Making of the Moon【翼宿side】
「翼宿さんが、テレビ出演拒否とはどういう事ですか!?」
「真相を教えてください!!」
「彼に、何があったんですか!?」
報道陣が、事務所の前に詰め掛ける
『・・・しつこいな』
『日本からわざわざ・・・まったく、暇な連中だ』
PoleとMICEHALは、その場を警備員に任せて社長室にいた
『どうすればいいと思う?』
『私としては無念ではあるが・・・彼の手の完治時期と彼の帰国のタイミングがほぼ同時なんだ・・・』
MICEHALは、深く溜息をついた
『このまま身内だけの活動に留まり、日本に帰るという事か・・・』
『彼自身、私は納得しているようには見えないのだが・・・』
『誰よりも現実的な男だ。きっとそう自分に言い聞かせているんだろう』
『だけど、彼にとって一番辛い時期だろう』
後三ヵ月で契約が切れる
この空白の時間をどう埋めればいいのか
「そこのチョーキングは・・・もっと指を立てて・・・そう」
翼宿は、この日も翼にベースの指導をしていた
「難しい・・・」
「指のストレッチが必要やな・・・最初から指なんてそう簡単に動かん」
「こんな奥深いもんやったんやな・・・ベースて」
「怠けるなら、今の内やで?」
「嫌や!!絶対!!」
「よし」
翼宿は、いつも通り笑う
誰も・・・怪我の事を口にしない
「翼宿さん。お疲れ様です」
玲が、入口で待っていた
「玲さんも、外回りお疲れさんです」
「最近、中々会えませんね・・・」
「そうですね。仕事が増えてきた事です。喜ばんと」
翼宿は問題ないという風に笑う
「・・・・・・あの。もしよろしければ」
「はい?」
「夕食・・・付き合っていただけませんか?」
「・・・・・・・・・・・えぇですよ。暇なんで」
事務所の一番上のレストランで食事
「・・・・・・まだ、外には出られないので」
「日本は、こういう報道が好きですからねぇ」
翼宿はため息をつきながら、ワインを口にする
「・・・・・・・・日本にも、もう届いてますよね」
「・・・・・・・・えぇ」
「誰からも連絡来ないんですか?」
「今は、まだ。みんな、自分の事で大変なんじゃないでしょうか」
「あの・・・本当にいいんですか?」
「何がですか?」
「このまま、メディア出演やライブをしなくても・・・」
「・・・・・・・・・・やむおえないでしょう」
「だけど・・・これまでの努力は・・・」
「色々な歌を歌ったり、作ったり出来たりしただけで、俺は十分です」
屈託のない笑顔・・・この笑顔に何度励まされた事か
「それにたくさんの人たちに出会えた」
翼宿の目が夜景に向けられる
「楽しかったです・・・この三年間」
「翼宿・・・・・・・・・・・・・さん」
玲の瞳から涙が零れた
「玲さん!?どないしたんですか!?」
「だって・・・私、せっかくあなたに出会えたのに・・・」
最近は、彼の前では子供みたいになってしまう
翼宿は微笑むと、ハンカチを玲に差し出した
「・・・・・・まだ、後三ヵ月ありますって。今から泣かないでくださいよ」
「ありがとうございます・・・」
本当はこんな会話をしたかったんじゃない
翼宿に本当の思いを・・・ちゃんと
「あーーーーーだっりいよなぁ・・・練習なんて」
「俺らなんて、三年もここで稽古してるのによぉ、未だにライブ一つも出させて貰えないんだぜぇ?」
「それに比べて誰かさんはいいよなぁ。こうして活動自粛だけでわんさかと話題に上って・・・」
「なぁーんか、ムカつかねぇ?」
「クールぶって、いい気になってんじゃねえのぉ?」
薄暗い休憩室の中、こんな声が聞こえる
グシャッ
その中の一人がピックを握りつぶした
