ENDLESS STORY

「・・・翼宿!!!」
井宿は、錫杖で飛皋の幻を振り払った
途端に、それは花びらとなり舞った
「花びら・・・舞花・・・!!!」
「井宿!!」
「星宿様!?」
「よかった・・・無事だったのだな!!」
「星宿様こそ・・・お怪我はありませんか?」
「ああ・・・柳宿の偽者にまんまとやられるところだったよ」
「これは・・・舞花が作り出した幻だと思いますのだ・・・」
「そうだな。翼宿の声が聞こえた・・・」
「早く、他のみんなを探さないと・・・」

「・・・!!!!少華・・・!!!!」
軫宿は途端に左手を突き出した
すると、少華は悲鳴をあげ、花びらと化して舞った
「・・・何だ・・・?術は封じられてる筈なのに・・・」
その左手に文字は出ていない
しかし、さっき左手に感じた・・・まるで翼宿に送られたような熱い力を・・・
「軫宿さん!!!!」
張宿の・・・弟の声が聞こえて振り向く
「張宿・・・!!!」
「軫宿さん!!!」
二人は、抱き合った
「大丈夫か・・・?怖かったな」
大きな優しい手
兄の手
「さっき・・・お化けに追いかけられて必死で逃げて・・・でも、遂に転んで・・・襲われそうになった時に・・・ゾンビが苦しそうにうめいてみんな花びらになりました・・・」
「そうか・・・。全部罠だったんだな。とりあえず無事でよかった・・・」


「舞花・・・」
豪焔の机に置いてあった花瓶の花びらが全て散った
「・・・倒されたか」
「みんな・・・」
「残念だが、朱雀の巫女。七星の苦しむ姿は見られなかったようだな」
豪焔は、ゆっくりと立ち上がる
「しかし、いささかつまらぬ・・・遂に私の出番が来たようだ」
豪焔の右手が、美朱の背後に向かって伸びた
ドン
途端に、朱雀七星の6人が倒れこんだ
「みんな!!」
「たすき!!ぬりこ!!」
「ここは・・・!!」
「豪焔・・・やっと辿り着いたんか・・・!!!!」
6人は、構えた
「さぁ、朱雀七星。最後の・・・闘いだ」
豪焔は、今度は月へ向かって手を伸ばした
すると、信じられない事にみるみる内に下弦の月が満月へと形を変えていく
「あれは・・・!!」
井宿が、叫んだ
すると、豪焔の体からたくさんの手足が突き出てきた
そして、体には横縞の模様が付いて・・・その姿は、まるで巨大な蜘蛛のようだった
「朱雀七星・・・朱雀星君・・・!!!私が・・・倒す!!!!」

ドドドドドドドドド

途端に、七星の足元から大量の蜘蛛の糸が生え出した
「みんな!!!」
「何やこりゃあ!!!」
七星は、あっという間に絡め取られた
「さぁ・・・誰から料理しようか・・・?」
豪焔は、舌なめずりをした
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