ENDLESS STORY

ピンポーン
「すみません!!誰かいませんか!?」
「んー・・・お留守なのか・・・はたまた誰も住んでいないのか」
必死に扉を叩く魏を尻目に、奎介が呟く
「せっかく盛岡まで来たっていうのになぁ・・・」
哲也も頭をかく
「ここまで来て・・・手がかりなしで戻るのは・・・俺どうしても嫌だよ・・・」
「魏・・・」
すると、扉がガタガタと開いた
「!!!」
「誰ですか・・・?こんな家に今更客など・・・」
中年の男性だった


「じゃあ、おいら達が天コウを倒した事によって、魔神の子孫が復讐をしようとしているという事なのだな?翼宿」
「ああ。あの豪焔とかゆーいけすかん主犯格がそう言いよった。ったく・・・えぇ迷惑やで」
「となると・・・やっぱり張宿と軫宿が危ないね」
「どうするの・・・?井宿」
「おいら達で何とか二人を呼び出せないかやってみるのだ」
井宿が札を取り出す
「今夜・・・ここで二人を呼び出す儀式を試みてみる。もしかしたら・・・みんなの気で呼び出せるかもしれないのだ」
皆が頷き合った
すると、井宿の懐から玉が飛び出してきた
「にゃーんv」
その玉が変形し、娘娘に変化した
「娘娘!!」
「久しぶりなのね。みっあかーv」
「どうしたのだ?娘娘」
「太一君に言われたね!!星宿と柳宿、霊体では何かと不便だと思うね!!娘娘の体を貸すね!!」
「あ・・・ありがとう。娘娘!!」
「それは、助かる」
「太極山も負の力が強くなってきてるね・・・。井宿。みんなを頼むね!!」
「分かったのだ!!」
そのやりとりに、翼宿の鼓動が鳴った
(てー事は、俺は・・・柳宿に触れられるんか?)
期待していたものが今、現実となったのだ

「翼宿」
そんな中、柳宿が声をかけてきた
「なっ・・・何や!?」
「あたしさ・・・その・・・相談が・・・」
その顔に、翼宿は一瞬で感づいた
「あ~まさか、お前まだ星宿様と仲直りしてへんな?」
黙って柳宿は頷く
「その・・・タイミングが掴めなくて」
「そんなんじゃ、今夜の儀式も集中出来ひんやないか!!今から謝ってこい!!」
「んー・・・分かったわよ」
「よし!!」
子供みたいに笑う翼宿に、なぜか柳宿はチクリと傷むものがあった

コンコン
「星宿様・・・柳宿です。お話がありまして・・・」
「入れ」
星宿は、即答した
「あの・・・昨日は・・・」
「すまなかった」
「え・・・?」
「私は、お前を護る事が出来なかった。一度目で安心しきってしまっていた・・・許してほしい」
「そんな事・・・星宿様は私達を護る為に、一人で魔神の手下と戦われたのでしょう?」
「・・・・・・しかし」
「気にしておりません。私こそ・・・勝手に外へ出てしまってすみませんでした」

「・・・好きになったか?翼宿の事」

「え・・・?」
「好きになっただろう・・・?」
「星宿様・・・?」

突然の問い


井宿は、汗を拭いながら大広間で一つ一つの札に念を込めていた
朱雀陣を作る為だ
しかし、相当の体力を消耗する
「後一枚なのだ・・・」
すると、嫌な香りが舞った
「誰なのだ!?」
振り向くと、天窓に怪しい影
「井宿はん・・・働きすぎはいけませんなぁ」
目が眩んで顔が見えない
「お疲れ・・・取ってさしあげましょか?」
花びらが舞う
その隙に・・・その女は井宿に接吻をしていた
熱い液体が流れ込む
井宿は、すぐさまその女を突き飛ばした

「美味いでっしゃろ・・・?蠱毒言いますねん・・・。それで仲間をボロボロに傷つけなされ・・・」

井宿は、ある程度苦しんだが、次の瞬間、目の色が変わった
19/56ページ
スキ