「どうせなら、今弱ってる内に滅茶苦茶にして、アメリカ追い出してやらねぇ?」
「真相を教えてください!!」
「彼に、何があったんですか!?」
報道陣が、事務所の前に詰め掛ける
『・・・しつこいな』
『日本からわざわざ・・・まったく、暇な連中だ』
PoleとMICEHALは、その場を警備員に任せて社長室にいた
『どうすればいいと思う?』
『私としては無念ではあるが・・・彼の手の完治時期と彼の帰国のタイミングがほぼ同時なんだ・・・』
MICEHALは、深く溜息をついた
『このまま身内だけの活動に留まり、日本に帰るという事か・・・』
『彼自身、私は納得しているようには見えないのだが・・・』
『誰よりも現実的な男だ。きっとそう自分に言い聞かせているんだろう』
『だけど、彼にとって一番辛い時期だろう』
後三ヵ月で契約が切れる
この空白の時間をどう埋めればいいのか
「そこのチョーキングは・・・もっと指を立てて・・・そう」
翼宿は、この日も翼にベースの指導をしていた
「難しい・・・」
「指のストレッチが必要やな・・・最初から指なんてそう簡単に動かん」
「こんな奥深いもんやったんやな・・・ベースて」
「怠けるなら、今の内やで?」
「嫌や!!絶対!!」
「よし」
翼宿は、いつも通り笑う
誰も・・・怪我の事を口にしない
「翼宿さん。お疲れ様です」
玲が、入口で待っていた
「玲さんも、外回りお疲れさんです」
「最近、中々会えませんね・・・」
「そうですね。仕事が増えてきた事です。喜ばんと」
翼宿は問題ないという風に笑う
「・・・・・・あの。もしよろしければ」
「はい?」
「夕食・・・付き合っていただけませんか?」
「・・・・・・・・・・・えぇですよ。暇なんで」
事務所の一番上のレストランで食事
「・・・・・・まだ、外には出られないので」
「日本は、こういう報道が好きですからねぇ」
翼宿はため息をつきながら、ワインを口にする
「・・・・・・・・日本にも、もう届いてますよね」
「・・・・・・・・えぇ」
「誰からも連絡来ないんですか?」
「今は、まだ。みんな、自分の事で大変なんじゃないでしょうか」
「あの・・・本当にいいんですか?」
「何がですか?」
「このまま、メディア出演やライブをしなくても・・・」
「・・・・・・・・・・やむおえないでしょう」
「だけど・・・これまでの努力は・・・」
「色々な歌を歌ったり、作ったり出来たりしただけで、俺は十分です」
屈託のない笑顔・・・この笑顔に何度励まされた事か
「それにたくさんの人たちに出会えた」
翼宿の目が夜景に向けられる
「楽しかったです・・・この三年間」
「翼宿・・・・・・・・・・・・・さん」
玲の瞳から涙が零れた
「玲さん!?どないしたんですか!?」
「だって・・・私、せっかくあなたに出会えたのに・・・」
最近は、彼の前では子供みたいになってしまう
翼宿は微笑むと、ハンカチを玲に差し出した
「・・・・・・まだ、後三ヵ月ありますって。今から泣かないでくださいよ」
「ありがとうございます・・・」
本当はこんな会話をしたかったんじゃない
翼宿に本当の思いを・・・ちゃんと
「あーーーーーだっりいよなぁ・・・練習なんて」
「俺らなんて、三年もここで稽古してるのによぉ、未だにライブ一つも出させて貰えないんだぜぇ?」
「それに比べて誰かさんはいいよなぁ。こうして活動自粛だけでわんさかと話題に上って・・・」
「なぁーんか、ムカつかねぇ?」
「クールぶって、いい気になってんじゃねえのぉ?」
薄暗い休憩室の中、こんな声が聞こえる
グシャッ
その中の一人がピックを握りつぶした
「どうせなら、今弱ってる内に滅茶苦茶にして、アメリカ追い出してやらねぇ?」