Flying Stars
2月14日
日本全国の女性達が愛を込めて張り切る素敵な日
勿論、歌手のファンならばファンクラブを通じて歌手にも愛が贈られる
そんな魔の手が勿論「空翔宿星」にも忍び寄る
「きゃ~~~~~~~~~~~~」
雄たけびをあげながら、女性ファンは事務所やスタジオ前に群がった
「押さないで!!押さないで!!はい、一人ずつ!!」
警備員が総出でチョコを受け取っている
「・・・凄いな。例年にも増して」
「給料、上げて欲しいよな」
ぼそりと警備員が呟く
「ほら!!これで15個目だ!!」
夕城プロがダンボールに詰まったチョコを重たそうに楽屋に持ってくる
既にチョコの匂いが楽屋には充満していた
「・・・ったく。バレンタインは明日だぞ。明日はもっと混むから今日の内に持ってくるファンが多いんだと。肩こるなぁ~」
「すみません。何だかお騒がせして」
「いいんだよ、鬼宿!!お前等のせいじゃあないさ!!それだけ魅力を醸し出してる証拠なんだよ!!」
夕城プロが笑って鬼宿の肩を叩く
その光景を見て、柳宿は深くため息をついた
(最大の問題!!あたしはチョコをあげるべきなのか!?)
こんなにチョコを貰ってはさすがに自分のチョコなんてゴミみたいなものだろう
そしてはたまた柳宿は男性に囲まれる仕事が多いのだ
サービス心旺盛な柳宿は、勿論義理もたんまり用意しなければならない
勿論、本命は・・・
「また増えとる」
出戻ってきた翼宿は、チョコの山を見てそう呟いた
「そうなんだよ、翼宿~元凶はお前だろ?ったく、俺ら男性群を差し置いてまったくお前は・・・」
「はは、すんませんなぁ。いつもいつも」
翼宿は人事のようにこちらへ戻ってくる
「モテモテ・・・」
そう呟いて柳宿はため息
そんな柳宿の頭を軽く叩いてソファの隣に座る
「お前のもあるやないか」
机の上に「柳宿へ」と書かれたチョコもいくつか乗っている
「あんた程じゃないわよ」
「そうそう。俺も今年は激減したからなぁ」
鬼宿もため息をつく
「そりゃ、あんたは美朱がいるじゃないの」
横で翼宿が煙草の火をつける
「あんた・・・これ、全部食べるの?」
「タマに全部やるわ」
「え!?俺!?」
「違うよ、猫だよ」
柳宿はすぐに違いを見つける
「今日、持って帰るの大変だねぇ」
「・・・やな」
「手伝ってあげるわよ!!」
本当は、手伝いたくないのに
意思と反対の事を言う自分
ブルルルルル
「よいしょっと・・・」
とりあえず翼宿のマンションの前までチョコの山を運んだ
「一度じゃ、運べなかったねぇ~・・・」
「そら、そうやろ・・・2人で2箱が限界や」
翼宿はため息をついた
「明日はもっと来るよ・・・」
例年の翼宿の人気から、誰もが想像がついた
「・・・人気者は大変だなぁ」
柳宿は半ばそっぽを向いて、翼宿に背を向ける
その時、柳宿の頭の上に手が置かれた
「おおきに」
「・・・翼宿」
「いっつも、世話になっとるな」
振り返ると優しい翼宿の笑顔
心臓が飛び出しそうになる
「べっ、別に・・・あんたにはいつもお世話になってるしね!!」
柳宿は無理に元気に振る舞う
自分の想いを精一杯隠す為に・・・
「乗れ、送るわ」
一旦玄関先にチョコを置いてきた翼宿は、柳宿をまたバイクに乗せた
大好きな翼宿の背中にぎゅっとしがみつく
(やっぱり・・・チョコあげたいな・・・)
「じゃあな」
「また明日ね」
翼宿はバイクを発進させる
姿が見えなくなるまで、手を振る
すぐさま携帯を取り出す
♪♪♪
「はいはいはいは~い」
