Making of the Moon【翼宿side】
季節は夏
『翼宿。お疲れ』
アルバム制作も無事に終了。プロモーション活動も一旦一区切りし、
翼宿は今日も養成所の寮に車で戻るところだった
『明日のスケジュールは・・・ゲホゲホッ』
『MICHEALはん・・・夏風邪っすか?』
『いや。ここのところ、咳が酷いだけだよ』
『気を付けてください・・・大事な体なんですから』
『平気だよ。君こそ、前のように高熱を出さないでくれよ』
「あ。翼宿ぃ!!!」
ロビーに入ると、ちょうど杏が魄狼と共に廊下を歩いているのに遭遇した
「じゃ、後は頼んだぞ。杏」
「あ。はーい・・・」
そのまま、魄狼はそそくさと立ち去って行った
「何や。最近、一緒に行動しとるんか?」
「あ。うん・・・今日も作曲教えてもらってたから」
「前は、犬猿の仲やったのにな」
「んー・・・多分、まだあたしの事嫌いやと思うけど」
そこは、翼宿も軽く流した
「なぁなぁ!!プロモーション活動ってどうなん!?今度、LAにあんたのでっかい広告出るて評判やで!!」
部屋に戻るまで、杏の質問攻め
「ったく・・・お前もプロの音楽業界の見習いなんやから、普通のファンみたいにぎゃーぎゃー騒ぐなや」
溜息をつく翼宿
すると
ドンッ
誰かの体が当たった
「あれ・・・玲さん?」
杏の呼びかけに、玲が顔をあげる
その頬は涙に濡れていた
「杏さん・・・翼宿さん・・・」
「どっどないしたんですか!?」
「え・・・Pole社長が、MICHEALを・・・?」
「はい・・・即刻解雇して、私を秘書にしたいと・・・」
翼宿の部屋で、とりあえず話を聞く事になった
「だけど、最近しつこいんです。部屋にもよく訪ねてくるし。私、怖くて・・・」
「まぁ、そんな感じするもんなぁ。あの親父」
翼宿は、考え込んでいた
「玲さん・・・最近、MICHEALはん、おかしくあらへんですか?妙にせき込んだりして・・・」
「本人は、風邪だと言っています。だけど、私も心配で・・・体が弱っているから、Pole社長もあんな事を・・・」
「卑怯な奴やな!!」
「翼宿さん!!お願いします!!助けてください!!」
玲が救いを請う
「・・・分かりました。俺かて、MICHEALはんにはご恩がありますし」
しかし・・・その玲の態度に、杏はどうも納得がいかなかった
その次の日は、レコーディングだった
早くも初秋に向けてのレコーディングが始まっているのだ
とりあえず3トラック録り終えた翼宿は、MICHEALの元へ戻ってきた
今日は、特に顔色が悪かったからだ
『MICHEALはん。今日は休んだ方がえぇですよ。俺一人で大丈夫なんで・・・』
『いや。次のジャケ撮影までは同行させてもらうよ・・・ゲホゲホゲホッ』
しかし、立ちあがったMICHEALは激しくせき込んだ
『MICHEALはん・・・』
ゲホッ
鮮血
目を疑った
『翼宿。お疲れ』
アルバム制作も無事に終了。プロモーション活動も一旦一区切りし、
翼宿は今日も養成所の寮に車で戻るところだった
『明日のスケジュールは・・・ゲホゲホッ』
『MICHEALはん・・・夏風邪っすか?』
『いや。ここのところ、咳が酷いだけだよ』
『気を付けてください・・・大事な体なんですから』
『平気だよ。君こそ、前のように高熱を出さないでくれよ』
「あ。翼宿ぃ!!!」
ロビーに入ると、ちょうど杏が魄狼と共に廊下を歩いているのに遭遇した
「じゃ、後は頼んだぞ。杏」
「あ。はーい・・・」
そのまま、魄狼はそそくさと立ち去って行った
「何や。最近、一緒に行動しとるんか?」
「あ。うん・・・今日も作曲教えてもらってたから」
「前は、犬猿の仲やったのにな」
「んー・・・多分、まだあたしの事嫌いやと思うけど」
そこは、翼宿も軽く流した
「なぁなぁ!!プロモーション活動ってどうなん!?今度、LAにあんたのでっかい広告出るて評判やで!!」
部屋に戻るまで、杏の質問攻め
「ったく・・・お前もプロの音楽業界の見習いなんやから、普通のファンみたいにぎゃーぎゃー騒ぐなや」
溜息をつく翼宿
すると
ドンッ
誰かの体が当たった
「あれ・・・玲さん?」
杏の呼びかけに、玲が顔をあげる
その頬は涙に濡れていた
「杏さん・・・翼宿さん・・・」
「どっどないしたんですか!?」
「え・・・Pole社長が、MICHEALを・・・?」
「はい・・・即刻解雇して、私を秘書にしたいと・・・」
翼宿の部屋で、とりあえず話を聞く事になった
「だけど、最近しつこいんです。部屋にもよく訪ねてくるし。私、怖くて・・・」
「まぁ、そんな感じするもんなぁ。あの親父」
翼宿は、考え込んでいた
「玲さん・・・最近、MICHEALはん、おかしくあらへんですか?妙にせき込んだりして・・・」
「本人は、風邪だと言っています。だけど、私も心配で・・・体が弱っているから、Pole社長もあんな事を・・・」
「卑怯な奴やな!!」
「翼宿さん!!お願いします!!助けてください!!」
玲が救いを請う
「・・・分かりました。俺かて、MICHEALはんにはご恩がありますし」
しかし・・・その玲の態度に、杏はどうも納得がいかなかった
その次の日は、レコーディングだった
早くも初秋に向けてのレコーディングが始まっているのだ
とりあえず3トラック録り終えた翼宿は、MICHEALの元へ戻ってきた
今日は、特に顔色が悪かったからだ
『MICHEALはん。今日は休んだ方がえぇですよ。俺一人で大丈夫なんで・・・』
『いや。次のジャケ撮影までは同行させてもらうよ・・・ゲホゲホゲホッ』
しかし、立ちあがったMICHEALは激しくせき込んだ
『MICHEALはん・・・』
ゲホッ
鮮血
目を疑った