Making of the Moon【鬼宿side】
カシャン
「あ・・・すみません」
「風花さん!?何やってるの?これは、大事な機材データが入ってるフロッピーなのよ?もっと大切に扱って!!」
「は・・・はい」
らしくないミス
風花のそんな様子を、鬼宿はため息をつきながら眺めていた
やっぱり気になってる・・・
あれ以来、自分ともあまり会話をしようとしない
悠馬の話を持ちかけてから
「どうすっかなぁ・・・」
昼休み、鬼宿は小田島からのメールを眺めていた
『お前がそこまで気になるなら、会って話をしてみたらどうだ?まぁ・・・昔の女の事なんて、もう忘れてるだろうけどな』
その時は、小田島が仲介役で会わせてくれるとの事だ
これは、また余計なお節介になるだろう
だけど、放っておけない
「よし!!」
「来たは・・・・・・・・いいが」
「ほら。鬼宿。もう少し飲めって」
とある小さなバーで、小田島と鬼宿は悠馬を待っていた
しかし、約束の時間の二時間を過ぎても、いっこうに彼は現れない
「この前の騒ぎで連行されなかった奴らも何人かいる。まぁ、あいつの事だから適当に新しい仲間作ってるだろうけど。あんまり下手に関わると、本当に噛みつかれるからな?」
「・・・・・・・・あぁ。分かってる。だけど・・・彼女は本当にいい人なんだよ。優しくて真面目で・・・」
きっと彼だって、心が清い人間だった筈だ
ガターン
途端に、物凄い勢いで扉を開ける音が聞こえた
二人は身を竦める
「・・・・・・・・よ・・・よぉ」
小田島が苦笑いで、悠馬に手をあげる
逆光でよく見えなかったが、間違いない
自分を襲った暴力団の頭の顔だ
「・・・・・・・・・・・・・・・んだよ。用って」
「げ・・・元気そうじゃん。相変わらずピンピン・・・」
ガシャーン
「俺を馬鹿にしてんのか!?店荒らすぞ!!」
「悠馬さん・・・話を聞いてください。俺・・・どうやら、あなたとは縁があるみたいで・・・」
「んだよ・・・また、てめぇかよ。殺られたいのか!?えぇ!?」
「違います違います・・・実は、俺の職場にいる・・・・・・・・・片桐風花という女性をご存知ですよね!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・何で、お前がその名を」
「・・・・・・・・・・・・彼女、俺と一緒の職場で頑張っています。あなたをずっと待ってるんですよ」
「はぁ?」
「あなただって・・・本当は好きだったんですよね?戻れませんか?彼女とやり直してあげられませんか?」
「・・・・・・・・てめえは・・・・・・・・いちいち他人の事情に首突っ込むんじゃねえ!!!!」
「鬼宿・・・もうよせって・・・また、警察沙汰に・・・」
しかし、鬼宿は一瞬たりとも悠馬と視線を外さなかった
じっと彼と睨みあう
「・・・・・・・・・・・・・・・・てめえ、いい度胸してるな」
悠馬は、にやりと笑った
「何なら、度胸試しだ」
「度胸試し?」
「俺と勝負しようぜ。原付で海に落っこちる勝負」
暴走族の間では恒例の度胸試しへの参加権
「あ・・・すみません」
「風花さん!?何やってるの?これは、大事な機材データが入ってるフロッピーなのよ?もっと大切に扱って!!」
「は・・・はい」
らしくないミス
風花のそんな様子を、鬼宿はため息をつきながら眺めていた
やっぱり気になってる・・・
あれ以来、自分ともあまり会話をしようとしない
悠馬の話を持ちかけてから
「どうすっかなぁ・・・」
昼休み、鬼宿は小田島からのメールを眺めていた
『お前がそこまで気になるなら、会って話をしてみたらどうだ?まぁ・・・昔の女の事なんて、もう忘れてるだろうけどな』
その時は、小田島が仲介役で会わせてくれるとの事だ
これは、また余計なお節介になるだろう
だけど、放っておけない
「よし!!」
「来たは・・・・・・・・いいが」
「ほら。鬼宿。もう少し飲めって」
とある小さなバーで、小田島と鬼宿は悠馬を待っていた
しかし、約束の時間の二時間を過ぎても、いっこうに彼は現れない
「この前の騒ぎで連行されなかった奴らも何人かいる。まぁ、あいつの事だから適当に新しい仲間作ってるだろうけど。あんまり下手に関わると、本当に噛みつかれるからな?」
「・・・・・・・・あぁ。分かってる。だけど・・・彼女は本当にいい人なんだよ。優しくて真面目で・・・」
きっと彼だって、心が清い人間だった筈だ
ガターン
途端に、物凄い勢いで扉を開ける音が聞こえた
二人は身を竦める
「・・・・・・・・よ・・・よぉ」
小田島が苦笑いで、悠馬に手をあげる
逆光でよく見えなかったが、間違いない
自分を襲った暴力団の頭の顔だ
「・・・・・・・・・・・・・・・んだよ。用って」
「げ・・・元気そうじゃん。相変わらずピンピン・・・」
ガシャーン
「俺を馬鹿にしてんのか!?店荒らすぞ!!」
「悠馬さん・・・話を聞いてください。俺・・・どうやら、あなたとは縁があるみたいで・・・」
「んだよ・・・また、てめぇかよ。殺られたいのか!?えぇ!?」
「違います違います・・・実は、俺の職場にいる・・・・・・・・・片桐風花という女性をご存知ですよね!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・何で、お前がその名を」
「・・・・・・・・・・・・彼女、俺と一緒の職場で頑張っています。あなたをずっと待ってるんですよ」
「はぁ?」
「あなただって・・・本当は好きだったんですよね?戻れませんか?彼女とやり直してあげられませんか?」
「・・・・・・・・てめえは・・・・・・・・いちいち他人の事情に首突っ込むんじゃねえ!!!!」
「鬼宿・・・もうよせって・・・また、警察沙汰に・・・」
しかし、鬼宿は一瞬たりとも悠馬と視線を外さなかった
じっと彼と睨みあう
「・・・・・・・・・・・・・・・・てめえ、いい度胸してるな」
悠馬は、にやりと笑った
「何なら、度胸試しだ」
「度胸試し?」
「俺と勝負しようぜ。原付で海に落っこちる勝負」
暴走族の間では恒例の度胸試しへの参加権
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