Making of the Moon【翼宿side】
「やったぁv「空翔宿星」の曲完コピやぁvv」
「阿呆。調子に乗るな。まだまだ、ベースラインが甘い」
「ホンマはびっくりしとるんやろ~?たまには、褒めぇよ~」
今日も、翼宿と翼のベース講習会
「煙草切れた。買ってくるわ」
翼宿は、その場を立ちあがった
ガコン
取り出した煙草で、一本一服している時だった
「・・・・・・・なぁ。翼宿君?」
振り返ると、派手な見た目ばかりの男性が4.5人こちらに向かって歩いてきた
「何や?」
「毎日お疲れ様。自分の事でいっぱいなのにあんな小さい餓鬼に教え込んで」
「だけど、ちと贔屓しすぎなんじゃないかなぁ?他の子も怒ってるよ~?」
嫌がらせだと、すぐに分かった翼宿は煙草を灰皿に入れた
「他人につっかかる暇あるなら、練習せぇ」
ドカッ
その中の一人が翼宿の胸倉を掴んで自販機に叩きつけた
「調子乗ってんじゃねえぞ?お前の居場所なんてもうここにはねぇんだよ。俺らの飛躍の邪魔すんじゃねえよ」
「翼宿!?」
様子を見にきた翼がその後ろで唖然として見ていた
「お前ら・・・翼宿に何しとんねん!!」
「んだよ、餓鬼。邪魔すんじゃねえよ。ちょっと翼宿君に男を教えてるだけなんだからさぁ」
「翼。えぇから、練習戻れ」
「嫌や!!翼宿離せぇ!!」
翼が、その内の男にかみついた
「わ!!何しやがんだ、この・・・!!!」
「おい!!何してるんだ!!」
そこに、魄狼が通りかかった
「ちっ・・・行こうぜ、米原!!」
「覚えておけよ」
米原と呼ばれた青年は、翼宿にそう言い放つと駆けて行った
「おい!!大丈夫か!?坊主に翼宿!!」
「平気です。すんません、驚かせてしもて」
翼宿は、普通の微笑み
「お前が怪我した事逆手に取っての嫌がらせか・・・タチわりぃな」
翼宿は、しりもちをついたままの翼をひょいと立ちあがらせた
「さぁ、練習するで」
「翼宿・・・」
♪♪♪
真夜中、翼宿は一人稽古場にいた
愛用のベースを片手に持って
勿論、片手で押さえていない弦を弾くだけ
確か、以前も手を怪我した事があったっけ
日本にいて・・・まだあいつらと演奏していた頃
あの時は、あの女がいつも傍にいてくれた
どんな時も自分を励ましてくれていた
そんな存在が、今更ながら懐かしく愛おしい
さすがの翼宿も、孤独感というものに浸らざるをえなくなってきた
自分のせいで悲しい顔をする人がいる
自分のせいで腹立たしく感じる人がいる
自分の居場所なんて、もうないのかもしれない
長く煙を吐く
Pllllllllllll
突然の着信音
窓には、懐かしい名前
『着信:優』
「もしもし?」
『もしもし。久し振り』
「何や・・・お前か」
『何やとは何よ?ちゃんと覚えてたー?』
「忘れかけとったわ」
『ひっどー!!タマちゃんを可愛がってた命の恩人に対する言葉!?』
「嘘や嘘。あんたのスパルタ教育を忘れる訳ないやろが」
『今のあんたがあるのは、あたしのお陰だもんねー?』
「何やねん。電話なんぞかけてきて」
『あー・・・いや。大丈夫なのかなぁと思って』
「やっぱ、知られたか」
『・・・柳宿ちゃんも心配してた。どう声をかけてあげればいいか分からないって』
「そっか・・・まぁ、ちょっとベース弾けない身になってしもてな」
『え!?どのくらいで治るの?』
「・・・リハビリ次第やけど、後三ヵ月はかかるな」
『あんた・・・その間どうしてる訳!?』
「知り合いにベース教えながら、時間潰してるわ」
『・・・そう』
