Making of the Moon【鬼宿side】
「バイト始めたんだって?」
初夏のある夜
久々に、夕城プロは自分を飲みに誘ってくれた
「んーそれがしっくり来ないんですよねぇ・・・あのバイト」
「何かあったのか?」
「何かってゆーか・・・一緒に働いてる搬入の先輩が・・・怪しい事やってるっぽくて」
「怪しい事って!?どんな!?」
鬼宿は、奎宿と昴宿に聞こえない小さな声で夕城プロに告げた
「えぇっ!!??麻薬!!??」
「何!?鬼宿!!てめぇ、やっちまったのか!?」
「あんた・・・また、美朱ちゃんと上手く行かなくなったのかい!?」
「っだぁ~・・・夕城プロ~」
あっという間に、話題は知れ渡ってしまった
「そっか・・・そんな事がなぁ」
「そりゃあ、仕事以外では関わらねぇ方がいいぞ」
「そうだよ。あんた、ただでさえ人がいいんだから」
皆が心配の目で、鬼宿を見やる
「・・・ま、俺もそこまで馬鹿じゃないからさ。大丈夫だと思うけど・・・」
大丈夫。自分でもそう思っていた
「鬼宿。今月分の金」
「おぉ・・・わりぃな。幸樹」
「いいんだよ。本当は利子つけて返したいとこなんだけどさ」
「んなのいいって!!」
学校で、幸樹から四度目の返済
きちんと律儀に返済してくれるところが、彼のいいところでもある
「バイト、大変じゃないか?俺で良ければ、いつでも力になるからさ」
「ありがとな」
「それより、お前来年の進路どうするんだ?」
「あ・・・そっか。もうそんな時期だな」
もう季節は、初夏
先日も、説明会が済んだばかりだった
「俺ら専門学校生には、時間がないんだもんな」
「そうだな。早いトコ決めないと」
「お前は・・・俺の会社受けてみるんじゃなかったのか?」
確か、入学当時自分のデビューした会社「yukimusic」に幸樹が弟子入りしたいと言っていたのを思い出した
「や・・・現実は厳しいかなって・・・さ。何か、この学校入ったら・・・」
「んな事ねぇって!!お前、ベースかなり上達したじゃんv」
音楽の楽しさを実感している友人を見る事は、鬼宿にとってこの上ない喜びだった
「鬼宿先輩vvv」
帰りの廊下で、声をかけられる
振り向くと・・・
「梨香ちゃん・・・」
「はい!!この教本、先輩にずっと借りっぱなしでしたよね!!勉強になりましたvどうもありがとうございます!!」
丁寧にお礼を言われ、教本を返される
「あ・・・すっかり忘れてたよ」
「もう!!ここのところ、鬼宿先輩バイトで相手にしてくれないんですもんv」
しかし、その瞳の奥では何かを企んでいるような気がした
「ごめんなぁ・・・俺、最近忙しくて。じゃあ、バイトあるから」
しかし、その場を離れようとした瞬間、梨香の腕はしっかり鬼宿の背中から回されていた
「・・・・・・・・!!!」
「これからも・・・・・・・・・・・・・あたしの傍でドラム見てくれるんですよね?」
「・・・梨香ちゃん・・・」
「あたしは・・・・・・・・・・・・・絶対に鬼宿先輩と離れたくないです」
悪魔の復讐は、まだ続いていた
初夏のある夜
久々に、夕城プロは自分を飲みに誘ってくれた
「んーそれがしっくり来ないんですよねぇ・・・あのバイト」
「何かあったのか?」
「何かってゆーか・・・一緒に働いてる搬入の先輩が・・・怪しい事やってるっぽくて」
「怪しい事って!?どんな!?」
鬼宿は、奎宿と昴宿に聞こえない小さな声で夕城プロに告げた
「えぇっ!!??麻薬!!??」
「何!?鬼宿!!てめぇ、やっちまったのか!?」
「あんた・・・また、美朱ちゃんと上手く行かなくなったのかい!?」
「っだぁ~・・・夕城プロ~」
あっという間に、話題は知れ渡ってしまった
「そっか・・・そんな事がなぁ」
「そりゃあ、仕事以外では関わらねぇ方がいいぞ」
「そうだよ。あんた、ただでさえ人がいいんだから」
皆が心配の目で、鬼宿を見やる
「・・・ま、俺もそこまで馬鹿じゃないからさ。大丈夫だと思うけど・・・」
大丈夫。自分でもそう思っていた
「鬼宿。今月分の金」
「おぉ・・・わりぃな。幸樹」
「いいんだよ。本当は利子つけて返したいとこなんだけどさ」
「んなのいいって!!」
学校で、幸樹から四度目の返済
きちんと律儀に返済してくれるところが、彼のいいところでもある
「バイト、大変じゃないか?俺で良ければ、いつでも力になるからさ」
「ありがとな」
「それより、お前来年の進路どうするんだ?」
「あ・・・そっか。もうそんな時期だな」
もう季節は、初夏
先日も、説明会が済んだばかりだった
「俺ら専門学校生には、時間がないんだもんな」
「そうだな。早いトコ決めないと」
「お前は・・・俺の会社受けてみるんじゃなかったのか?」
確か、入学当時自分のデビューした会社「yukimusic」に幸樹が弟子入りしたいと言っていたのを思い出した
「や・・・現実は厳しいかなって・・・さ。何か、この学校入ったら・・・」
「んな事ねぇって!!お前、ベースかなり上達したじゃんv」
音楽の楽しさを実感している友人を見る事は、鬼宿にとってこの上ない喜びだった
「鬼宿先輩vvv」
帰りの廊下で、声をかけられる
振り向くと・・・
「梨香ちゃん・・・」
「はい!!この教本、先輩にずっと借りっぱなしでしたよね!!勉強になりましたvどうもありがとうございます!!」
丁寧にお礼を言われ、教本を返される
「あ・・・すっかり忘れてたよ」
「もう!!ここのところ、鬼宿先輩バイトで相手にしてくれないんですもんv」
しかし、その瞳の奥では何かを企んでいるような気がした
「ごめんなぁ・・・俺、最近忙しくて。じゃあ、バイトあるから」
しかし、その場を離れようとした瞬間、梨香の腕はしっかり鬼宿の背中から回されていた
「・・・・・・・・!!!」
「これからも・・・・・・・・・・・・・あたしの傍でドラム見てくれるんですよね?」
「・・・梨香ちゃん・・・」
「あたしは・・・・・・・・・・・・・絶対に鬼宿先輩と離れたくないです」
悪魔の復讐は、まだ続いていた