ENDLESS STORY
「光~こっちぃ!!」
雪の弾けるような笑顔につられて、光は花畑に来ていた
どうも、この地方の女の子は花畑が好きなようだ
前に玲春も、自分を花畑に連れてきてくれた
「雪ちゃん・・・元気そうで安心したよ」
「雪の事・・・心配してくれてたの?」
「そうだよ・・・。だって、僕と同い年の子だもん・・・」
雪は、嬉しそうに笑う
「ありがとv光って、優しいんだねv」
その笑顔に、光はときめく
「あ・・・あの・・・」
「たすき・・・元気・・・?」
その言葉に、光は出かかった言葉を抑えた
「あ・・・翼宿兄ちゃん・・・元気だよ・・・」
「そっか・・・。雪、随分、たすきに迷惑かけちゃったなぁって・・・」
「そんな事ないよ。翼宿兄ちゃんだって、雪ちゃんの事心配してたよ?」
「本当・・・?」
「うん。きっと・・・また、会いに来てくれるんじゃないかな・・・」
これは、きっと嫉妬だ
光は・・・そう思った
月が昇り始めた頃に、二人は家に戻った
「光!!いつまで、遊んでいるのだ!!夕方には帰るようにと言っただろう?」
「ごめんなさい・・・」
「井宿さん!!許してあげて!!一緒に、四葉探してたの!!光・・・凄い一生懸命探してくれたんだよ!!・・・見つからなかったけど」
「・・・そうか。では、これでお暇しますのだ・・・。どうも、長居してしまって、すみませんでした」
「いいのよぉvまた、遊びに来てくださいねぇv光君も!!」
翼宿の母親は、そう言って微笑んだ
「・・・・・・・・・・・でも、一人だけお客さんが残っていたのだ」
井宿は、指を鳴らした
ガサガサッ
「どわぁっ!!!」
途端に、大木の上の翼宿が落ちてきた
「た・・・たすきっ!?」
「まったく・・・バレバレなのだ。このおいらを騙せると思っていたのか?」
「ドアホ!!これでも、俺も頭使ったんじゃ!!」
「俊宇!!また、こんなトコで油売っとったんやな!!??」
「いたた・・・姉ちゃん、許して・・・」
「たすき・・・」
雪は、翼宿に近寄った
「・・・おう。元気してたか・・・?」
翼宿は、頭を掻きながら尋ねた
「うん・・・。たすきも・・・相変わらず馬鹿だね・・・」
「おまっ・・・餓鬼の癖にナメた事・・・」
「井宿さん」
雪は、振り返った
「お願い・・・。10分でいいんだ。たすきと話がしたい」
井宿は、ため息をついた
「・・・そうなると思っていたのだ」
鈴虫が遠くで鳴いている
少し家から離れた高台の上に、翼宿と雪は並んで座った
「・・・ちゃんと、オカンの言う事聞いとるか?」
「うん・・・。聞いてるよ。たすきのお母さんもお姉さんも凄くいい人だね・・・」
「さよかぁ?俺には、ちっともえぇ人やあらへん」
「それは、たすきがいい子じゃないからでしょ?」
「だああっ!!じゃっかあしいわ!!」
雪は、嬉しそうに笑う
「・・・まだ、母ちゃん迎えに来んか?」
「・・・うん」
「さよか・・・。もう少しや。きっと、迎えに来たるやろ」
「だけどね・・・雪、今のままでも幸せだよ?」
「何で・・・」
「だって、たすきの近くにいられるもん」
「・・・・・・・・阿呆」
まだ、雪の中には翼宿への淡い恋心が残っていた
「・・・俺を落とそうったって・・・十年早いで」
翼宿にも、何となくそれは分かっていた
「分かってるよ・・・。雪、邪魔しないよ。ぬりことたすきの事・・・」
「ばっ・・・別にそんなんじゃ・・・」
「たすき、ぬりこと離れて寂しくないの?」
いつか言っていた
柳宿は、遠くの国の人で、翼宿もいつかは離れなければいけないと
「・・・寂しくないで」
「・・・どうして?」
「せやなぁ・・・。約束したんや。心は離れないって」
「心は・・・離れない?」
「せや。お互い思ってればな・・・きっと、心は離れないんや」
「・・・そうなんだ」
雪は、羨ましそうに翼宿を見た
「・・・・・たすき。雪の事・・・忘れないでいてくれる?」
「は?何言うとんねん?」
「だって・・・」
「あーあーあー。嫉妬か!!」
「ちっ・・・違う・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだよ」
翼宿は吹き出すと、雪の頭を撫でた
「・・・・・・・・・・・・・忘れられんわ。今日は、誰に会いに来た思うとんねん?」
「・・・光。楽しかったのだ?」
翼宿の家の庭で、光と井宿の二人は翼宿達の帰りを待っていた
「うん・・・。だけど、まだまだだなぁ、僕。結局、翼宿兄ちゃんにいいトコ持ってかれちゃって・・・」
「すまないのだ・・・。おいらも、気が利かなかったのだ?」
「いいよ。雪ちゃんも、翼宿兄ちゃんに会いたがってたし」
光は、無理に笑う
「四葉・・・探せなかったのだね?残念だったのだ・・・」
「うん・・・」
これで、お別れなのだ
「ごめんなさい・・・。僕・・・最後に探してくる・・・四葉・・・もう一度・・・」
「え・・・?」
「すぐ戻ります・・・。だから、少しだけ待ってて・・・」
光は、そう言うと走り出した
「待つのだ、光!!一人では危ないのだ!!」
次の瞬間・・・光の姿は霧に包まれた
「しまったのだ・・・!!」
