ENDLESS STORY

「雪~雪!!」
柳宿は繁華街を駆け回る
「おぉ~姉ちゃん!!べっぴんじゃないか!!俺らと遊ばない~?」
「結構です!!ちょっとどいてよ!!」
柳宿は絡んでくる男を片手で始末した

「大変よ!!「朱鳳宿園」の前で、喧嘩よ!!」

女将の叫び声のする方向に、柳宿は駈け出した

バキッ ドカッ
凄まじい音
殴り合いを繰り広げているのは、大好きな
「たすき・・・」
「なっ・・・貴様っ・・・」
「お前は・・・雪がどんな思いで・・・あんたから逃げたと思うてたんや!!!!」
大事な妹をよくも・・・許さない
「翼宿っ!!」
柳宿が横から押さえつける
「やめなさい!!大事にしたいの!?」
しかし、翼宿の険しい表情は緩まない
「翼宿!!翼宿!!ちょっと聞いてんの!?」
バシッ
柳宿はすぐさま、男と引き離し、翼宿のその頬を打った
「・・・何なんだ!!貴様ら!!警吏を呼ぶぞ!!覚えていろ!!」
男がそそくさと逃げて行き、その場の者は呆気に取られていた
「たすき!!たすき・・・大丈夫!?」
「柳宿・・・貴様、思いきり殴りよって・・・」
それは、いつもの翼宿だった

柳宿は部屋で雪の頬に布を当てていた
「これでとりあえず大丈夫・・・後で軫宿に治してもらおうね?」
「うん・・・」
雪は案の定項垂れている
「ショックだったかもしれないけど・・・翼宿が護ってくれたでしょ・・・?」
「うん・・・」
雪の目には涙がいっぱい溜まっていた
「大丈夫・・・もう大丈夫だからね」
そんな小さな体を柳宿は抱き寄せた
雪の震えは止まらなかった
33/56ページ
スキ