Making of the Moon【鬼宿side】

「鬼宿!!おはよv」
「美朱!!」
「昨夜は・・・よく眠れた?」
「まぁ・・・な」
鬼宿は、試験日当日、アパートの前で美朱に会った
「いよいよだねv」
「・・・あぁ」
「あたしは、「白い虎」で待ってるからv終わったら、お疲れ様会するからねv」
「おぉ!!ありがとなv」
「じゃあ、がんばってv」
美朱は、鬼宿の形のマスコットをそっと鬼宿に手渡した
「お守り!!」
「・・・ありがとな。美朱!!」
鬼宿は片手をあげると、そのまま駅の方向へと走って行った

「鬼宿君!!受験お疲れ様vそれでは・・・かんぱ~いv」
「「「かんぱぁい!!」」」
「皆さん・・・応援ありがとうございました」
「絶対受かってるよ~あんた頑張ってたもんv」
「そうだな!!俺のお墨付きだ!!」
その日の夜は、夕城プロ、奎宿、昴宿も交えての大宴会となった
「そうだな・・・これ落ちたらどうしようか考えなきゃいけねぇけど」
「大丈夫だよ~鬼宿が落ちる訳ないじゃん!!」
「多分、向こうも「空翔宿星」の鬼宿とは気付いてないと思うぞ!!」
提携している事務所のプロデューサーはそう言って腕を組む
「二週間後に、郵送で結果が来るんだ」
「楽しみだね~v」
「俺さ、実家に行って見ようかなと思って・・・」
「実家に?」
「親父も兄弟もみんな心配してるんですよ。一度顔出そうと思っていたので」
「そうか・・・それがいいかもな!!」
皆が頷き合う

そして、嬉しい知らせが届いた
『鬼宿!!柳宿が短大合格したぞ!!』
「本当ですか!?」
自分の合格発表一週間前にして、夕城プロから連絡が届いた
『今は、色々準備とかで忙しいだろうけど、落ち着いたらみんなでお祝いしてやれよ!!』
「はい!!じゃあ、ドライブ行く約束してたんで、そん時にどっか美味い店にでも連れて行きますよ!!」
同じメンバーの祝福すべき門出
鬼宿は、自分が合格したかのように喜んだ

それから、一週間後
カタン
郵便受けに一通の封書が届いた
「・・・来た」
そのまま、鬼宿は車に乗り込み、キーを差し込んだ

「兄ちゃん!!」
兄弟達が駆けてくる
「忠栄。俊敬。玉蘭。結蓮!!みんな元気だったか?」
「兄ちゃん、久し振り~v」
皆が久々に会う兄に抱きつく
「父さんも居間で待ってるよ!!」
「ねぇ~今日、結果発表なんでしょ~?」
「まぁ落ちつけよ!!」
「お帰り。鬼宿」
居間では、父親が微笑んで待っていた

皆の生唾を飲む音が聞こえる
「遂に・・・か」
「兄ちゃん・・・」
「みんなそんなシケた顔すんなよ!!いっせ~ので見るぞ」
「うん・・・」
「「「「「いっせ~の!!!」」」」」

「合格」

「いやったぁぁぁぁ!!!」
皆が飛び上がって喜ぶ
「よかったね!!兄ちゃん!!これで晴れて専門学校生だ!!」
「もっとスキル磨ける訳だなぁ~v」
「おめでとう。鬼宿。これ、入学金の足しに使いなさい」
父親は懐から御祝儀袋を取り出す
「いいよ。親父。家にも金ねぇんだろ?またバイトしながら、家に入れるからさ!!」
鬼宿は、その袋をやんわりと断る
「で・・・俺さ。春からまたこっちに戻ろうかと思って」
「え・・・?」
「専門学校の最寄りの駅、実家からの方が近いし、みんな大変だろうしさ!!」
「本当に!?兄ちゃん帰ってくるの!?」
「やったぁvvv」
鬼宿の実家帰り
ここから、新しいスタートが始まる
5/41ページ
スキ