Making of the Moon【鬼宿side】
「ぬあああああああああああああああにを訳の分からない事を言ってるんだぁ!!!」
よく晴れた晴天の空の下
夕城家の前は、いつも以上に騒がしい
「朝から大きな声出さないの・・・近所迷惑でしょ?」
「鬼宿!!お前、埼玉くらい一人で行け!!うちの美朱をさりげなく連れて行くなぁ!!」
「いいじゃないすかv久々のデート!!なぁ、美朱ーv」
「ねぇ、鬼宿ーv」
「三日間の泊まり込みなんて、お兄ちゃん聞いてないぞー!!!!お前の狙いはそこだろう、鬼宿!!」
「何を誤解してるんですか・・・」
「お兄ちゃんの変態」
ブロロロロロ
「じゃあ、そういう事で!!ちょっと借りていきまーす!!」
鬼宿は、車のエンジンをかけて車を発進させた
「鬼宿ーーーーーーーーーーーー!!!俺は、許さないからなーーーーーー!!!」
夕城プロが、その後から叫ぶ
「お兄ちゃんってば・・・何だかんだ言って見送りちゃーんとしてくれるんだからv」
「そこが夕城プロのいいトコなんだよな!!」
二人は笑いながら、国道を走る
「翼宿先輩に連絡した?」
「ああ。この間久々にしてみたよ。やっぱ少し元気なかったけど・・・落ち着きは取り戻してる」
「そっか・・・とりあえずよかった。音楽に身が入らなくなったらどうしようと思った・・・」
「そうだな。あいつは生きるも死ぬも音楽次第みたいなもんだから」
それは、自分も同じ事だが
「美朱。お前、本当によかったのか?」
「うん!!鬼宿にはついていきたいと思ってるし!!少し旅行だと思えば!!」
「そうだな・・・ずっと構ってやれなかったもんな」
「それにね、あたし来年大学受験受けてみようかなって」
「ああそっかーそんな時期だもんな!!」
「あたしも・・・音大目指したいんだ。空翔宿星の卵になれるようにv」
「美朱・・・」
「だから、今回は受験前の最後の息抜きだよ!!」
「AKAONI」
一時間後、大きな看板が掲げられた埼玉の「AKAONI」本社に到着した
「で・・・でけぇなぁ」
「さすが・・・大手の楽器会社だね」
そこの裏口では、従業員が機材を運び出しているのが見える
「すっげ・・・あのメーカーのドラム俺欲しかった・・・」
「とにかく!!話だけでも聞いてくるんでしょ!?色々と手続きしなきゃいけないし・・・」
「そうだな。話次第ではそのまま試験を課せられるみたいだから、多めに宿泊するんだし・・・」
鬼宿は、自分の頬をパンパンと叩いた
「鬼宿、頑張ってvあたしは車の中で待ってるから!!」
「お・・・おう!!」
鬼宿は、一人歩きだした
「あの・・・すみません。蔵本さんという方にお会いしたいんですけど・・・」
「はい。少々お待ちください」
受付の事務員が、電話で社員を呼び出す
「3Fの会議室でお待ちです。どうぞ」
鬼宿は軽く会釈をすると、豪華なエレベーターのボタンを押した
コンコン・・・
「はい」
「あの・・・先日お手紙をいただきました、鬼宿です」
「入りなさい」
恐る恐る辿り着いた会議室の扉を開く
向こうには、スーツをきちんと着こなした30手前くらいの男性が立っていた
「やぁ・・・よく来てくれたね。鬼宿君!!」
「初めまして・・・この度は、お声をかけていただきありがとうございました」
「就職に困っていると、専門学校側から連絡を受けてね。一か八かと思い・・・君に手紙を出してみた」
「最高のタイミングです!!もうすぐ4月だっていうのに・・・俺何も決めてなくて」
「いいんですよ。あなたのその優しさと音楽を愛する心があれば、私どもと仕事を楽しめる筈です」
蔵本の力強い言葉・・・そして手を差し出された
