Making of the Moon【鬼宿side】
「お疲れ様で~す」
幸樹が、練習室でベースを練習している時、誰かが入ってきた
見ると、その人物はよく顔見知りで
「・・・梨香?」
梨香と呼ばれた人物は、ペロリと舌を出した
「来ちゃった」
「お前、どうして・・・」
「鬼宿先輩に入れてもらったんだ」
「お前もか・・・」
「何かあの学校いづらくてね・・・」
梨香は、練習室にあったドラムに座る
「鬼宿先輩・・・馬鹿みたい。あたしが迫ると、子犬みたいに怯える癖に」
「お前・・・その・・・鬼宿の事・・・」
「諦めるよ。これだけ親切にしてもらって、裏切れないよ。鬼宿先輩が苦しむ顔もう見たくないなって」
その言葉に、幸樹は噴き出した
「なーによ!!笑わないでよ~」
「いや・・・お前にも、理性ってもんがあったんだなって」
「しっつれいねぇ!!」
新しい居場所を、見つけた二人
鬼宿は、今日も病院に来ていた
「博人の奴・・・そろそろ義足が外れるって聞いたけど」
廊下の角を曲がると・・・小田島はそこにいた
「え・・・博人?」
彼は、車いすから一人で立つ訓練をしていたのだ
「くそ・・・・ぐっ!!!」
そのまま、小田島は身を崩して倒れた
「博人!!」
「鬼宿・・・」
「大丈夫か?いきなり無理すんなよ・・・義足が外れるまでまだ訓練はしなくても・・・」
「俺は・・・一刻も早く・・・ギターをやりたいんだよ・・・」
「博人・・・」
「俺がこんな体になったのは音楽の影響でもあるけど、それでも俺にはこれしかないから・・・」
「そっか・・・お前、頑張ってたんだな」
鬼宿は、初めて見た小田島の情熱に胸を熱くする
「・・・・・・・わりぃ。カッとなって」
「大丈夫だよ。でも、まだ無理すんなよな」
そのまま、病室のベッドへ連れ戻す
「お前・・・・・・・変な奴から連絡とか来てないか?」
「へ?来てないけど・・・」
「そっか・・・なら、いいんだけど」
その暗い面持ちに、鬼宿は首を傾げた
「何かあったのか?」
「お前は気にする事じゃねぇよ」
「何だよ!!気になるじゃねぇか!!」
小田島は、恐る恐る携帯を取り出した
メールの画面には、こんな文章
『お前のバイト先に、空翔宿星の鬼宿が来てるんだろ?』
「・・・知り合いからのメールか?何で、俺がいるの知って・・・」
「病院に来てたの見られてたんだよ」
「あ・・・そっか。でも、それが何でまた?」
「こいつら・・・俺に薬勧めてきた奴らなんだよ。従わないと、ぶっ殺される・・・」
「じゃあ、こいつらに強要されて、お前はこんな体に?」
「俺はいいんだ・・・だけど、お前まで巻き込む訳にはいかねぇ。見張られてるかもしれないんだ」
そういえば、誰かに見られてる感じが、最近しない訳でもない
「俺のところには、もう来ない方がいい・・・」
「何言ってるんだよ。お前を放っておけねぇよ」
「だけど・・・お前、狙われてるんだぞ?それこそ、この間の怪我程度じゃすまねぇ」
「やっぱ、見てたんだな」
その言葉に、小田島は黙る
「大丈夫だよ。俺は、そんな簡単にやられたりしねぇし、それ程度で友達見捨てたりしねぇしな」
鬼宿の笑顔は、誰よりも心強かった
しかし、事件は起きた
「やば・・・すっかり遅くなっちゃった・・・」
美朱は、最近大学入学の為に毎日遅くまで受験勉強をしている
音大で、それこそギターを極めようと思っているのだ
将来・・・本当に鬼宿とバンドを組めるように
すると
「ねぇねぇ。今、一人?」
背後から、誰かに声をかけられた
「え・・・あの・・・」
見ると、何人か男が連れ立っていた
「お姉ちゃん。俺達と面白い事しない?」
「楽になれる遊びだからさ~」
「・・・・・ちょっと・・・何・・・・・・・」
一斉に、美朱に襲いかかる男達
「嫌あっ!!!!」
「鬼宿!!!」
突然、実家のインターホンが鳴らされた
「夕城プロ・・・どうしたんですか?」
「美朱が・・・とにかく来てくれないか!?」
そこは、美朱の行きつけの病院だった
中に入ると、美朱が呼吸器をつけて眠っている
「美朱・・・!!何があったんですか!?」
「誰かに襲われて、薬を吸わされたらしい」
「薬を・・・!?」
「お陰で、美朱の発作まで再発しちまったよ・・・誰がこんな・・・!!」
