ENDLESS STORY

「誰やお前は!!」
「我が名は、蛇蝋。豪焔様の手下だ。軫宿は貰った」
「誰があんたなんかに渡すもんですか!!軫宿を離しなさい!!」
「柳宿は、雪と少華を頼むわ!!」
翼宿が地を蹴る

「おっと。こっちも逃がしませんよ」
「・・・あんたは!!」
柳宿の前に立ちはだかったのは、舞花だった
「その餓鬼共諸共あんたも倒しますけん」
舞花は、扇子を柳宿に突きつけた
途端に花びらが舞う
「これは・・・!!雪!!少華!!吸わないで・・・!!」
そのまま柳宿は崩れ落ちた
「ぬりこ!!」
「はははっ・・・吸い込め!!息が出来なくなるくらい!!」

「おんどれ!!くらえやぁ!!烈火神焔!!」
しかし、翼宿の炎は、蛇に弾かれた
代わりにもう一匹の蛇が翼宿の腕に絡みつく
「どわあ!!気持ち悪!!」
「翼宿!!」
「この蛇、勿論ただの蛇ではない・・・」
その蛇が翼宿の腕に噛み付く
「ぐっ・・・!!!」
「苦しめ。苦しむのだ・・・朱雀七星・・・」
(くそ・・・!!手が出ぇへん・・・!!どないすればえぇんや・・・!!)
意識が遠のく中、誰かの声が聞こえた

『翼宿!!しっかりしろ!!」

誰や・・・?魏・・・鬼宿・・・?
腕の朱文字が輝いた

「俺を・・・ナメんなやぁ!!!」

鉄扇を構える

「烈火神焔!!!!」

「何・・・!?」

その炎は蛇ごと蛇蝋を燃やした
「ぐあああ!!!!」
「蛇蝋!!!」
舞花は、そのまま花びらと共に消え去った

翼宿は、長生をその腕にしっかりと抱きとめた
「危機一髪や・・・」
「たすき!!」
柳宿はぐったりしている
「柳宿!!くそ!!あの女の花粉を吸ったんやな!?」
『診せてみろ』
長生の中から声が聞こえてきた
「やっと・・・出てきよったか!!」
軫宿の体が浮かび上がる
すぐさま左手を翳すと、赤い光が柳宿を包み込んだ
「ん・・・」
「柳宿!!いけるか!?」
「軫宿・・・翼宿。みんな無事だったのね・・・」
「ああ。何や頭ん中で声がしてな・・・気づいたらあいつが吹っ飛んで行きよった・・・」

それは、誰も気づかなかった翼宿の中の新しい力だった
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