TEACHER×STUDENT
理科室で語り合った過去
体育館で昔に戻れたフリースロー
天国を飛んだ熱気球
何時でも側に居てくれたあいつの笑顔
全てを変えてくれた
あいつとサヨナラ
永遠のサヨナラ
「柳宿!聞いてよ!!翼宿先生がクビになるって!!」
その言葉に瞬時に反応した
何時も硬派で通してきたので、今回も硬派で答えなければならない
「・・・そう・・・」
声が微かに震えていた
「何でも鬼澤殴ったんだってね・・・。やっぱり若い教師って色々有るのかな・・・。あんな奴殴ってくれた方がうちらも清々するんだけどそんな事言ったらあたし達も退学になりかねないんだもんね・・・」
みんな自分の立場しか考えない
どんなに好きな人でも、いざとなれば自分の立場を護ってしまうのだろうか
荒んだ世の中に柳宿は拳を握り締めた
校長室
「翼宿先生・・・」
「・・・・」
「まぁ、しょうがないですな・・・。貴方が今回起こしてしまった事件は・・・」
「分かっとります・・・」
「それで翼宿先生・・・。今後の貴方の処置については・・・」
「・・・・!!」
その言葉を聞いて全身が凍りついた
体育館で緊急集会
翼宿先生のお別れ会
「えー・・・。今回は皆さんに悲しいお知らせがあります・・・」
校長が汗を拭きながらステージで演説
「・・・この度、三年理科担当教師翼宿先生が教師殴打の問題でこの学園を去る事になりました・・・。何でもとある生徒をひいきしていてその生徒と話していた教師をいきなり殴ったそうです」
やっぱり嘘ついた
自分の名誉自分の立場、護りたくて
見ると鬼澤は満足そうに笑みを浮かべていた
唇を噛んだ
足が震えた
「でわ、翼宿先生から一言・・・」
そこで一緒にステージに立っていたスーツ姿の翼宿にマイクが回った
静かに立つ
その場にざわめきが起こった
柳宿も静かに見守る
「・・・今回はみんなに嫌な思いさせてすまんかったな・・・。俺は間違ってた・・・。教師でありながら生徒や他の先生方を見る目が甘かった。せやからこの学園に居る資格なんぞ無いんや・・・」
そんな翼宿を見ていて辛かった
涙が溢れてきた
如何して?如何して嘘つくの?
こいつは、自分の立場なんて関係無いんだ
責任持って、去っていくつもりなんだ
此処に立っているだけの自分が、情けなくなった
「ほんならみんな・・・、元気で・・・」
演説を終えた翼宿がステージを降りていく
そしてゆっくりと出口へ向かう
その後姿は、昨日約束したのに翼宿が永遠に離れていってしまう様な気がした
嫌だ
行かないで
立場が何だ
名誉が何だ
硬派が何だ
自分は翼宿の様に生きられないのか
柳宿は地を蹴った
生徒を掻き分けて
「行かないで!!!」
後姿に呼びかけた
その足が止まった
「あんたは間違ってなんかないわよ!!」
振り返らない
「あんたの生き方が誇らしくて自分が情けないわよ!!あたしは人間はみんな自分の立場護る為に自分偽って生活してるのに如何してあんたはそうなのよ!!」
「おい!」
鬼澤が柳宿の腕を掴んだ
「良いから戻りなさい!!」
鬼澤をキッと睨んだ
「みんなだって本当はこんな教師嫌なんでしょ!?翼宿がみんな好きなんでしょ!?だったら言いなさいよ!退学とかそんなの関係無いでしょ!?間違った事何もしてない!!悪いのはこいつなんだから!」
「いい加減にしなさい!」
昨日とは打って変わった鬼澤
「離しなさいよ!!」
桑島も加わった
「柳宿さん・・・。少し落ち着いて・・・」
生徒達もざわめき出した
「翼宿!!あんたは悪くないわよ!!絶対!!だってあんたはあたしの為に・・・あたしの・・・!」
翼宿は歩き出した
「待って!!」
後姿が小さくなった
「翼宿!!!」
『貴方には別県の学園で教師に勤めてもらいます・・・』
校長から告げられた通告
この県から出て行け
そう聞こえた
側に居られない
あいつに嘘をついてしまった
・・・お前はもっと自由に生きろ。俺の分まで・・・