翼宿は、煙草を灰皿に入れる
「・・・・・・・・・・・・・なぁ。優」
『何よ?』
「・・・・・・・・・・俺は、こっちにいてえぇ人間なんやろか?」
『え・・・?』
「こっちで頑張って、結局何が残るんやろ・・・」
分からなくなった
『・・・・・・・・・・・・目に見える形で残らなくてもいいんじゃないの?』
「・・・え?」
『みんなの心にはきっと残ってるから』
「・・・・・・・・・・・・」
『こっちでも、未だに「空翔宿星」の解散ライブのDVDがトップ3なのよ?』
「・・・・・・・・・・・・」
『あれから、3年も経つのにね』
「・・・・・・・・・・・・」
『みんなは何も望んでいないわ。ただ、あんたが元気な顔をして日本に帰ってきてくれれば』
「・・・・・・・・・・・優」
『そのためにも、今出来る事を精一杯やりなさい。悔いが残らないように』
「・・・・・・・・・・・・・」
『あんた・・・ベース大好きだったもんねぇ。覚えてる?うちの店にベース置いてた時、高校生が悪戯しようとしてあんた滅茶苦茶キレて喧嘩起こそうとしたの』
「んな昔の事・・・忘れたわ」
『ベースと一緒じゃなきゃ、あんたは活動出来ないんでしょ?』
「・・・・・・・ああ」
『もう一度、ベースと向き合う時間が出来たんじゃない?』
「向き合う時間・・・か」
『ちゃんと考えなさいよ。それと・・・ちゃんと寝なさい』
「ああ・・・」
『じゃあね。落ち着いたら、あんたから柳宿ちゃんに連絡してやりなさい。事務所にも一本入れなさいよ』
「分かってる」
『じゃあ、また・・・』
「優」
『ん?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとな」
『いえいえ。じゃあね』
「ああ」
今一度・・・・・・・・・・・「相棒」と向き合う時間を
「阿呆。調子に乗るな。まだまだ、ベースラインが甘い」
「ホンマはびっくりしとるんやろ~?たまには、褒めぇよ~」
今日も、翼宿と翼のベース講習会
「煙草切れた。買ってくるわ」
翼宿は、その場を立ちあがった
ガコン
取り出した煙草で、一本一服している時だった
「・・・・・・・なぁ。翼宿君?」
振り返ると、派手な見た目ばかりの男性が4.5人こちらに向かって歩いてきた
「何や?」
「毎日お疲れ様。自分の事でいっぱいなのにあんな小さい餓鬼に教え込んで」
「だけど、ちと贔屓しすぎなんじゃないかなぁ?他の子も怒ってるよ~?」
嫌がらせだと、すぐに分かった翼宿は煙草を灰皿に入れた
「他人につっかかる暇あるなら、練習せぇ」
ドカッ
その中の一人が翼宿の胸倉を掴んで自販機に叩きつけた
「調子乗ってんじゃねえぞ?お前の居場所なんてもうここにはねぇんだよ。俺らの飛躍の邪魔すんじゃねえよ」
「翼宿!?」
様子を見にきた翼がその後ろで唖然として見ていた
「お前ら・・・翼宿に何しとんねん!!」
「んだよ、餓鬼。邪魔すんじゃねえよ。ちょっと翼宿君に男を教えてるだけなんだからさぁ」
「翼。えぇから、練習戻れ」
「嫌や!!翼宿離せぇ!!」
翼が、その内の男にかみついた
「わ!!何しやがんだ、この・・・!!!」
「おい!!何してるんだ!!」
そこに、魄狼が通りかかった
「ちっ・・・行こうぜ、米原!!」
「覚えておけよ」
米原と呼ばれた青年は、翼宿にそう言い放つと駆けて行った
「おい!!大丈夫か!?坊主に翼宿!!」
「平気です。すんません、驚かせてしもて」
翼宿は、普通の微笑み
「お前が怪我した事逆手に取っての嫌がらせか・・・タチわりぃな」
