Trick or Treat?
「兄と両親の敵討ちか。またお前にも苦労が増えたな。ヌリコ・・・」
フィアナはまるで他人事の様にあざ笑う
唇を噛み締めてじっと涙を堪えるヌリコをタスキはじっと見つめていた
「ヌリコ・・・」
「あたしは・・・」
フィアナの笑いが止んだ
「あたしは何も出来なかった。大切な大好きな人達が目の前で死んでいったのに何も出来ずに只泣く事しか出来なかった・・・」
その言葉にタスキはぴくっと反応した
「・・・あたしもあんたと同じよ。タスキ・・・」
「ヌ・・・」
「だけどあたしは諦めない。その人達の為に生きる。闘う・・・。そして・・・」
そこでヌリコの言葉はふっと途切れた
「この続きはこいつを倒したら言わせてね・・・」
優しく微笑んだ
「お別れはもうよいか?」
フィアナが痺れを切らしたように鎌を振り上げた
「二人仲良くあの世で成仏しろ・・・」
そこでヌリコは目を閉じた
ママ・・・、パパ・・・、ばあや・・・、兄貴・・・、ホトホリ先生・・・、ホウキ・・・、コウジさん・・・
目を開けた
「タスキ・・・」
手の平に一筋の光が伝った
それは次第に大きくなり全てを照らす程の眩しさに変わった
「何・・・!?」
その眩しさに思わずフィアナの目が眩んだ
「そんなに何でも鎌で反射したいならねぇ・・・、神の光でも反射しなさいよ・・・!!」
「ぐあああああああ」
次第にフィアナの叫びが大きくなった
そう
コウモリは光が苦手だから
「光(コウ)!!」
その瞬間光の玉がフィアナに向かって突撃した
音も無く彼は消え去った
パラパラ・・・
後に残った瓦礫が砂の様に舞った
「タスキ・・・」
蔓から解放されその場に倒れたタスキを抱き起こしヌリコは静かに涙を流した
タスキは生きていた
「・・・やったな・・・。ヌリコ・・・」
「馬鹿・・・」
二人そのままタスキにヌリコが覆い被さる様に抱き合った
「あんた光平気になったじゃない・・・。最初出会った時は太陽の光が嫌いだった癖に・・・」
「それもお前に会って変われたんやな・・・。あぁ・・・、何や?お前が俺に言いたかった事って・・・」
そうだ
ずっとずっと言えなかった言いたかった
魔法の言葉
「あたしね・・・」
そこで一息ついた
「あんたが好き・・・」
相手は何も答えなかった
只頭を撫でられた
お互い笑った
笑い合った
リーンゴーン
魔法学校の終業のチャイムが鳴った
「じゃホウキ!!また夏休み明けにね!!」
「なーに?ヌリコ!またタスキさんとデート???」
「そんなんじゃ無いわよー!」
「ホウキ!」
ヌリコとホウキの会話に割って入ったのは教師のホトホリ
「あ!ホトホリ先生!すみません!すぐに用意します!」
途端に鞄をがさがさと慌てて持つホウキ
「なーに?ホウキ?まさかあんたこそデート?」
「ばれた?」
「大バレ!じゃお二人ともお幸せにーv」
爽やかにその場を去った
「ただいま!!」
「あぁ。ヌリコ。お帰り。また教会に行くのかい?」
家にはばあやがポットにお湯を注いでいた
「うん!あいつまだ怪我治ってないしさ!また家庭科の調理実習持ってお見舞い!!」
「そうかいそうかい。幸せになるんだよ?」
「うん!!」
そう笑うとヌリコは祭壇の前に立った
そこには安らかに眠る両親と
兄
「ママ、パパ、兄貴・・・。行ってきます・・・」
そう手を合わせるとすぐに玄関の扉を開けた
「おぉ!ヌリコはんやないか!」
「コウジさん!!」
丁度教会から出てきたコウジが手招きをした
「また会いに来たんか?あいつ、はようあんたに来て欲しいってだだこねてたで?」
「止めてくださいよ!コウジさん・・・」
「まぁ、これからも宜しくな・・・。あいつの事・・・」
「コウジさんこそこれからも宜しくお願いしますよv」
笑い合うとすれ違いに教会に入った
「タスキ!!」
二人互いを許しあったあの地下室で、タスキは横になっていた
「やっと来たか。待ちくたびれたでー」
「ごめんごめん!」
「あーあ。全く!!外出たいわー!!」
「馬鹿!まだ身体がすっかり良くなってないんだから休養休養!!」
ヌリコは鞄からお弁当を取り出した
「はい!今日の夕食と明朝の朝食!人間界の料理も悪くないでしょ!」
「おぉ!でかしたでヌリコ!腹減ってしょうがなかったんやv」
急に元気になり出したタスキ
彼の好物は今や女の血では無くヌリコの作る弁当になっていた
「これもお前のお陰やな・・・」
「何か言った?」
「別にー。ほなお礼に」
そっと口付けをした
「んなっ!」
「まぁあの時もお前にこれだけはしなかったからなー」
笑うタスキに頬が赤くなるヌリコ
「馬鹿!!何言ってるのよ!!」
派手に叩きすぎてタスキはそのまま地下まで突っ込んでいった
「ごっ、ごめん!!」
「アホ!!俺が何した言うんや!この怪力女!!」
「何ですってー!?」
たくさんたくさん笑い合おう
これからは、ずっとずーっと一緒だよ
だって貴方は、どんな魔法よりも素晴らしい元気と勇気をくれるんだから・・・