風呂上りの美朱は携帯の元へと急ぐ
「メール 柳宿」
「柳宿先輩!!」
美朱は画面にかじりつく
『遅くにごめんね。実は・・・翼宿にチョコをあげるべきか迷ってるんだ・・・』
その時、美朱のアンテナがピンと立った
「柳宿先輩~」
数分後
美朱が自転車で柳宿の家にやってきた
「美朱・・・早い」
柳宿が度肝を抜かした
「だってっ!!恋の一大事!!柳宿先輩!!今から、買い出しに行きましょう!!」
美朱はガッツポーズを作る
「いや・・・あたしはあげるかあげないかは、まだ・・・」
「諦めちゃ駄目ですよ、柳宿先輩!!確かに・・・翼宿先輩は大人気だし、明日はもっとチョコが来るかもしれないけど・・・けど、女性ファン以上に柳宿先輩の存在は、翼宿先輩にとって大きいです!!」
「・・・そうかなぁ・・・」
後輩の必死の説得に胸を熱くする
結局、美朱と買い出しに行き、本命に作る大きなガトーショコラを作る事にした
まぁ、柳宿は料理が大得意だったので、難なく作る事が出来たが・・・
そして
当日!!!
「やっぱ、無理!!!」
思わず声をあげてしまった
「きゃ~翼宿~~~」
「受け取ってください~」
たくさんの女性ファンがスタジオの前にごったがえしていて入れない
♪♪♪
「もしもし?」
『柳宿、無事か!?』
「夕城プロ~・・・」
『裏口使いなさい!!』
「はい・・・」
どうなってるんだ
この世の中
遅れて、鬼宿が楽屋に登場した
「大丈夫~?」
「何とか・・・な。翼宿が一番心配だな」
鬼宿はサングラスを外して笑った
「・・・そうだよ。あいつ・・・今日も遅刻か・・・」
柳宿は心配そうに窓から女性ファンを見下ろしている
その時だった
「きゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~」
不運にも、翼宿はバイクで列の前を通りかかってしまった
「翼宿~~~★」
警備員が抑えられないほどに、ファンは騒ぎ出した
翼宿はファンに苦笑いで手を振っているらしく、そのまま玄関に入ってしまった
「はぁ~~~~~~~~~」
「馬鹿か、あいつは」
何も知らずに堂々と登場してしまう翼宿も翼宿らしいが
「はよ」
「「馬鹿!!」」
2人で同時に怒鳴ってしまった
楽屋に入ってきた翼宿は首を傾げる
さて、ここからどうしようか
袋の中には大きなガトーショコラ
いつ、渡せばいい?
翼宿が夕城プロに用事があると言って出て行った後、柳宿は鬼宿の裾をつんと引っ張った
「ん?」
「あたしは・・・あげるべき?」
「あぁ、美朱に聞いたよ!!あげちまえばいいじゃん、素直じゃねぇなぁ!!」
鬼宿は笑いながら、ドラムスティックを磨いている
「そんな簡単な問題~?だって、あんなにチョコ貰ってるんだよ?あたしからあげたって、荷物が増えるだけじゃん!!」
「そういう意味かよ」
鬼宿はずるっと身を崩した
「荷物とかじゃねぇだろ。気持ちだろ?相当、傑作らしいじゃん?あいつに見せてやれよ」
去年も確かに翼宿にはあげた
だけど、それは義理という意味もこめて夕城プロや鬼宿にもあげたのだ
今年、まさか気持ちがより一層高まって、翼宿限定に本命チョコをあげる事になるとは・・・
「俺、出てるからよ」
鬼宿はドアを開けた
「たま~・・・」
そのまま笑顔で手を振ると、鬼宿は扉を閉めた
ソファの上にガトーショコラの袋を置いて、柳宿はその隣に座った
心臓がバクバク言ってる
(チョコ、あげるだけだろ!?今までの出来事に比べたら、何て事ないじゃない!!)
