ホーリー母校に帰る
「・・・何やて?」
「せやから、朱雀学園に復讐を・・・」
バン!!!
その場にいた族が、その凄まじい音に驚いた
「誰がそんなんやれて言うたんや!!あの学校は、俺が潰す!!副団長のお前が余計な事すんな!!!」
凄い形相で怒鳴りつける団長
「す・・・すまん。俺は、ただ・・・お前の事を思って・・・」
団長は、そのまま、どっかと椅子に座りなおし、残っていた酒をぐいと飲む
「お前らは、俺の言うとおりに動いてればええんや・・・。どうせ、教師なんぞ何も出来ひん人間なんやしな・・・」
特に、「TSUBASA」からの反撃もなく、学校はもうすぐGWに入ろうとしていた
「明日から、GWだが・・・、みんな、体に気をつけて休みを過ごすんだぞ!!」
生徒は、一斉に返事をする
「ねぇねぇv鬼宿!!GWは、もち、私とデートだよねv」
「はぁ?んな、大声で言うなよ!!後で、メールするから・・・」
「まったく、妬けるのだ。二人ともv」
「そうですよねぇ~。僕らにも、そういう出会いがないかなぁ」
美朱、鬼宿、井宿、張宿はそんな会話を繰り広げていた
ガタッ
入口で、誰かが誰かにぶつかった
見ると、そこには人一倍デカい図体の男
「ご・・・ごめん」
「気をつけろ」
その男は、そのまま教室を出て行った
「ねぇ。あの人、最近入ってきた軫宿・・・って人だよね?」
「何でも、一年留年したらしいぜ?」
「そうなのだ?随分おとなしい青年に見えるが・・・」
「僕・・・、噂で聞いたんですけど、昔・・・薬に手を出してたみたいで・・・」
「まぢかよ!?よく、留年で済んだなぁ」
その軫宿という男は、校庭をぼけっと眺めていた
「軫宿」
呼ばれた方を振り返る
自分の名前なんて、何年ぶりに呼ばれただろうか
そこには、同じクラスの柳宿
「・・・どうしたのよ?そんなにボーッとして!!」
「別に・・・」
「学校、つまんない?」
「さぁな」
「本当、参っちゃうわよねぇ。前々から噂には聞いてたけどさ、暴走族は晩年荒らしに来るわ、うちのクラスは結構なトラブルメイカーになっちゃうわ、一年目からこんなんじゃ、先が思いやられるわ」
そう言って、微笑む柳宿
「・・・お前は、学校が好きか?」
突然の問いかけに、柳宿は驚いた
「うん・・・。嫌いじゃないわ」
「どうしてだ?」
「う~ん・・・。何でだろ?・・・確かに、さっき言ったみたいに、うちのクラスは事件が絶えないけど・・・、でも、そのお陰か、みんな確実に変わっていってる気がする。何より、先生もいい人だし。どうせなら、一生忘れられないクラスにしてやるって思うのよ」
「・・・そうか」
「軫宿も・・・そうでしょ?」
「・・・まぁな」
「じゃあ、あたしこの後、用事あるから!!じゃあね!!」
「あぁ」
柳宿は、そう言って手を振ると駆けていった
(俺が、あのクラスに居座る理由は、ただひとつだけなんだ・・・柳宿)
GW明け
教室は、やけに騒がしかった
軫宿は、特に興味も示さずに教室に入ると、自分の席に座った
途端に、生徒たちの視線が冷たくなる
「麻薬・・・やってたんだってぇ・・・」
「この前、張宿の奴が言ってたのをたまたま聞いたんだよ」
「ったく・・・迷惑だよな。そんな奴が、居直りみたいにこのクラスに居座って・・・」
「また、売りつけられたりしたらたまったもんじゃねぇ・・・」
そんなひそひそ声が、軫宿に届いた
「ねぇ・・・柳宿。聞いた?そういう人なんだってさ・・・あの人」
生徒の一人も、柳宿に声をかける
「・・・ちょっと。やめなさいよ。変な言いがかりつけるのは」
柳宿は、困っていたがそう言って場を止めようとした
ガタッ
軫宿は、立ち上がった
そのまま、教室を出る
「軫宿・・・っ」
「でよぉ~・・・うちの妹が本当によ~v」
「・・・鬼宿。もうその話、何回も聞いたよ」
「まったく。お前は、本当に妹好きなのだな」