フィアナはまるで他人事の様にあざ笑う
唇を噛み締めてじっと涙を堪えるヌリコをタスキはじっと見つめていた
「ヌリコ・・・」
「あたしは・・・」
フィアナの笑いが止んだ
「あたしは何も出来なかった。大切な大好きな人達が目の前で死んでいったのに何も出来ずに只泣く事しか出来なかった・・・」
その言葉にタスキはぴくっと反応した
「・・・あたしもあんたと同じよ。タスキ・・・」
「ヌ・・・」
「だけどあたしは諦めない。その人達の為に生きる。闘う・・・。そして・・・」
そこでヌリコの言葉はふっと途切れた
「この続きはこいつを倒したら言わせてね・・・」
優しく微笑んだ
「お別れはもうよいか?」
フィアナが痺れを切らしたように鎌を振り上げた
「二人仲良くあの世で成仏しろ・・・」
そこでヌリコは目を閉じた
ママ・・・、パパ・・・、ばあや・・・、兄貴・・・、ホトホリ先生・・・、ホウキ・・・、コウジさん・・・
目を開けた
「タスキ・・・」
手の平に一筋の光が伝った
それは次第に大きくなり全てを照らす程の眩しさに変わった
「何・・・!?」
その眩しさに思わずフィアナの目が眩んだ
「そんなに何でも鎌で反射したいならねぇ・・・、神の光でも反射しなさいよ・・・!!」
「ぐあああああああ」
次第にフィアナの叫びが大きくなった
そう
コウモリは光が苦手だから
「光(コウ)!!」
その瞬間光の玉がフィアナに向かって突撃した
音も無く彼は消え去った
パラパラ・・・
後に残った瓦礫が砂の様に舞った
「タスキ・・・」
蔓から解放されその場に倒れたタスキを抱き起こしヌリコは静かに涙を流した
タスキは生きていた
「・・・やったな・・・。ヌリコ・・・」
「馬鹿・・・」
二人そのままタスキにヌリコが覆い被さる様に抱き合った
「あんた光平気になったじゃない・・・。最初出会った時は太陽の光が嫌いだった癖に・・・」
「それもお前に会って変われたんやな・・・。あぁ・・・、何や?お前が俺に言いたかった事って・・・」
そうだ
ずっとずっと言えなかった言いたかった
魔法の言葉
「あたしね・・・」
そこで一息ついた
「あんたが好き・・・」
相手は何も答えなかった
只頭を撫でられた
お互い笑った
笑い合った
リーンゴーン
魔法学校の終業のチャイムが鳴った
「じゃホウキ!!また夏休み明けにね!!」
「なーに?ヌリコ!またタスキさんとデート???」
「そんなんじゃ無いわよー!」
「ホウキ!」
ヌリコとホウキの会話に割って入ったのは教師のホトホリ
「あ!ホトホリ先生!すみません!すぐに用意します!」
途端に鞄をがさがさと慌てて持つホウキ
「なーに?ホウキ?まさかあんたこそデート?」
「ばれた?」
「大バレ!じゃお二人ともお幸せにーv」
爽やかにその場を去った
「ただいま!!」
「あぁ。ヌリコ。お帰り。また教会に行くのかい?」
家にはばあやがポットにお湯を注いでいた
「うん!あいつまだ怪我治ってないしさ!また家庭科の調理実習持ってお見舞い!!」
「そうかいそうかい。幸せになるんだよ?」
「うん!!」
そう笑うとヌリコは祭壇の前に立った
そこには安らかに眠る両親と
兄
「ママ、パパ、兄貴・・・。行ってきます・・・」
そう手を合わせるとすぐに玄関の扉を開けた
「おぉ!ヌリコはんやないか!」
「コウジさん!!」
丁度教会から出てきたコウジが手招きをした
「また会いに来たんか?あいつ、はようあんたに来て欲しいってだだこねてたで?」
「止めてくださいよ!コウジさん・・・」
「まぁ、これからも宜しくな・・・。あいつの事・・・」
「コウジさんこそこれからも宜しくお願いしますよv」
笑い合うとすれ違いに教会に入った
「タスキ!!」
二人互いを許しあったあの地下室で、タスキは横になっていた
「やっと来たか。待ちくたびれたでー」
「ごめんごめん!」
「あーあ。全く!!外出たいわー!!」
「馬鹿!まだ身体がすっかり良くなってないんだから休養休養!!」
ヌリコは鞄からお弁当を取り出した
「はい!今日の夕食と明朝の朝食!人間界の料理も悪くないでしょ!」
「おぉ!でかしたでヌリコ!腹減ってしょうがなかったんやv」
急に元気になり出したタスキ
彼の好物は今や女の血では無くヌリコの作る弁当になっていた
「これもお前のお陰やな・・・」
「何か言った?」
「別にー。ほなお礼に」
そっと口付けをした
「んなっ!」
「まぁあの時もお前にこれだけはしなかったからなー」
笑うタスキに頬が赤くなるヌリコ
「馬鹿!!何言ってるのよ!!」
派手に叩きすぎてタスキはそのまま地下まで突っ込んでいった
「ごっ、ごめん!!」
「アホ!!俺が何した言うんや!この怪力女!!」
「何ですってー!?」
たくさんたくさん笑い合おう
これからは、ずっとずーっと一緒だよ
だって貴方は、どんな魔法よりも素晴らしい元気と勇気をくれるんだから・・・
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