Making of the Moon【柳宿side】

「柳宿!!久し振り!!平気!?」
薫が柳宿の登校に驚き、近寄ってきた
「ごめんね・・・長い間、休んで」
「仕方ないよ~柳宿の事、毎日心配で心配で・・・」
「ありがと。薫・・・」
「・・・鏡花の事、気にしない方がいいよ。あたしも縁切ったしさ」
見ると、教室の隅に一人で鏡花が座っている
「今は・・・事情聞く気にはなれないけど、いつか話し合いしてみるから」
柳宿は、笑顔を作る

Pllllll
『着信 天文』
「もしもし?」
『もしもし。今、学校か?』
「うん・・・」
『ちょっと、食堂来れるか?』

「天文・・・」
「よ」
その表情は、少し冷たい
「来てたんだ・・・」
「当たり前。お前が今日から復学するって、事務所に連絡あったから」
「ごめん・・・迷惑かけて」
「前より騒ぎでかくなってるぞ?」
しかし、柳宿のせいではない
天文はそこは理解していた
溜息をつく
「翼宿に、了解取ったのか?」
「一応・・・」
「あいつも大変だろうな・・・今頃。今日、LAでライブなんだってよ」
「そうだよね・・・大事な時だったよね。でも、あたし・・・鬼宿にも迷惑かけたくなくて」
「女のお前も辛いとこだろうな。大丈夫。俺、事情聞きに来ただけで、お前責める為に来た訳じゃねえからさ」
「ありがと・・・夕城プロにも本当にごめんなさいって・・・」

「だから!!いいじゃないですか!!家の柳宿はもう一般人なんですから!!誰と恋愛しようが・・・」
「お兄さんとしても、複雑ではないですか!?ご存じだったんですか!?」
家の裏口からこっそり帰宅すると、呂候が門前払いをしている最中だった
ガチャ
「兄貴・・・」
「あぁ。柳宿。帰ってたのかい?」
「ごめんね・・・兄貴にまで迷惑・・・会社でも何か言われてるんじゃないの?」
「僕は心配いらないよ。柳宿こそ、また変なのに付きまとわれてないかい?」
色々な優しさを感じ、柳宿は思わず涙を流した
「柳宿・・・?」
ニャ~
タマも、駆け寄る
「ごめんなさい・・・あたし・・・とんでもない事・・・」
呂候は、そっと妹の頭を撫でた
「誰も悪くなんかないんだよ。いつかほとぼりも冷めるさ。みんなついてるから、平気だからね?」
どうすればいいか分からなかった。この手段の他に・・・
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