だけど、不安だった
(ちゃんと受け取ってくれる?)
これを機に、もしかしたら自分の気持ちに気づかれないだろうか
(気持ち悪いよね?そんなの・・・)
柳宿はますます意気消沈した
「・・・あれ?たまは?」
気づけば翼宿が帰って来ていた
「おおおおお帰り!!!!」
派手なリアクションをした
「何か・・・どっか行った」
「ふ~ん」
翼宿はベースの調弦を始めた
「あ・・・のさっ・・・翼宿!!」
「ん?」
「こっち・・・来て」
「???」
柳宿は顔面真っ赤で自分の向かい側に翼宿を誘った
背後では、まだ諦めないファンの歓声が聞こえている
「何したん?」
「あのさっ・・・」
ガトーショコラを取り出す
「これ・・・」
あまりの大きさに両手で渡す
恥ずかしい
ベタすぎる
相手の顔が見れない
暫く沈黙が続いた
「これ、俺に?」
問い掛けられた
柳宿は無言で頷く
「荷物・・・増えるかと思ったんだけどさ・・・渡したくてっ・・・」
どう言葉を繋げたら良いか分からない
すると翼宿はそれを受け取った
「せやったら、今食えばえぇやん」
「えぇ!?」
次の瞬間、翼宿はチョコにかぶりついていた
「翼宿・・・」
「甘」
チョコの感想だった
自分の目の前でチョコを食べてくれてる
しかも、ファンのチョコよりも先にだ
「これ、一人で作ったん?」
「う・・・うん」
翼宿はフッと笑った
「頑張ったな」
心臓が爆発する
何だか凄く特別な気持ちになれた
これが勘違いでもいい
自分は翼宿にとって、ファン以上の存在になれたのだ
「全部・・・食べなさいよ!」
いつも通りの自分に戻る
変に意識したくない
翼宿は、自分をそのままの自分で受け止めてくれるんだ
ハッピーバレンタイン
好きだよ。翼宿・・・
日本全国の女性達が愛を込めて張り切る素敵な日
勿論、歌手のファンならばファンクラブを通じて歌手にも愛が贈られる
そんな魔の手が勿論「空翔宿星」にも忍び寄る
「きゃ~~~~~~~~~~~~」
雄たけびをあげながら、女性ファンは事務所やスタジオ前に群がった
「押さないで!!押さないで!!はい、一人ずつ!!」
警備員が総出でチョコを受け取っている
「・・・凄いな。例年にも増して」
「給料、上げて欲しいよな」
ぼそりと警備員が呟く
「ほら!!これで15個目だ!!」
夕城プロがダンボールに詰まったチョコを重たそうに楽屋に持ってくる
既にチョコの匂いが楽屋には充満していた
「・・・ったく。バレンタインは明日だぞ。明日はもっと混むから今日の内に持ってくるファンが多いんだと。肩こるなぁ~」
「すみません。何だかお騒がせして」
「いいんだよ、鬼宿!!お前等のせいじゃあないさ!!それだけ魅力を醸し出してる証拠なんだよ!!」
夕城プロが笑って鬼宿の肩を叩く
その光景を見て、柳宿は深くため息をついた
(最大の問題!!あたしはチョコをあげるべきなのか!?)
