ENDLESS STORY

「お父さんに・・・暴力をふるわれてるの?」
柳宿は、深刻そうに尋ねる
「雪・・・ママが家出して・・・パパと二人で暮らしてたんだけど・・・最近、パパが雪を殴るようになって・・・それで、家を飛び出してきたの・・・」
見ると、雪の腕や足に痣がついている
「・・・・・とりあえず、今夜は宿に泊まらせてやろうや」
「そうね・・・」
さすがに翼宿もそんな少女を放っておけなくなった
「じゃあ、明日まで休んで明日は、私達と一緒に紅南に出ましょう?あんた、お母さんなら平気なのよね?」
雪は恐る恐る頷いたが、翼宿はそんな雪の態度を見逃さなかった

その夜は、3人で泊まる事になる
雪、翼宿、柳宿の順で眠る
しかし、やはり雪は中々寝付けなかった
すると
「雪・・・起きてるか?」
翼宿が声をかけた
「うん・・・」
「眠れへんか?」
「うん・・・・・・たすきも?」
「ああ。何や落ち着かん」
「・・・・・・・・・・・・・・」

「お前、ホンマは母ちゃんトコにも帰りたくないんやないか?」

「・・・・・え?」
「怖いんか?」
「うん・・・・・・だって、雪がいい子にしてなかったから、ママはどこかに行っちゃったんでしょ・・・?ママだって・・・雪の事嫌いなんだよ・・・」
雪が涙声になる
すると、翼宿が振り返る
「・・・・・んな事あらん。きっと話せば分かってくれるやろ。分かってくれるまで、俺らついとるから」
「・・・・・・・・・・・・・たすき」
やっと助けてくれた騎士はとっても暖かくて広い心の持ち主だった
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