翼宿は、しりもちをついたままの翼をひょいと立ちあがらせた
「さぁ、練習するで」
「翼宿・・・」
♪♪♪
真夜中、翼宿は一人稽古場にいた
愛用のベースを片手に持って
勿論、片手で押さえていない弦を弾くだけ
確か、以前も手を怪我した事があったっけ
日本にいて・・・まだあいつらと演奏していた頃
あの時は、あの女がいつも傍にいてくれた
どんな時も自分を励ましてくれていた
そんな存在が、今更ながら懐かしく愛おしい
さすがの翼宿も、孤独感というものに浸らざるをえなくなってきた
自分のせいで悲しい顔をする人がいる
自分のせいで腹立たしく感じる人がいる
自分の居場所なんて、もうないのかもしれない
長く煙を吐く
Pllllllllllll
突然の着信音
窓には、懐かしい名前
『着信:優』
「もしもし?」
『もしもし。久し振り』
「何や・・・お前か」
『何やとは何よ?ちゃんと覚えてたー?』
「忘れかけとったわ」
『ひっどー!!タマちゃんを可愛がってた命の恩人に対する言葉!?』
「嘘や嘘。あんたのスパルタ教育を忘れる訳ないやろが」
『今のあんたがあるのは、あたしのお陰だもんねー?』
「何やねん。電話なんぞかけてきて」
『あー・・・いや。大丈夫なのかなぁと思って』
「やっぱ、知られたか」
『・・・柳宿ちゃんも心配してた。どう声をかけてあげればいいか分からないって』
「そっか・・・まぁ、ちょっとベース弾けない身になってしもてな」
『え!?どのくらいで治るの?』
「・・・リハビリ次第やけど、後三ヵ月はかかるな」
『あんた・・・その間どうしてる訳!?』
「知り合いにベース教えながら、時間潰してるわ」
『・・・そう』
翼宿は、煙草を灰皿に入れる
「・・・・・・・・・・・・・なぁ。優」
『何よ?』
「・・・・・・・・・・俺は、こっちにいてえぇ人間なんやろか?」
『え・・・?』
「こっちで頑張って、結局何が残るんやろ・・・」
分からなくなった
『・・・・・・・・・・・・目に見える形で残らなくてもいいんじゃないの?』
「・・・え?」
『みんなの心にはきっと残ってるから』
「・・・・・・・・・・・・」
『こっちでも、未だに「空翔宿星」の解散ライブのDVDがトップ3なのよ?』
「・・・・・・・・・・・・」
『あれから、3年も経つのにね』
「・・・・・・・・・・・・」
『みんなは何も望んでいないわ。ただ、あんたが元気な顔をして日本に帰ってきてくれれば』
「・・・・・・・・・・・優」
『そのためにも、今出来る事を精一杯やりなさい。悔いが残らないように』
「・・・・・・・・・・・・・」
『あんた・・・ベース大好きだったもんねぇ。覚えてる?うちの店にベース置いてた時、高校生が悪戯しようとしてあんた滅茶苦茶キレて喧嘩起こそうとしたの』
「んな昔の事・・・忘れたわ」
『ベースと一緒じゃなきゃ、あんたは活動出来ないんでしょ?』
「・・・・・・・ああ」
『もう一度、ベースと向き合う時間が出来たんじゃない?』
「向き合う時間・・・か」
『ちゃんと考えなさいよ。それと・・・ちゃんと寝なさい』
「ああ・・・」
『じゃあね。落ち着いたら、あんたから柳宿ちゃんに連絡してやりなさい。事務所にも一本入れなさいよ』
「分かってる」
『じゃあ、また・・・』
「優」
『ん?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとな」
『いえいえ。じゃあね』
「ああ」
今一度・・・・・・・・・・・「相棒」と向き合う時間を