょうか・・・?」
「そうだよ～あいつ、ああ見えて一途だし、心配いらないよv」
「翼宿って、過去に彼女とかいたんですか?」
優は頭を掻いた
「いたんじゃないの～?でも、荒れてたからそれ程度の女しか寄ってこなかったと思うよ?今のが断然いいって!!」
「あたし、翼宿の事よく知ってるようで知らないとこばっかで。よかったのかなって、たまに思うんです」
「こら～自信持ちなさいな!!あいつはシャイだから、そう感じるだけで一番大事に思ってるのはあんただけだよ!!」
優の優しいエールに励まされる
「また、来なさいv」
CDショップを出ると、メールが一通
『お前を見かけたから・・・話がしたい。隣のカフェで待ってるよ』
天文からだった
見ると、隣のカフェの中から天文が手をあげている
「偶然・・・どうしたの?」
「ちょっとそこのCDショップから売上データ貰ってたんだよ」
「そうだったんだ」
そのカフェも、老人がほとんどだったので記者の姿も見当たらない
「話って・・・どうしたの?」
「いや。・・・実は」
Pllllllllllllll
携帯の着信音
「ごめん・・・ちょっといい?」
相手は、翼宿の携帯
「翼宿・・・」
「え・・・?」
「ごめん・・・」
柳宿は立ち上がって、喫茶店の玄関へ向かった
「もしもし?」
『もしもし』
女の声だった
「え・・・?あの・・・」
『柳宿さんですよね?「空翔宿星」の。あたし、翼宿の同級生で同じ養成所に通っている杏といいます』
「翼宿と・・・?」
『あの・・・失礼は承知なんですけど、もうしばらく翼宿と連絡取らないでいただけませんか?』
突然すぎる要求
『翼宿・・・熱で倒れたんです。あなたのせいなんじゃないですか?あんな勝手な発言して・・・翼宿、せっかくのライブも中途半端に終わって、養成所もみんな迷惑してるんです』
「それは・・・」
『スキャンダルは・・・そっちだけにしてください』
相手の声は怒りで震えていた
『この間の留守電・・・消したのはあたしです』
「え・・・?」
『あたしは・・・中学の頃からずっと翼宿を見てきました。ずっと・・・ずっと好きでした!!離したくないんです!!日本に帰したくない・・・ここにいれば、翼宿の夢はもっと大きくなる。そんなあいつの背中をずっと見ていたいんです!!』
ガチャ
ツーツーツー
今、明かされた突然すぎる真実
翼宿の幼馴染・・・今、傍にいて・・・ずっと好きだった?
まさか・・・翼宿が前に帰れなかった理由は・・・彼女と?
混乱する頭
「柳宿?」
心配した天文が様子を見に来ていた
「天文・・・あたし・・・」
なぜか涙が零れる
「おい。どうした・・・」
「ごめん・・・ちょっと」
顔を背ける柳宿の仕草が切なくて
思わず後ろから抱き締めた
「落ち着くまで、こうしといてやるから・・・」
「天文・・・」
怖い。怖い
翼宿・・・どこへ行っちゃうの?
