ENDLESS STORY

「あたしの力が必要って、どういう事ですか?」
「簡単に言えば、四神召喚を行うのです。今、あちらの世界は負の力に支配されていると思います。多分七星士だけでは、その負の力の根源を食い止める事は出来ないでしょう。そこで、四神の巫女をこの地に集め、四神の力を借りる事によって、鬼宿に力を託す。その反動で鬼宿を巻物の中に入らせる事が出来れば、魔神の手下・・・負の力を抑える事が出来る筈です」
「四神・・・だけど、多喜子さんと鈴乃さんはもう既に亡くなって・・・」
コトン
満は、懐から小さな小瓶を取り出した
「もうこんな物しか残っていませんが・・・多喜子の遺骨です」
「満さん・・・」
「多喜子もお世話になった物語を悪で染めるのは許さない。私も協力します」
「ありがとうございます・・・満さん!!」
「遺骨のひとかけらでもあれば、召喚には使えると思いますよ」
「よし!!俺が東京に戻って、鈴乃さんの遺骨を取りに行ってくるよ!!」
「え・・・魏・・・」
「奎介さんと哲也さん・・・それに唯は、ここで満さんと召喚の準備をしていてくれ!!」
「お前、一人で平気か?」
「こういう話は・・・俺が頼みに行くしかないよ。七星士であるこの俺が・・・」
それが、今の自分に出来る事だから


「井宿は・・・まだ目を覚まさないの?星宿」
「ああ・・・。あれからずっと眠ったままだ」
「ママ・・・井宿兄ちゃんどうなっちゃうの?」
井宿が眠る寝台を囲んで心配そうにする美朱と星宿、それに光
「蠱毒は、以前よりも進化していると見える。目を覚まさないという事は、鬼宿にはなかったからな」
卑怯な手だ。七星の中で一番強い井宿にその薬を使うなんて
「とにかく・・・こっちはこっちでまた・・・別の方法を考えないと・・・」
「おいこら!!柳宿!!まだじっとしてろて・・・」
「井宿は!?」
「柳宿!!もう大丈夫なの?」
「平気よ!!これくらいでやられてたまるもんですか!!」
途端に隣の部屋から柳宿が飛び出してきた
「それより、美朱!!あたしと翼宿で今から軫宿と張宿を探しに行ってくるわ!!」
「え・・・?」
「美朱と光は、井宿についてあげてて!!井宿が目を覚ましたら、瞬間移動で追いついてもらえばいいわ!!星宿様!!しっかり二人を護ってあげてくださいな!!」
「あ・・・あぁ」
「てな訳で、行くわよ!!翼宿!!」
「何やむちゃくちゃやで~・・・」
柳宿は一人張り切って、翼宿を半ば強引に連れ出した
「だ・・・大丈夫かなぁ・・・。あの二人・・・」

双方はこうやって引き裂かれてしまったのだ
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