Making of the Moon【翼宿side】
ザワザワザワ
LAの「Red Bird House」には、たくさんの客で溢れかえっていた
その少し後ろに、サングラスをかけた翼宿の姿
「翼宿!!」
杏は、少し派手な化粧で綺麗な衣装を来て、駆け寄ってくる
「よ。頑張りや」
「うん!!ちゃんと見とってねv」
「杏さん!!頑張ってくださいね!!」
その横から、玲の姿
「あ・・・」
「MICHEALに、偵察頼まれました」
本当にそれだけだろうか?
複雑な気持ちで、杏はその場を離れた
アメリカ各地の著名バンドの演奏が続く中、遂に「Wolf」の出番になった
「杏さん・・・今回の新曲、作詞に挑戦したみたいですね」
「・・・へぇ」
玲の語りかけに、翼宿は感嘆する
「この後・・・発つんですか?」
「はい。最終の便で。なるべく、早く戻りたいんで」
「・・・あんまり、トラブル起こしてこないでくださいよ?」
「はは・・・すんません」
すると、「Wolf」が登場した
「こんばんは。Wolfです」
杏が緊張気味にMCする
「それでは、最初の曲は新曲で・・・あたしの過去を綴った曲です。今回の曲で、あたしは初めてキーボードに挑戦します」
「へぇ・・・知らなかったですね」
過去
その言葉を聞き、中学時代のあの事件が思い出された
あいつが初めて荒れた事件を・・・
『あたしも・・・・・・・・・・・・・・・変えたいんや。今の生活を』
『やめろ・・・お前はやるな。俺だけで・・・』
『えぇの!!もううんざりなんや!!こんな生活・・・!!』
「翼宿さん?」
「あ。すんません・・・」
演奏が始まる
彼女の詞は、こうだった
~転んですりむいた時、痛みが悔しかった。理想に振り回されて、偽る自分がいた。
燃え上がる魂、行き場をなくした。どこに行き、誰に会い、生きてゆくのだろう。
溢れる人たちの笑顔。嘘ついてんじゃねぇ。愛や友情は、どこにあるの?
偽りながら、人は生きていけるの?がむしゃらに抱きついた無垢な気持ち。
孤独な世界に、いつからか迷いこんでいた。救ってよ。助けてよ。誰でもいい。
いつの日か、照らしてよ。輝く太陽~
「何だか・・・悲しい歌詞ですね」
玲は、感極まっていた
(杏・・・)
歌い終えた杏は、脱力していた
パチパチパチ
楽屋では、スタッフが「Wolf」に拍手をしていた
「存在感があって、よかったよ!!」
『また、来てくれ!!』
日本人スタッフと、外国人スタッフが交互に褒める
「翼宿・・・」
そのまま、杏は楽屋を飛び出す
もう、発ってしまったのか
すると
「お疲れ」
冷たい缶が、額に当たる
「翼宿!!」
「ほれ」
翼宿は、缶ジュースを渡した
「あれ・・・玲さんは?」
「先帰るて。俺、このまま空港行くし」
「そっか・・・」
「中々サマになってたやん?」
「あはは・・・翼宿には敵わんけどねぇ」
そのまま、杏は缶ジュースの栓を開ける
「すまんね・・・あんな歌詞で」
「何が?」
「あたし・・・本当はまだ気にしてんねん・・・あたしのせいであんたは・・・」
「・・・ドアホ」
沈黙
「何で・・・あんなに寂しい歌詞書くん?」
「え・・・?」
「お前は、もっと強いやろ」
「翼宿・・・」
たまらなく愛しい
そのまま、肩によりかかる
「早く帰ってきてな・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「一刻も早く」
そのまま・・・・二人は別れた
『お疲れ様でした。次は・・・羽田空港』
それから、約一日
遂に日本に帰国した
「白い虎」
ガラガラ
扉を開け、愛しき仲間の元へ
LAの「Red Bird House」には、たくさんの客で溢れかえっていた
その少し後ろに、サングラスをかけた翼宿の姿
「翼宿!!」
杏は、少し派手な化粧で綺麗な衣装を来て、駆け寄ってくる
「よ。頑張りや」
「うん!!ちゃんと見とってねv」
「杏さん!!頑張ってくださいね!!」
その横から、玲の姿
「あ・・・」
「MICHEALに、偵察頼まれました」
本当にそれだけだろうか?
複雑な気持ちで、杏はその場を離れた
アメリカ各地の著名バンドの演奏が続く中、遂に「Wolf」の出番になった
「杏さん・・・今回の新曲、作詞に挑戦したみたいですね」
「・・・へぇ」
玲の語りかけに、翼宿は感嘆する
「この後・・・発つんですか?」
「はい。最終の便で。なるべく、早く戻りたいんで」
「・・・あんまり、トラブル起こしてこないでくださいよ?」
「はは・・・すんません」
すると、「Wolf」が登場した
「こんばんは。Wolfです」
杏が緊張気味にMCする
「それでは、最初の曲は新曲で・・・あたしの過去を綴った曲です。今回の曲で、あたしは初めてキーボードに挑戦します」
「へぇ・・・知らなかったですね」
過去
その言葉を聞き、中学時代のあの事件が思い出された
あいつが初めて荒れた事件を・・・
『あたしも・・・・・・・・・・・・・・・変えたいんや。今の生活を』
『やめろ・・・お前はやるな。俺だけで・・・』
『えぇの!!もううんざりなんや!!こんな生活・・・!!』
「翼宿さん?」
「あ。すんません・・・」
演奏が始まる
彼女の詞は、こうだった
~転んですりむいた時、痛みが悔しかった。理想に振り回されて、偽る自分がいた。
燃え上がる魂、行き場をなくした。どこに行き、誰に会い、生きてゆくのだろう。
溢れる人たちの笑顔。嘘ついてんじゃねぇ。愛や友情は、どこにあるの?
偽りながら、人は生きていけるの?がむしゃらに抱きついた無垢な気持ち。
孤独な世界に、いつからか迷いこんでいた。救ってよ。助けてよ。誰でもいい。
いつの日か、照らしてよ。輝く太陽~
「何だか・・・悲しい歌詞ですね」
玲は、感極まっていた
(杏・・・)
歌い終えた杏は、脱力していた
パチパチパチ
楽屋では、スタッフが「Wolf」に拍手をしていた
「存在感があって、よかったよ!!」
『また、来てくれ!!』
日本人スタッフと、外国人スタッフが交互に褒める
「翼宿・・・」
そのまま、杏は楽屋を飛び出す
もう、発ってしまったのか
すると
「お疲れ」
冷たい缶が、額に当たる
「翼宿!!」
「ほれ」
翼宿は、缶ジュースを渡した
「あれ・・・玲さんは?」
「先帰るて。俺、このまま空港行くし」
「そっか・・・」
「中々サマになってたやん?」
「あはは・・・翼宿には敵わんけどねぇ」
そのまま、杏は缶ジュースの栓を開ける
「すまんね・・・あんな歌詞で」
「何が?」
「あたし・・・本当はまだ気にしてんねん・・・あたしのせいであんたは・・・」
「・・・ドアホ」
沈黙
「何で・・・あんなに寂しい歌詞書くん?」
「え・・・?」
「お前は、もっと強いやろ」
「翼宿・・・」
たまらなく愛しい
そのまま、肩によりかかる
「早く帰ってきてな・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「一刻も早く」
そのまま・・・・二人は別れた
『お疲れ様でした。次は・・・羽田空港』
それから、約一日
遂に日本に帰国した
「白い虎」
ガラガラ
扉を開け、愛しき仲間の元へ