Making of the Moon【翼宿side】
ザーーーーーーーーーーーーーーーー
今日のアメリカは、大雨
玲は、ずぶ濡れで家に入ってくる
「すみません・・・すぐに用意しますね!!」
「わ・・・玲さん!!ずぶ濡れやないですか!!」
「ちょっと大降りにあたってしまっただけです」
「これで、拭いてください」
「ありがとうございます・・・」
ストーブを点けて、冷えた体を温める
夕飯を一通り済ませ、玲は片づけを始めた
「凄い雨ですね・・・」
「そうですね・・・」
「今夜、事務所まで歩いて帰れるかしら・・・」
「あの・・・玲さん」
「何ですか?」
「泊まってったら・・・どうですか?」
「え!?」
「いや・・・こんな日に、外に出たら危ないですよ」
「何言ってるんですか・・・それじゃあ、まるで・・・」
玲は、自分が何を想像しているのかと自身に喝を入れた
「俺が心配ですよ・・・風呂焚きますね」
翼宿は立ち上がり、風呂場に向かった
玲は火照った顔が、中々冷えなかった
二人とも湯浴みを済ませ、向かい合って座っていた
「・・・・・どうもすみません。泊めていただいて」
「いいえ・・・いつも、お世話になってますので」
今は、不思議と玲と素直に向き合えるのだ
「・・・・・・・柳宿さん・・・いい人ですね」
「え?」
「この間・・・電話聞いちゃいました」
「そうですか・・・まぁ、意外に強気で優しいトコあるんですよ」
翼宿は、笑いながら珈琲を含む
「きっと・・・杏さんの代わりに、翼宿さんを支えてくれますよ」
「いや。玲さんにも支えられてますよ」
「え・・・?」
「玲さんがいなかったら・・・今頃飢え死にしてます」
玲は、俯いた
「そんな・・・あなたのお役にたてるなら、いくらでも・・・」
「あの・・・玲さん、旦那さんにつけられてませんか?」
「え・・・?」
「この間、魄狼さんに聞きました。それでも、俺の所へ無理して・・・」
「・・・・・・・・それは」
「・・・・・・・・・・・・・すみませんでした。気づかなくて」
玲の瞳に涙が滲む
「そんな事ありません・・・翼宿さんのお傍にいられるだけで、私は十分でしたから」
「やけど・・・一人で抱え込まないでください」
「翼宿さん・・・」
「これ以上、大事な人を失いたくないんです」
寂しそうに微笑む翼宿
玲は、思わず翼宿に抱きついた
「じゃあ・・・しばらくこうしていて・・・・・・・」
翼宿は、そっと玲の背中を摩る
「俺が・・・・・・ついてます」
今だけは、自分を必要としてくれる人の傍に・・・
『玲・・・』
稽古場の傍の電柱の影から姿を現した・・・それは
『絶対許さない・・・!!!』
玲の旦那だった
「こんにちは・・・」
翼宿は、三ヵ月ぶりに事務所の扉を叩いた
『翼宿!!元気だったか!?』
『Pole社長・・・お久しぶりです』
『心配していたんだよ!!元気だったかい?』
『何とか、復活です』
『それは、よかった・・・』
『あの・・・これ・・・』
翼宿は、一枚の楽譜を提出する
『新曲です』
タイトルは、「冬の幻」・・・そう書かれていた
今日のアメリカは、大雨
玲は、ずぶ濡れで家に入ってくる
「すみません・・・すぐに用意しますね!!」
「わ・・・玲さん!!ずぶ濡れやないですか!!」
「ちょっと大降りにあたってしまっただけです」
「これで、拭いてください」
「ありがとうございます・・・」
ストーブを点けて、冷えた体を温める
夕飯を一通り済ませ、玲は片づけを始めた
「凄い雨ですね・・・」
「そうですね・・・」
「今夜、事務所まで歩いて帰れるかしら・・・」
「あの・・・玲さん」
「何ですか?」
「泊まってったら・・・どうですか?」
「え!?」
「いや・・・こんな日に、外に出たら危ないですよ」
「何言ってるんですか・・・それじゃあ、まるで・・・」
玲は、自分が何を想像しているのかと自身に喝を入れた
「俺が心配ですよ・・・風呂焚きますね」
翼宿は立ち上がり、風呂場に向かった
玲は火照った顔が、中々冷えなかった
二人とも湯浴みを済ませ、向かい合って座っていた
「・・・・・どうもすみません。泊めていただいて」
「いいえ・・・いつも、お世話になってますので」
今は、不思議と玲と素直に向き合えるのだ
「・・・・・・・柳宿さん・・・いい人ですね」
「え?」
「この間・・・電話聞いちゃいました」
「そうですか・・・まぁ、意外に強気で優しいトコあるんですよ」
翼宿は、笑いながら珈琲を含む
「きっと・・・杏さんの代わりに、翼宿さんを支えてくれますよ」
「いや。玲さんにも支えられてますよ」
「え・・・?」
「玲さんがいなかったら・・・今頃飢え死にしてます」
玲は、俯いた
「そんな・・・あなたのお役にたてるなら、いくらでも・・・」
「あの・・・玲さん、旦那さんにつけられてませんか?」
「え・・・?」
「この間、魄狼さんに聞きました。それでも、俺の所へ無理して・・・」
「・・・・・・・・それは」
「・・・・・・・・・・・・・すみませんでした。気づかなくて」
玲の瞳に涙が滲む
「そんな事ありません・・・翼宿さんのお傍にいられるだけで、私は十分でしたから」
「やけど・・・一人で抱え込まないでください」
「翼宿さん・・・」
「これ以上、大事な人を失いたくないんです」
寂しそうに微笑む翼宿
玲は、思わず翼宿に抱きついた
「じゃあ・・・しばらくこうしていて・・・・・・・」
翼宿は、そっと玲の背中を摩る
「俺が・・・・・・ついてます」
今だけは、自分を必要としてくれる人の傍に・・・
『玲・・・』
稽古場の傍の電柱の影から姿を現した・・・それは
『絶対許さない・・・!!!』
玲の旦那だった
「こんにちは・・・」
翼宿は、三ヵ月ぶりに事務所の扉を叩いた
『翼宿!!元気だったか!?』
『Pole社長・・・お久しぶりです』
『心配していたんだよ!!元気だったかい?』
『何とか、復活です』
『それは、よかった・・・』
『あの・・・これ・・・』
翼宿は、一枚の楽譜を提出する
『新曲です』
タイトルは、「冬の幻」・・・そう書かれていた