幸福の時間は、次の瞬間・・・不幸の時間へと変わる
雪の弾けるような笑顔につられて、光は花畑に来ていた
どうも、この地方の女の子は花畑が好きなようだ
前に玲春も、自分を花畑に連れてきてくれた
「雪ちゃん・・・元気そうで安心したよ」
「雪の事・・・心配してくれてたの?」
「そうだよ・・・。だって、僕と同い年の子だもん・・・」
雪は、嬉しそうに笑う
「ありがとv光って、優しいんだねv」
その笑顔に、光はときめく
「あ・・・あの・・・」
「たすき・・・元気・・・?」
その言葉に、光は出かかった言葉を抑えた
「あ・・・翼宿兄ちゃん・・・元気だよ・・・」
「そっか・・・。雪、随分、たすきに迷惑かけちゃったなぁって・・・」
「そんな事ないよ。翼宿兄ちゃんだって、雪ちゃんの事心配してたよ?」
「本当・・・?」
「うん。きっと・・・また、会いに来てくれるんじゃないかな・・・」
これは、きっと嫉妬だ
光は・・・そう思った
月が昇り始めた頃に、二人は家に戻った
「光!!いつまで、遊んでいるのだ!!夕方には帰るようにと言っただろう?」
「ごめんなさい・・・」
「井宿さん!!許してあげて!!一緒に、四葉探してたの!!光・・・凄い一生懸命探してくれたんだよ!!・・・見つからなかったけど」
「・・・そうか。では、これでお暇しますのだ・・・。どうも、長居してしまって、すみませんでした」
「いいのよぉvまた、遊びに来てくださいねぇv光君も!!」
翼宿の母親は、そう言って微笑んだ
「・・・・・・・・・・・でも、一人だけお客さんが残っていたのだ」
井宿は、指を鳴らした
ガサガサッ
「どわぁっ!!!」
途端に、大木の上の翼宿が落ちてきた
「た・・・たすきっ!?」
「まったく・・・バレバレなのだ。このおいらを騙せると思っていたのか?」
「ドアホ!!これでも、俺も頭使ったんじゃ!!」
「俊宇!!また、こんなトコで油売っとったんやな!!??」
「いたた・・・姉ちゃん、許して・・・」
「たすき・・・」
雪は、翼宿に近寄った
「・・・おう。元気してたか・・・?」
翼宿は、頭を掻きながら尋ねた
「うん・・・。たすきも・・・相変わらず馬鹿だね・・・」
「おまっ・・・餓鬼の癖にナメた事・・・」
「井宿さん」
雪は、振り返った
「お願い・・・。10分でいいんだ。たすきと話がしたい」
井宿は、ため息をついた
「・・・そうなると思っていたのだ」
鈴虫が遠くで鳴いている
少し家から離れた高台の上に、翼宿と雪は並んで座った
「・・・ちゃんと、オカンの言う事聞いとるか?」
「うん・・・。聞いてるよ。たすきのお母さんもお姉さんも凄くいい人だね・・・」
「さよかぁ?俺には、ちっともえぇ人やあらへん」
「それは、たすきがいい子じゃないからでしょ?」
「だああっ!!じゃっかあしいわ!!」
雪は、嬉しそうに笑う
「・・・まだ、母ちゃん迎えに来んか?」
「・・・うん」
「さよか・・・。もう少しや。きっと、迎えに来たるやろ」
「だけどね・・・雪、今のままでも幸せだよ?」
「何で・・・」
「だって、たすきの近くにいられるもん」
「・・・・・・・・阿呆」
まだ、雪の中には翼宿への淡い恋心が残っていた
「・・・俺を落とそうったって・・・十年早いで」
翼宿にも、何となくそれは分かっていた
「分かってるよ・・・。雪、邪魔しないよ。ぬりことたすきの事・・・」
「ばっ・・・別にそんなんじゃ・・・」
「たすき、ぬりこと離れて寂しくないの?」
いつか言っていた
柳宿は、遠くの国の人で、翼宿もいつかは離れなければいけないと
「・・・寂しくないで」
「・・・どうして?」
「せやなぁ・・・。約束したんや。心は離れないって」
「心は・・・離れない?」
「せや。お互い思ってればな・・・きっと、心は離れないんや」
「・・・そうなんだ」
雪は、羨ましそうに翼宿を見た
「・・・・・たすき。雪の事・・・忘れないでいてくれる?」
「は?何言うとんねん?」
「だって・・・」
「あーあーあー。嫉妬か!!」
「ちっ・・・違う・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだよ」
翼宿は吹き出すと、雪の頭を撫でた
「・・・・・・・・・・・・・忘れられんわ。今日は、誰に会いに来た思うとんねん?」
「・・・光。楽しかったのだ?」
翼宿の家の庭で、光と井宿の二人は翼宿達の帰りを待っていた
「うん・・・。だけど、まだまだだなぁ、僕。結局、翼宿兄ちゃんにいいトコ持ってかれちゃって・・・」
「すまないのだ・・・。おいらも、気が利かなかったのだ?」
「いいよ。雪ちゃんも、翼宿兄ちゃんに会いたがってたし」
光は、無理に笑う
「四葉・・・探せなかったのだね?残念だったのだ・・・」
「うん・・・」
これで、お別れなのだ
「ごめんなさい・・・。僕・・・最後に探してくる・・・四葉・・・もう一度・・・」
「え・・・?」
「すぐ戻ります・・・。だから、少しだけ待ってて・・・」
光は、そう言うと走り出した
「待つのだ、光!!一人では危ないのだ!!」
次の瞬間・・・光の姿は霧に包まれた
「しまったのだ・・・!!」
幸福の時間は、次の瞬間・・・不幸の時間へと変わる