柚子ドロップス
パタパタ
早朝、一人の少年が紅南国宮殿を駆けていた
「玲春!起きているか?」
「皇帝様?あれ・・・あたし、どうして・・・」
「昨夜翼宿の傍で寝てしまっていたから、宮殿の者に玲春の部屋まで運ばせたのだよ」
「あ・・・ごめんなさい」
翼宿の看病につきっきりだったつもりが、気付けば玲春は自分の部屋で寝ていたのだ
「翼宿が目を覚ましたぞ!」
「本当ですか!?」
今度は、玲春が宮殿の広い廊下を駆け出した
「翼宿!翼宿!」
玲春が部屋に飛び込むと、そこには包帯を巻きなおす翼宿の姿
「・・・・・・・騒がしいなあ。外まで丸聞こえやんか」
「あんた・・・もう大丈夫なの!?」
「ああ。こんなん山で負ってた傷に比べれば、何ともあらへん」
「よかった・・・あ。包帯くらいあたしが・・・」
翼宿は、その手をやんわりと避けた
「え・・・」
「餓鬼やないし・・・一人でも出来るわ」
「あ・・・ごめん」
いつもと様子が違う
そっけない翼宿がそこにいた
「もう・・・倶東に向かわれてしまうのか?」
「ええ・・・早いとこ俺の用事済ませて黒炎を退治せなあかんので」
「そうか。何かあれば、いつでも戻ってきていいのだよ」
「ありがとうございます。世話になりました」
「玲春も・・・くれぐれも無理をせんようにな」
「皇帝様・・・ありがとうございます。いつか我が家の着物をたくさん届けに参りますね」
「楽しみにしている」
ヒヒーン
紅南国宮殿から、翼宿と玲春は旅立つ事になった
馬の鳴き声と共に、2人はその場を後にした
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
馬の背中では、2人は終始無言
(もしかして・・・昨夜のあれ・・・見られた?)
玲春は、薄々勘付いていた
早く誤解を解かなければ
「あの・・・」
「玲春」
「はい!?」
「・・・・・・・・・・・・お前、柳宿の意識が戻りかけてるんやないか?」
「え・・・?」
「昨日、俺が刺された時に感じた。確かに柳宿の気を・・・」
「そういえば・・・」
すっかり忘れていた
聞こえたのだ。確かにあの時、体の中から柳宿の声が・・・
「それがええ事なんか悪い事なんかは分からんが・・・最終的に俺がおらんでもお前は自分の身を護れるようになってくれればお前にとってはええ事かもしれんぞ」
「え・・・?」
それは、もう自分は翼宿の傍にいるべきではないという事なのか?
「・・・・・・・・・・・・どうした?」
ドサッ
馬から、勢いよく玲春は転げ落ちた
「・・・・・・・・玲春!?お前、何やっとんねん!?」
「何よそれ・・・どうせ、あたしはあんたの足手まといになってる事くらい分かってたわよ!」
「は・・・そういう意味やのうて・・・」
「そりゃあそうよね。あたしはあんたの背中についていく義理は何もない!余計危険な目に遭わせてるんだから・・・」
「玲春・・・」
「自分の体くらい自分で護れって・・・そんなの・・・柳宿さんの力借りなくたって自分で出来るわよ!もういい!ここにあたしを置いて、翼宿は一人で行って!」
「何言うてるん・・・おい、そっちは危ない・・・」
ガラガラッ
「え・・・」
足場が崩れた
「玲・・・・・・・・・・・・・・・・」
翼宿の手は、玲春の手を掠めた
そのまま、玲春は崖下へ身を奪われた
「玲春!!!!!!!!!!!!!!」
早朝、一人の少年が紅南国宮殿を駆けていた
「玲春!起きているか?」
「皇帝様?あれ・・・あたし、どうして・・・」
「昨夜翼宿の傍で寝てしまっていたから、宮殿の者に玲春の部屋まで運ばせたのだよ」
「あ・・・ごめんなさい」
翼宿の看病につきっきりだったつもりが、気付けば玲春は自分の部屋で寝ていたのだ
「翼宿が目を覚ましたぞ!」
「本当ですか!?」
今度は、玲春が宮殿の広い廊下を駆け出した
「翼宿!翼宿!」
玲春が部屋に飛び込むと、そこには包帯を巻きなおす翼宿の姿
「・・・・・・・騒がしいなあ。外まで丸聞こえやんか」
「あんた・・・もう大丈夫なの!?」
「ああ。こんなん山で負ってた傷に比べれば、何ともあらへん」
「よかった・・・あ。包帯くらいあたしが・・・」
翼宿は、その手をやんわりと避けた
「え・・・」
「餓鬼やないし・・・一人でも出来るわ」
「あ・・・ごめん」
いつもと様子が違う
そっけない翼宿がそこにいた
「もう・・・倶東に向かわれてしまうのか?」
「ええ・・・早いとこ俺の用事済ませて黒炎を退治せなあかんので」
「そうか。何かあれば、いつでも戻ってきていいのだよ」
「ありがとうございます。世話になりました」
「玲春も・・・くれぐれも無理をせんようにな」
「皇帝様・・・ありがとうございます。いつか我が家の着物をたくさん届けに参りますね」
「楽しみにしている」
ヒヒーン
紅南国宮殿から、翼宿と玲春は旅立つ事になった
馬の鳴き声と共に、2人はその場を後にした
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
馬の背中では、2人は終始無言
(もしかして・・・昨夜のあれ・・・見られた?)
玲春は、薄々勘付いていた
早く誤解を解かなければ
「あの・・・」
「玲春」
「はい!?」
「・・・・・・・・・・・・お前、柳宿の意識が戻りかけてるんやないか?」
「え・・・?」
「昨日、俺が刺された時に感じた。確かに柳宿の気を・・・」
「そういえば・・・」
すっかり忘れていた
聞こえたのだ。確かにあの時、体の中から柳宿の声が・・・
「それがええ事なんか悪い事なんかは分からんが・・・最終的に俺がおらんでもお前は自分の身を護れるようになってくれればお前にとってはええ事かもしれんぞ」
「え・・・?」
それは、もう自分は翼宿の傍にいるべきではないという事なのか?
「・・・・・・・・・・・・どうした?」
ドサッ
馬から、勢いよく玲春は転げ落ちた
「・・・・・・・・玲春!?お前、何やっとんねん!?」
「何よそれ・・・どうせ、あたしはあんたの足手まといになってる事くらい分かってたわよ!」
「は・・・そういう意味やのうて・・・」
「そりゃあそうよね。あたしはあんたの背中についていく義理は何もない!余計危険な目に遭わせてるんだから・・・」
「玲春・・・」
「自分の体くらい自分で護れって・・・そんなの・・・柳宿さんの力借りなくたって自分で出来るわよ!もういい!ここにあたしを置いて、翼宿は一人で行って!」
「何言うてるん・・・おい、そっちは危ない・・・」
ガラガラッ
「え・・・」
足場が崩れた
「玲・・・・・・・・・・・・・・・・」
翼宿の手は、玲春の手を掠めた
そのまま、玲春は崖下へ身を奪われた
「玲春!!!!!!!!!!!!!!」