こんなにチョコを貰ってはさすがに自分のチョコなんてゴミみたいなものだろう
そしてはたまた柳宿は男性に囲まれる仕事が多いのだ
サービス心旺盛な柳宿は、勿論義理もたんまり用意しなければならない
勿論、本命は・・・
「また増えとる」
出戻ってきた翼宿は、チョコの山を見てそう呟いた
「そうなんだよ、翼宿~元凶はお前だろ?ったく、俺ら男性群を差し置いてまったくお前は・・・」
「はは、すんませんなぁ。いつもいつも」
翼宿は人事のようにこちらへ戻ってくる
「モテモテ・・・」
そう呟いて柳宿はため息
そんな柳宿の頭を軽く叩いてソファの隣に座る
「お前のもあるやないか」
机の上に「柳宿へ」と書かれたチョコもいくつか乗っている
「あんた程じゃないわよ」
「そうそう。俺も今年は激減したからなぁ」
鬼宿もため息をつく
「そりゃ、あんたは美朱がいるじゃないの」
横で翼宿が煙草の火をつける
「あんた・・・これ、全部食べるの?」
「タマに全部やるわ」
「え!?俺!?」
「違うよ、猫だよ」
柳宿はすぐに違いを見つける
「今日、持って帰るの大変だねぇ」
「・・・やな」
「手伝ってあげるわよ!!」
本当は、手伝いたくないのに
意思と反対の事を言う自分
ブルルルルル
「よいしょっと・・・」
とりあえず翼宿のマンションの前までチョコの山を運んだ
「一度じゃ、運べなかったねぇ~・・・」
「そら、そうやろ・・・2人で2箱が限界や」
翼宿はため息をついた
「明日はもっと来るよ・・・」
例年の翼宿の人気から、誰もが想像がついた
「・・・人気者は大変だなぁ」
柳宿は半ばそっぽを向いて、翼宿に背を向ける
その時、柳宿の頭の上に手が置かれた
「おおきに」
「・・・翼宿」
「いっつも、世話になっとるな」
振り返ると優しい翼宿の笑顔
心臓が飛び出しそうになる
「べっ、別に・・・あんたにはいつもお世話になってるしね!!」
柳宿は無理に元気に振る舞う
自分の想いを精一杯隠す為に・・・
「乗れ、送るわ」
一旦玄関先にチョコを置いてきた翼宿は、柳宿をまたバイクに乗せた
大好きな翼宿の背中にぎゅっとしがみつく
(やっぱり・・・チョコあげたいな・・・)
「じゃあな」
「また明日ね」
翼宿はバイクを発進させる
姿が見えなくなるまで、手を振る
すぐさま携帯を取り出す
♪♪♪
「はいはいはいは~い」
風呂上りの美朱は携帯の元へと急ぐ
「メール 柳宿」
「柳宿先輩!!」
美朱は画面にかじりつく
『遅くにごめんね。実は・・・翼宿にチョコをあげるべきか迷ってるんだ・・・』
その時、美朱のアンテナがピンと立った
「柳宿先輩~」
数分後
美朱が自転車で柳宿の家にやってきた
「美朱・・・早い」
柳宿が度肝を抜かした
「だってっ!!恋の一大事!!柳宿先輩!!今から、買い出しに行きましょう!!」
美朱はガッツポーズを作る
「いや・・・あたしはあげるかあげないかは、まだ・・・」
「諦めちゃ駄目ですよ、柳宿先輩!!確かに・・・翼宿先輩は大人気だし、明日はもっとチョコが来るかもしれないけど・・・けど、女性ファン以上に柳宿先輩の存在は、翼宿先輩にとって大きいです!!」
「・・・そうかなぁ・・・」
後輩の必死の説得に胸を熱くする
結局、美朱と買い出しに行き、本命に作る大きなガトーショコラを作る事にした
まぁ、柳宿は料理が大得意だったので、難なく作る事が出来たが・・・
そして
当日!!!
「やっぱ、無理!!!」
思わず声をあげてしまった
「きゃ~翼宿~~~」
「受け取ってください~」
たくさんの女性ファンがスタジオの前にごったがえしていて入れない
♪♪♪
「もしもし?」
『柳宿、無事か!?』
「夕城プロ~・・・」
『裏口使いなさい!!』
「はい・・・」
どうなってるんだ
この世の中
遅れて、鬼宿が楽屋に登場した
「大丈夫~?」
「何とか・・・な。翼宿が一番心配だな」
鬼宿はサングラスを外して笑った
「・・・そうだよ。あいつ・・・今日も遅刻か・・・」
柳宿は心配そうに窓から女性ファンを見下ろしている
その時だった
「きゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~」
不運にも、翼宿はバイクで列の前を通りかかってしまった
「翼宿~~~★」
警備員が抑えられないほどに、ファンは騒ぎ出した
翼宿はファンに苦笑いで手を振っているらしく、そのまま玄関に入ってしまった
「はぁ~~~~~~~~~」
「馬鹿か、あいつは」
何も知らずに堂々と登場してしまう翼宿も翼宿らしいが
「はよ」
「「馬鹿!!」」
2人で同時に怒鳴ってしまった
楽屋に入ってきた翼宿は首を傾げる
さて、ここからどうしようか
袋の中には大きなガトーショコラ
いつ、渡せばいい?