「いい事ですよ。いつまでも、いいお兄さんでいてあげてください」
「軫宿!!」
声のする方へ顔を向けると、軫宿が自分たちの真横を走り去った
一緒に登校してきた鬼宿、美朱、井宿、張宿はぽかんとしていた
「柳宿!!どうしたの!?」
美朱は、柳宿の腕を掴んだ
「話は後よ・・・。とりあえず・・・、教室の連中、黙らせといてくれる?」
そう言うと、柳宿は、軫宿の後を追った
バン
辿り着いたのは、体育館裏
軫宿は、息を切らしていた
壁に拳を叩きつける
「何だってんだよ・・・!!何だって・・・また・・・」
本当は、過去を隠したかった
だけど、いずれは広まるものである
自分が、何食わぬ顔でいちからやり直せる訳など、最初からなかった
そう分かっていても、何かを期待していた
そう。あいつと出会ってから・・・
「・・・嫌わないわよ」
その声に、軫宿は振り向いた
最愛の人
「あんたの秘密知ったって・・・、何も変わらない」
その言葉に、顔を背ける
「・・・同情するなら、やめておけ。そうだ・・・俺は、昔、薬物に手を出した。全身あちこち針の跡だらけ。皮膚は弱り、思考も鈍っている。だから、留年した。本当なら、退学処分だ。けれど・・・、良心的な校長が、俺をこの学校に残らせてくれた。だけど・・・、お前らには酷だよな」
「誰だって、過去に過ちはあるわ」
「・・・・・・・・・・」
「あなたは、そうして自分を責めている。その心を持っているなら、まだやり直せる」
雨が降り出した
「・・・人生、何度でもやり直せるわよ。だって・・・、あんたはまだ生きてるんだもの」
君のその前向きな姿勢が、俺の後ろ向きの人生に光を与えたんだ
「・・・っっ!!!」
軫宿は、その小さな体を抱き寄せた
「柳宿・・・俺・・・俺は・・・」
「みつか・・・」
名前を呼び終わる前に、柳宿は凍りついた
ピシャアアアン
フェンスの向こう側。そこには
あの暴走族の団長
「せやから、朱雀学園に復讐を・・・」
バン!!!
その場にいた族が、その凄まじい音に驚いた
「誰がそんなんやれて言うたんや!!あの学校は、俺が潰す!!副団長のお前が余計な事すんな!!!」
凄い形相で怒鳴りつける団長
「す・・・すまん。俺は、ただ・・・お前の事を思って・・・」
団長は、そのまま、どっかと椅子に座りなおし、残っていた酒をぐいと飲む
「お前らは、俺の言うとおりに動いてればええんや・・・。どうせ、教師なんぞ何も出来ひん人間なんやしな・・・」
特に、「TSUBASA」からの反撃もなく、学校はもうすぐGWに入ろうとしていた
「明日から、GWだが・・・、みんな、体に気をつけて休みを過ごすんだぞ!!」
生徒は、一斉に返事をする
「ねぇねぇv鬼宿!!GWは、もち、私とデートだよねv」
「はぁ?んな、大声で言うなよ!!後で、メールするから・・・」
「まったく、妬けるのだ。二人ともv」
「そうですよねぇ~。僕らにも、そういう出会いがないかなぁ」
美朱、鬼宿、井宿、張宿はそんな会話を繰り広げていた
ガタッ
入口で、誰かが誰かにぶつかった
見ると、そこには人一倍デカい図体の男
「ご・・・ごめん」
「気をつけろ」
その男は、そのまま教室を出て行った
「ねぇ。あの人、最近入ってきた軫宿・・・って人だよね?」
「何でも、一年留年したらしいぜ?」
「そうなのだ?随分おとなしい青年に見えるが・・・」
「僕・・・、噂で聞いたんですけど、昔・・・薬に手を出してたみたいで・・・」
「まぢかよ!?よく、留年で済んだなぁ」
その軫宿という男は、校庭をぼけっと眺めていた
「軫宿」
呼ばれた方を振り返る
自分の名前なんて、何年ぶりに呼ばれただろうか
そこには、同じクラスの柳宿
「・・・どうしたのよ?そんなにボーッとして!!」
「別に・・・」
「学校、つまんない?」
「さぁな」