サヨナラ
俺が愛してしまった生徒
体育館で昔に戻れたフリースロー
天国を飛んだ熱気球
何時でも側に居てくれたあいつの笑顔
全てを変えてくれた
あいつとサヨナラ
永遠のサヨナラ
「柳宿!聞いてよ!!翼宿先生がクビになるって!!」
その言葉に瞬時に反応した
何時も硬派で通してきたので、今回も硬派で答えなければならない
「・・・そう・・・」
声が微かに震えていた
「何でも鬼澤殴ったんだってね・・・。やっぱり若い教師って色々有るのかな・・・。あんな奴殴ってくれた方がうちらも清々するんだけどそんな事言ったらあたし達も退学になりかねないんだもんね・・・」
みんな自分の立場しか考えない
どんなに好きな人でも、いざとなれば自分の立場を護ってしまうのだろうか
荒んだ世の中に柳宿は拳を握り締めた
校長室
「翼宿先生・・・」
「・・・・」
「まぁ、しょうがないですな・・・。貴方が今回起こしてしまった事件は・・・」
「分かっとります・・・」
「それで翼宿先生・・・。今後の貴方の処置については・・・」
「・・・・!!」
その言葉を聞いて全身が凍りついた
体育館で緊急集会
翼宿先生のお別れ会
「えー・・・。今回は皆さんに悲しいお知らせがあります・・・」
校長が汗を拭きながらステージで演説
「・・・この度、三年理科担当教師翼宿先生が教師殴打の問題でこの学園を去る事になりました・・・。何でもとある生徒をひいきしていてその生徒と話していた教師をいきなり殴ったそうです」
やっぱり嘘ついた
自分の名誉自分の立場、護りたくて
見ると鬼澤は満足そうに笑みを浮かべていた
唇を噛んだ
足が震えた
「でわ、翼宿先生から一言・・・」
そこで一緒にステージに立っていたスーツ姿の翼宿にマイクが回った
静かに立つ
その場にざわめきが起こった
柳宿も静かに見守る
「・・・今回はみんなに嫌な思いさせてすまんかったな・・・。俺は間違ってた・・・。教師でありながら生徒や他の先生方を見る目が甘かった。せやからこの学園に居る資格なんぞ無いんや・・・」
そんな翼宿を見ていて辛かった
涙が溢れてきた
如何して?如何して嘘つくの?
こいつは、自分の立場なんて関係無いんだ
責任持って、去っていくつもりなんだ
此処に立っているだけの自分が、情けなくなった
「ほんならみんな・・・、元気で・・・」
演説を終えた翼宿がステージを降りていく
そしてゆっくりと出口へ向かう
その後姿は、昨日約束したのに翼宿が永遠に離れていってしまう様な気がした
嫌だ
行かないで
立場が何だ
名誉が何だ
硬派が何だ
自分は翼宿の様に生きられないのか
柳宿は地を蹴った
生徒を掻き分けて
「行かないで!!!」
後姿に呼びかけた
その足が止まった
「あんたは間違ってなんかないわよ!!」
振り返らない
「あんたの生き方が誇らしくて自分が情けないわよ!!あたしは人間はみんな自分の立場護る為に自分偽って生活してるのに如何してあんたはそうなのよ!!」
「おい!」
鬼澤が柳宿の腕を掴んだ
「良いから戻りなさい!!」
鬼澤をキッと睨んだ
「みんなだって本当はこんな教師嫌なんでしょ!?翼宿がみんな好きなんでしょ!?だったら言いなさいよ!退学とかそんなの関係無いでしょ!?間違った事何もしてない!!悪いのはこいつなんだから!」
「いい加減にしなさい!」
昨日とは打って変わった鬼澤
「離しなさいよ!!」
桑島も加わった
「柳宿さん・・・。少し落ち着いて・・・」
生徒達もざわめき出した
「翼宿!!あんたは悪くないわよ!!絶対!!だってあんたはあたしの為に・・・あたしの・・・!」
翼宿は歩き出した
「待って!!」
後姿が小さくなった
「翼宿!!!」
『貴方には別県の学園で教師に勤めてもらいます・・・』
校長から告げられた通告
この県から出て行け
そう聞こえた
側に居られない
あいつに嘘をついてしまった
・・・お前はもっと自由に生きろ。俺の分まで・・・
サヨナラ
俺が愛してしまった生徒