Making of the Moon【鬼宿side】

ドルンドルン
「あれ?兄ちゃん。今日は原チャリで通勤?」
「ああ。親父に言っておいてくれ」
「何かあったの?」
「・・・別に何も!!」
「了解~行ってらっしゃい」
鬼宿は忠栄に手を振ると、原チャリを発進させた
しかし、忠栄は兄の異変に気づいていた

仕事が終わり、真っ先に鬼宿は退勤する
「お疲れ様でした!!」
「お疲れ~」
「ねぇ。どうしたのかしら?鬼宿。今日はやけに早くない?」
「デートじゃないの?最近、ご無沙汰みたいだし」
風花はそんな先輩社員の話を聞きながら、昨日の話が気になっていた
『朱雀港に来てくれ』
(今更、何があるって言うのよ・・・悠馬は私を置いて消えたのよ。今更、どの面下げて会えって・・・)
「まだ、素直になれないの?」
誰かに声をかけられ、風花は振り向く
「媚芳さん・・・」
「変わった悠馬を見るのが怖いか」
「・・・・・・別にあたしは」
「今でも好きなら、どんな彼でも受け入れてあげるべきじゃないの?」
「・・・・・・・・・・」
「鬼宿。きっと何か勝負を仕掛けられたのよ」
「え?」
「本人が会う気ないのに、全く・・・純粋な男よね」
「・・・・・・・そんな」
「あんたは、どうするの?彼も・・・愛する人も無視する気?」
風花は、駆けだした
媚芳は煙草に火をつけ、ふぅと煙を吐いた

ピンポーン
「はい・・・あれ?忠栄君!!」
「こんばんは・・・突然すみません」
「久し振りだね!!今日は、どうしたの?」
「実は兄ちゃんが・・・」
「鬼宿がどうかしたの?」
夕城家の長女、美朱がくいと首を傾げた

「まさか来るなんて、思わなかったよ。鬼宿君」
朱雀港の倉庫で、再び再会した二人
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