「本当、参っちゃうわよねぇ。前々から噂には聞いてたけどさ、暴走族は晩年荒らしに来るわ、うちのクラスは結構なトラブルメイカーになっちゃうわ、一年目からこんなんじゃ、先が思いやられるわ」
そう言って、微笑む柳宿
「・・・お前は、学校が好きか?」
突然の問いかけに、柳宿は驚いた
「うん・・・。嫌いじゃないわ」
「どうしてだ?」
「う~ん・・・。何でだろ?・・・確かに、さっき言ったみたいに、うちのクラスは事件が絶えないけど・・・、でも、そのお陰か、みんな確実に変わっていってる気がする。何より、先生もいい人だし。どうせなら、一生忘れられないクラスにしてやるって思うのよ」
「・・・そうか」
「軫宿も・・・そうでしょ?」
「・・・まぁな」
「じゃあ、あたしこの後、用事あるから!!じゃあね!!」
「あぁ」
柳宿は、そう言って手を振ると駆けていった
(俺が、あのクラスに居座る理由は、ただひとつだけなんだ・・・柳宿)
GW明け
教室は、やけに騒がしかった
軫宿は、特に興味も示さずに教室に入ると、自分の席に座った
途端に、生徒たちの視線が冷たくなる
「麻薬・・・やってたんだってぇ・・・」
「この前、張宿の奴が言ってたのをたまたま聞いたんだよ」
「ったく・・・迷惑だよな。そんな奴が、居直りみたいにこのクラスに居座って・・・」
「また、売りつけられたりしたらたまったもんじゃねぇ・・・」
そんなひそひそ声が、軫宿に届いた
「ねぇ・・・柳宿。聞いた?そういう人なんだってさ・・・あの人」
生徒の一人も、柳宿に声をかける
「・・・ちょっと。やめなさいよ。変な言いがかりつけるのは」
柳宿は、困っていたがそう言って場を止めようとした
ガタッ
軫宿は、立ち上がった
そのまま、教室を出る
「軫宿・・・っ」
「でよぉ~・・・うちの妹が本当によ~v」
「・・・鬼宿。もうその話、何回も聞いたよ」
「まったく。お前は、本当に妹好きなのだな」
「いい事ですよ。いつまでも、いいお兄さんでいてあげてください」
「軫宿!!」
声のする方へ顔を向けると、軫宿が自分たちの真横を走り去った
一緒に登校してきた鬼宿、美朱、井宿、張宿はぽかんとしていた
「柳宿!!どうしたの!?」
美朱は、柳宿の腕を掴んだ
「話は後よ・・・。とりあえず・・・、教室の連中、黙らせといてくれる?」
そう言うと、柳宿は、軫宿の後を追った
バン
辿り着いたのは、体育館裏
軫宿は、息を切らしていた
壁に拳を叩きつける
「何だってんだよ・・・!!何だって・・・また・・・」
本当は、過去を隠したかった
だけど、いずれは広まるものである
自分が、何食わぬ顔でいちからやり直せる訳など、最初からなかった
そう分かっていても、何かを期待していた
そう。あいつと出会ってから・・・
「・・・嫌わないわよ」
その声に、軫宿は振り向いた
最愛の人
「あんたの秘密知ったって・・・、何も変わらない」
その言葉に、顔を背ける
「・・・同情するなら、やめておけ。そうだ・・・俺は、昔、薬物に手を出した。全身あちこち針の跡だらけ。皮膚は弱り、思考も鈍っている。だから、留年した。本当なら、退学処分だ。けれど・・・、良心的な校長が、俺をこの学校に残らせてくれた。だけど・・・、お前らには酷だよな」
「誰だって、過去に過ちはあるわ」
「・・・・・・・・・・」
「あなたは、そうして自分を責めている。その心を持っているなら、まだやり直せる」
雨が降り出した
「・・・人生、何度でもやり直せるわよ。だって・・・、あんたはまだ生きてるんだもの」
君のその前向きな姿勢が、俺の後ろ向きの人生に光を与えたんだ
「・・・っっ!!!」
軫宿は、その小さな体を抱き寄せた
「柳宿・・・俺・・・俺は・・・」
「みつか・・・」
名前を呼び終わる前に、柳宿は凍りついた
ピシャアアアン
フェンスの向こう側。そこには
あの暴走族の団長