翼宿が夕城プロに用事があると言って出て行った後、柳宿は鬼宿の裾をつんと引っ張った
「ん?」
「あたしは・・・あげるべき?」
「あぁ、美朱に聞いたよ!!あげちまえばいいじゃん、素直じゃねぇなぁ!!」
鬼宿は笑いながら、ドラムスティックを磨いている
「そんな簡単な問題~?だって、あんなにチョコ貰ってるんだよ?あたしからあげたって、荷物が増えるだけじゃん!!」
「そういう意味かよ」
鬼宿はずるっと身を崩した
「荷物とかじゃねぇだろ。気持ちだろ?相当、傑作らしいじゃん?あいつに見せてやれよ」
去年も確かに翼宿にはあげた
だけど、それは義理という意味もこめて夕城プロや鬼宿にもあげたのだ
今年、まさか気持ちがより一層高まって、翼宿限定に本命チョコをあげる事になるとは・・・
「俺、出てるからよ」
鬼宿はドアを開けた
「たま~・・・」
そのまま笑顔で手を振ると、鬼宿は扉を閉めた
ソファの上にガトーショコラの袋を置いて、柳宿はその隣に座った
心臓がバクバク言ってる
(チョコ、あげるだけだろ!?今までの出来事に比べたら、何て事ないじゃない!!)
だけど、不安だった
(ちゃんと受け取ってくれる?)
これを機に、もしかしたら自分の気持ちに気づかれないだろうか
(気持ち悪いよね?そんなの・・・)
柳宿はますます意気消沈した
「・・・あれ?たまは?」
気づけば翼宿が帰って来ていた
「おおおおお帰り!!!!」
派手なリアクションをした
「何か・・・どっか行った」
「ふ~ん」
翼宿はベースの調弦を始めた
「あ・・・のさっ・・・翼宿!!」
「ん?」
「こっち・・・来て」
「???」
柳宿は顔面真っ赤で自分の向かい側に翼宿を誘った
背後では、まだ諦めないファンの歓声が聞こえている
「何したん?」
「あのさっ・・・」
ガトーショコラを取り出す
「これ・・・」
あまりの大きさに両手で渡す
恥ずかしい
ベタすぎる
相手の顔が見れない
暫く沈黙が続いた
「これ、俺に?」
問い掛けられた
柳宿は無言で頷く
「荷物・・・増えるかと思ったんだけどさ・・・渡したくてっ・・・」
どう言葉を繋げたら良いか分からない
すると翼宿はそれを受け取った
「せやったら、今食えばえぇやん」
「えぇ!?」
次の瞬間、翼宿はチョコにかぶりついていた
「翼宿・・・」
「甘」
チョコの感想だった
自分の目の前でチョコを食べてくれてる
しかも、ファンのチョコよりも先にだ
「これ、一人で作ったん?」
「う・・・うん」
翼宿はフッと笑った
「頑張ったな」
心臓が爆発する
何だか凄く特別な気持ちになれた
これが勘違いでもいい
自分は翼宿にとって、ファン以上の存在になれたのだ
「全部・・・食べなさいよ!」
いつも通りの自分に戻る
変に意識したくない
翼宿は、自分をそのままの自分で受け止めてくれるんだ
ハッピーバレンタイン
好きだよ。翼宿・・・