Making of the Moon【翼宿side】
「翼宿さん。ご飯出来ましたよ」
玲が、翼宿の元にパスタを持っていく
「玲さん・・・ホンマにえぇんですか?俺の世話なんぞ・・・」
「いいんです。MICHEALも心配してましたし」
「ほぼ一人暮らし同然で、日本に比べて遥かに忙しいんで・・・栄養取れてはなかったんですけどね」
昼間より少し元気になった翼宿に、玲は安堵した
「今は・・・何も考えなくていいんですよ。作曲も少し考えるのをやめたって・・・」
「いや」
翼宿は、少し埋まった譜面を眺めて首を振った
「少し・・・思いついたんです」
「え・・・」
「えぇ曲が書けそうなんです」
「本当ですか!?」
「はい」
翼宿のいつもの笑顔だった
「そっか・・・翼宿、少しは元気になったんですね」
魄狼も、玲に状況を聞いて一安心する
「まだ・・・完全にではないし、事務所には完成した曲を持って顔を出すと言ってました」
「まぁ・・・そうだよな。音楽家のあいつのプライドが許さないしな」
魄狼は、玲の顔を覗き込む
「何ですか・・・?」
「いや・・・玲さん。よかったですね・・・あいつの支えになれて」
「そんな・・・杏さんに悪いです」
「杏も、喜んでると思いますよ。こっちの国で面倒見てくれる人がもう一人いてくれて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「玲さん、翼宿を幸せにする素質があるかもしれませんよ」
「私が・・・?」
彼を支えられるのだろうか
翼宿は、墓前で手を合わせていた
「ANN MINADUKI」
その墓には、様々な花束が供えられていた
「・・・・・・・・・杏。元気か?」
きっと天国でも歌ってるのだろう
「もう少しで、曲が書けそうなんや・・・待っとけよ。杏」
いつか、君の死をちゃんと乗り越えて見せるから
翼宿は、水おけを持つと歩きだした
「・・・・・・・・歌詞かぁ」
「え?」
玲は茶碗を洗う手を止めて、翼宿を見る
「いや・・・歌詞が思いつかんのですよ。もう曲はほとんど出来上がってるんですけど」
「歌詞ですか・・・」
「作詞作曲同時にやるんは、初めてだからですかねぇ・・・要領悪いんは」
「でも、この曲が通れば・・・翼宿さんも遂に世界にデビュー出来るかもしれないんですよね?」
「もしも通れば・・・ですけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・杏さんを歌ったらどうです?」
「杏を・・・?」
「杏さんが翼宿さんを歌ったように、翼宿さんも杏さんへのアンサーソングを書けば・・・」
天国のあいつへ届ける曲を
玲が、翼宿の元にパスタを持っていく
「玲さん・・・ホンマにえぇんですか?俺の世話なんぞ・・・」
「いいんです。MICHEALも心配してましたし」
「ほぼ一人暮らし同然で、日本に比べて遥かに忙しいんで・・・栄養取れてはなかったんですけどね」
昼間より少し元気になった翼宿に、玲は安堵した
「今は・・・何も考えなくていいんですよ。作曲も少し考えるのをやめたって・・・」
「いや」
翼宿は、少し埋まった譜面を眺めて首を振った
「少し・・・思いついたんです」
「え・・・」
「えぇ曲が書けそうなんです」
「本当ですか!?」
「はい」
翼宿のいつもの笑顔だった
「そっか・・・翼宿、少しは元気になったんですね」
魄狼も、玲に状況を聞いて一安心する
「まだ・・・完全にではないし、事務所には完成した曲を持って顔を出すと言ってました」
「まぁ・・・そうだよな。音楽家のあいつのプライドが許さないしな」
魄狼は、玲の顔を覗き込む
「何ですか・・・?」
「いや・・・玲さん。よかったですね・・・あいつの支えになれて」
「そんな・・・杏さんに悪いです」
「杏も、喜んでると思いますよ。こっちの国で面倒見てくれる人がもう一人いてくれて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「玲さん、翼宿を幸せにする素質があるかもしれませんよ」
「私が・・・?」
彼を支えられるのだろうか
翼宿は、墓前で手を合わせていた
「ANN MINADUKI」
その墓には、様々な花束が供えられていた
「・・・・・・・・・杏。元気か?」
きっと天国でも歌ってるのだろう
「もう少しで、曲が書けそうなんや・・・待っとけよ。杏」
いつか、君の死をちゃんと乗り越えて見せるから
翼宿は、水おけを持つと歩きだした
「・・・・・・・・歌詞かぁ」
「え?」
玲は茶碗を洗う手を止めて、翼宿を見る
「いや・・・歌詞が思いつかんのですよ。もう曲はほとんど出来上がってるんですけど」
「歌詞ですか・・・」
「作詞作曲同時にやるんは、初めてだからですかねぇ・・・要領悪いんは」
「でも、この曲が通れば・・・翼宿さんも遂に世界にデビュー出来るかもしれないんですよね?」
「もしも通れば・・・ですけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・杏さんを歌ったらどうです?」
「杏を・・・?」
「杏さんが翼宿さんを歌ったように、翼宿さんも杏さんへのアンサーソングを書けば・・・」
天国のあいつへ届ける曲を