Making of the Moon【翼宿side】
『おはよう。翼宿。よく眠れたかい?』
昼間にミーティングルームに入った翼宿を、Poleは笑顔で出迎える
「あんな高級なベッドじゃ熟睡出来ひんですよ」
苦笑いで答える翼宿
『何を言っているんだ。日本で大売れしたトップミュージシャンの冗談にしては度が過ぎてるぞ』
MICHEALも、愉快そうに笑う
「皆さん・・・翼宿さんの事よっぽど気に入ってらしてるんですね」
玲が、日本語でそう付け加える
「勘弁せいや」
その昼間のミーティングで、翼宿は午後から養成所へ挨拶に行く事になった
既に難関である養成所への入門を潜り抜けて留学している素人の日本人もいるらしい
『仲良くなれるといいな』
MICHEALが励ます
「FirePowerSound」に隣接している養成所「Mountain」
そこに案内された翼宿
既に寮生の間では、日本のトップミュージシャンが入寮してくると噂が立っていた
教室にPoleが入ると、教室は静まり返る
『みんな。わざわざご苦労だったな。今日から新しい寮生を紹介する。日本のトップアーティストである「空翔宿星」の元ベーシストでありボーカリストでもある翼宿君だ』
翼宿が教室に入ると、何人かの女性から歓声があがった
『みんな。仲良くしてやってくれ』
「よろしく・・・お願いします」
どうもこういう雰囲気が翼宿は嫌いだった
少し一服してくるといいと薦められ、翼宿は喫煙室に入った
煙草に火をつける。このひと時がたまらなく好きだ
「めんどい事になったなぁ」
すると、喫煙室の扉が開いた
「翼宿・・・?」
それは、どこかで聞いた事のある懐かしい声
振り向いたその顔に見覚えがあった
「杏・・・?」
名前を呼んだ瞬間、彼女は嬉しそうに顔をほころばせた
「やっぱ翼宿やね!?「空翔宿星」の・・・!!」
「おま・・・何でここに!?」
「何言うとるん!!あたしの夢やったやん!!いつか絶対ミュージシャンになってやるって!!」
「そらそやけど・・・まさかここに入ったなんぞ・・・」
次の瞬間、杏の顔は涙で歪んだ
「会いたかったよぉ・・・翼宿・・・。どこ行ってたの・・・!?あたし・・・テレビで見た時・・・本当びっくりして・・・」
「おいおい・・・」
「あたし・・・家出してきたんや。資金貯めて・・・高校2年の時にやっとこっちの養成所に認めて貰えて・・・それで通ってる」
「・・・ホンマか・・・?」
「まさかこんなところであんたに・・・会えるなんて」
その少女の表情は、まさに長年待ち続けていた待ち人との再会を喜ぶ表情だった
昼間にミーティングルームに入った翼宿を、Poleは笑顔で出迎える
「あんな高級なベッドじゃ熟睡出来ひんですよ」
苦笑いで答える翼宿
『何を言っているんだ。日本で大売れしたトップミュージシャンの冗談にしては度が過ぎてるぞ』
MICHEALも、愉快そうに笑う
「皆さん・・・翼宿さんの事よっぽど気に入ってらしてるんですね」
玲が、日本語でそう付け加える
「勘弁せいや」
その昼間のミーティングで、翼宿は午後から養成所へ挨拶に行く事になった
既に難関である養成所への入門を潜り抜けて留学している素人の日本人もいるらしい
『仲良くなれるといいな』
MICHEALが励ます
「FirePowerSound」に隣接している養成所「Mountain」
そこに案内された翼宿
既に寮生の間では、日本のトップミュージシャンが入寮してくると噂が立っていた
教室にPoleが入ると、教室は静まり返る
『みんな。わざわざご苦労だったな。今日から新しい寮生を紹介する。日本のトップアーティストである「空翔宿星」の元ベーシストでありボーカリストでもある翼宿君だ』
翼宿が教室に入ると、何人かの女性から歓声があがった
『みんな。仲良くしてやってくれ』
「よろしく・・・お願いします」
どうもこういう雰囲気が翼宿は嫌いだった
少し一服してくるといいと薦められ、翼宿は喫煙室に入った
煙草に火をつける。このひと時がたまらなく好きだ
「めんどい事になったなぁ」
すると、喫煙室の扉が開いた
「翼宿・・・?」
それは、どこかで聞いた事のある懐かしい声
振り向いたその顔に見覚えがあった
「杏・・・?」
名前を呼んだ瞬間、彼女は嬉しそうに顔をほころばせた
「やっぱ翼宿やね!?「空翔宿星」の・・・!!」
「おま・・・何でここに!?」
「何言うとるん!!あたしの夢やったやん!!いつか絶対ミュージシャンになってやるって!!」
「そらそやけど・・・まさかここに入ったなんぞ・・・」
次の瞬間、杏の顔は涙で歪んだ
「会いたかったよぉ・・・翼宿・・・。どこ行ってたの・・・!?あたし・・・テレビで見た時・・・本当びっくりして・・・」
「おいおい・・・」
「あたし・・・家出してきたんや。資金貯めて・・・高校2年の時にやっとこっちの養成所に認めて貰えて・・・それで通ってる」
「・・・ホンマか・・・?」
「まさかこんなところであんたに・・・会えるなんて」
その少女の表情は、まさに長年待ち続けていた待ち人との再会を喜ぶ表情だった