Making of the Moon【翼宿side】

「翼宿・・・」
たくさんの仲間が、皆仰天してこちらを見ている
「久し振りっす・・・」
「翼宿!!お前って奴はぁ!!」
「元気にしてたか!?この高跳び野郎!!」
「いや~また派手になったねぇv」
「翼宿せんぱぁ~~~い」
夕城プロ、奎宿、昴宿、美朱が同時に喋る
「・・・・・・・・・・・・・・・一遍に喋らんでくださいよ」

酒がなみなみとつがれ、歓迎会が始まる
「そっかぁ~中学時代の友人と・・・ねぇ」
「偶然でしたね。やけど、そいつ俺より頑張ってるし、先越されるのも時間の問題ですわ」
杏の話題で、歓迎会は持ちきりだった
「そういえば・・・柳宿ちゃんとは、どうなんだい?」
しかし、次の瞬間何も知らない昴宿が話題を持ちかける
「そうだなぁ~柳宿来ないのか?風邪か?」
出されたくない話題
「柳宿は・・・当分来ないと思います」
なぜか、自分には分かっていた
「何で?」
「俺ら、距離置いてるんですわ」
その言葉に、奎宿と昴宿は口をあんぐりした
「俺らに黙って、勝手にか!?」
「あんた達!!知ってたのかい!?」
ふられた夕城プロ、鬼宿、美朱は苦笑いをする
「重大な問題じゃないか!!一体どうして・・・」
「まぁ・・・すれ違いですかね。いつかは来る思うてましたけど」
「あの報道のせいでだろ?」
奎宿は、気づいていた
「確かに・・・鬼宿と美朱を思って取ったお前らの行動には感服するよ。だけどな、翼宿。それでおめぇらが不幸になって、誰が喜ぶんだよ?」
鬼宿と美朱は、同時に俯く
「ごめんな・・・翼宿。俺がもっとしっかりしてれば」
「あたしこそ・・・鬼宿を信じてあげられなかったからこんな事に」
「なっ・・・何でお前らが謝んねん!!誤解されるよりはえぇって、あいつが取った行動なんや」
「お前、本当に会わないで帰るつもりか?」
「さぁ・・・な」
「会ってください!!!!」
美朱が、突然机から身を乗り出して叫んだ
「わぁ!!びっくりした!!」
横で、夕城プロが大げさに飛び退く
「翼宿先輩・・・あたし・・・もし二人が最悪の状況になったら・・・もう・・・」
そのまま、美朱は泣きだす
「おいおい・・・」
「とりあえず!!今日は飲もう!!翼宿も、まだしばらくこっちにはいるんだし。宿なら、うちを貸してやるよ!!」
奎宿は、任せろと胸を叩く

お開きになり、奎宿と昴宿、翼宿だけでささやかに営まれた
「まぁ・・・色々大変だっただろ。一晩話聞いてやるよ」
「ありがとうございます」
「残念だねぇ・・・一番会いたがってたの、彼女だったのに」
「心配かけて、ホンマすんません」
「いや。お前ら同士の問題だからさ。俺らは口出し出来ねぇけど」
水割りが注がれる
「お前は・・・本当に柳宿が好きか?」
その質問に、翼宿は驚く
「奎宿さん・・・」
「柳宿は強いと思うぞ。一途にお前を想い続けて、待ち続けて。お前は?どうなんだ?」
「俺は・・・」
「外国の女にふらついたか?」
「あんた・・・」
「いえ」
そこは、はっきりと断った
「俺は・・・あいつが好きです。例え、今回会えなくても、いつか必ず会えるて・・・信じてます」
そこで、奎宿は頷いた
「そうだな。お前はいい加減な奴じゃねぇ。みんな知ってるからな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃあ、会ってやれ」
「え?」
「顔は合わせなくても、言葉だけでも・・・」

伝えたい
この想いだけは
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