「私たちと一緒に頑張りましょう」
鬼宿は・・・そっとその手を握った
よく晴れた晴天の空の下
夕城家の前は、いつも以上に騒がしい
「朝から大きな声出さないの・・・近所迷惑でしょ?」
「鬼宿!!お前、埼玉くらい一人で行け!!うちの美朱をさりげなく連れて行くなぁ!!」
「いいじゃないすかv久々のデート!!なぁ、美朱ーv」
「ねぇ、鬼宿ーv」
「三日間の泊まり込みなんて、お兄ちゃん聞いてないぞー!!!!お前の狙いはそこだろう、鬼宿!!」
「何を誤解してるんですか・・・」
「お兄ちゃんの変態」
ブロロロロロ
「じゃあ、そういう事で!!ちょっと借りていきまーす!!」
鬼宿は、車のエンジンをかけて車を発進させた
「鬼宿ーーーーーーーーーーーー!!!俺は、許さないからなーーーーーー!!!」
夕城プロが、その後から叫ぶ
「お兄ちゃんってば・・・何だかんだ言って見送りちゃーんとしてくれるんだからv」
「そこが夕城プロのいいトコなんだよな!!」
二人は笑いながら、国道を走る
「翼宿先輩に連絡した?」
「ああ。この間久々にしてみたよ。やっぱ少し元気なかったけど・・・落ち着きは取り戻してる」
「そっか・・・とりあえずよかった。音楽に身が入らなくなったらどうしようと思った・・・」
「そうだな。あいつは生きるも死ぬも音楽次第みたいなもんだから」
それは、自分も同じ事だが
「美朱。お前、本当によかったのか?」
「うん!!鬼宿にはついていきたいと思ってるし!!少し旅行だと思えば!!」
「そうだな・・・ずっと構ってやれなかったもんな」
「それにね、あたし来年大学受験受けてみようかなって」
「ああそっかーそんな時期だもんな!!」
「あたしも・・・音大目指したいんだ。空翔宿星の卵になれるようにv」
「美朱・・・」
「だから、今回は受験前の最後の息抜きだよ!!」
「AKAONI」
一時間後、大きな看板が掲げられた埼玉の「AKAONI」本社に到着した
「で・・・でけぇなぁ」
「さすが・・・大手の楽器会社だね」
そこの裏口では、従業員が機材を運び出しているのが見える
「すっげ・・・あのメーカーのドラム俺欲しかった・・・」
「とにかく!!話だけでも聞いてくるんでしょ!?色々と手続きしなきゃいけないし・・・」
「そうだな。話次第ではそのまま試験を課せられるみたいだから、多めに宿泊するんだし・・・」
鬼宿は、自分の頬をパンパンと叩いた
「鬼宿、頑張ってvあたしは車の中で待ってるから!!」
「お・・・おう!!」
鬼宿は、一人歩きだした
「あの・・・すみません。蔵本さんという方にお会いしたいんですけど・・・」
「はい。少々お待ちください」
受付の事務員が、電話で社員を呼び出す
「3Fの会議室でお待ちです。どうぞ」
鬼宿は軽く会釈をすると、豪華なエレベーターのボタンを押した
コンコン・・・
「はい」
「あの・・・先日お手紙をいただきました、鬼宿です」
「入りなさい」
恐る恐る辿り着いた会議室の扉を開く
向こうには、スーツをきちんと着こなした30手前くらいの男性が立っていた
「やぁ・・・よく来てくれたね。鬼宿君!!」
「初めまして・・・この度は、お声をかけていただきありがとうございました」
「就職に困っていると、専門学校側から連絡を受けてね。一か八かと思い・・・君に手紙を出してみた」
「最高のタイミングです!!もうすぐ4月だっていうのに・・・俺何も決めてなくて」
「いいんですよ。あなたのその優しさと音楽を愛する心があれば、私どもと仕事を楽しめる筈です」
蔵本の力強い言葉・・・そして手を差し出された
「私たちと一緒に頑張りましょう」
鬼宿は・・・そっとその手を握った