薬
魔の手は、美朱に伸びたのだった
幸樹が、練習室でベースを練習している時、誰かが入ってきた
見ると、その人物はよく顔見知りで
「・・・梨香?」
梨香と呼ばれた人物は、ペロリと舌を出した
「来ちゃった」
「お前、どうして・・・」
「鬼宿先輩に入れてもらったんだ」
「お前もか・・・」
「何かあの学校いづらくてね・・・」
梨香は、練習室にあったドラムに座る
「鬼宿先輩・・・馬鹿みたい。あたしが迫ると、子犬みたいに怯える癖に」
「お前・・・その・・・鬼宿の事・・・」
「諦めるよ。これだけ親切にしてもらって、裏切れないよ。鬼宿先輩が苦しむ顔もう見たくないなって」
その言葉に、幸樹は噴き出した
「なーによ!!笑わないでよ~」
「いや・・・お前にも、理性ってもんがあったんだなって」
「しっつれいねぇ!!」
新しい居場所を、見つけた二人
鬼宿は、今日も病院に来ていた
「博人の奴・・・そろそろ義足が外れるって聞いたけど」
廊下の角を曲がると・・・小田島はそこにいた
「え・・・博人?」
彼は、車いすから一人で立つ訓練をしていたのだ
「くそ・・・・ぐっ!!!」
そのまま、小田島は身を崩して倒れた
「博人!!」
「鬼宿・・・」
「大丈夫か?いきなり無理すんなよ・・・義足が外れるまでまだ訓練はしなくても・・・」
「俺は・・・一刻も早く・・・ギターをやりたいんだよ・・・」
「博人・・・」
「俺がこんな体になったのは音楽の影響でもあるけど、それでも俺にはこれしかないから・・・」
「そっか・・・お前、頑張ってたんだな」
鬼宿は、初めて見た小田島の情熱に胸を熱くする
「・・・・・・・わりぃ。カッとなって」
「大丈夫だよ。でも、まだ無理すんなよな」
そのまま、病室のベッドへ連れ戻す
「お前・・・・・・・変な奴から連絡とか来てないか?」
「へ?来てないけど・・・」
「そっか・・・なら、いいんだけど」
その暗い面持ちに、鬼宿は首を傾げた
「何かあったのか?」
「お前は気にする事じゃねぇよ」
「何だよ!!気になるじゃねぇか!!」
小田島は、恐る恐る携帯を取り出した
メールの画面には、こんな文章
『お前のバイト先に、空翔宿星の鬼宿が来てるんだろ?』
「・・・知り合いからのメールか?何で、俺がいるの知って・・・」
「病院に来てたの見られてたんだよ」
「あ・・・そっか。でも、それが何でまた?」
「こいつら・・・俺に薬勧めてきた奴らなんだよ。従わないと、ぶっ殺される・・・」
「じゃあ、こいつらに強要されて、お前はこんな体に?」
「俺はいいんだ・・・だけど、お前まで巻き込む訳にはいかねぇ。見張られてるかもしれないんだ」
そういえば、誰かに見られてる感じが、最近しない訳でもない
「俺のところには、もう来ない方がいい・・・」
「何言ってるんだよ。お前を放っておけねぇよ」
「だけど・・・お前、狙われてるんだぞ?それこそ、この間の怪我程度じゃすまねぇ」
「やっぱ、見てたんだな」
その言葉に、小田島は黙る
「大丈夫だよ。俺は、そんな簡単にやられたりしねぇし、それ程度で友達見捨てたりしねぇしな」
鬼宿の笑顔は、誰よりも心強かった
しかし、事件は起きた
「やば・・・すっかり遅くなっちゃった・・・」
美朱は、最近大学入学の為に毎日遅くまで受験勉強をしている
音大で、それこそギターを極めようと思っているのだ
将来・・・本当に鬼宿とバンドを組めるように
すると
「ねぇねぇ。今、一人?」
背後から、誰かに声をかけられた
「え・・・あの・・・」
見ると、何人か男が連れ立っていた
「お姉ちゃん。俺達と面白い事しない?」
「楽になれる遊びだからさ~」
「・・・・・ちょっと・・・何・・・・・・・」
一斉に、美朱に襲いかかる男達
「嫌あっ!!!!」
「鬼宿!!!」
突然、実家のインターホンが鳴らされた
「夕城プロ・・・どうしたんですか?」
「美朱が・・・とにかく来てくれないか!?」
そこは、美朱の行きつけの病院だった
中に入ると、美朱が呼吸器をつけて眠っている
「美朱・・・!!何があったんですか!?」
「誰かに襲われて、薬を吸わされたらしい」
「薬を・・・!?」
「お陰で、美朱の発作まで再発しちまったよ・・・誰がこんな・・・!!」
薬
魔の手は、美朱に伸びたのだった