柚子ドロップス
カァンカァン
「行け!一刻も早く、玲春を捉えろ!」
西廊の軍が、皆一斉に玲春に向かって駆け出していく
「絶対に我らの姫に手出しはさせん!」
それを必死に食い止める紅南の軍
それはかつて、朱雀の巫女を護ろうとした国の姿勢と同じものだった
「どうしよう・・・あたしのせいで・・・こんなにもたくさんの人達が・・・」
これほどまでに規模の大きい戦というものを、玲春はまだ見た事がなかった
「玲春様。お気を確かに。あなたは何も悪くありません」
七星の運命は、一生玲春の身に付きまとう
「ちっ!また、偉い数の軍を集めよったな!西廊の奴らも!」
グサッ
芒辰が、一人の兵を捕らえて叫ぶ
「吐け!なぜ今頃になって、西廊は我々に侵略を!?」
「へへへ・・・皇帝はずっと紅南の力を欲していた。その代は幾度となく代わったが、遂に侵略を実行に移す皇帝になっただけの事よ」
西廊は、紅南がずっと妬ましかった
同じように民を愛し前向きに国の繁栄に尽力してきたが、紅南のようにいかない国政を何代にも渡り西廊は不満に思っていた
その結果、紅南をなくし西廊を国の発展の中心地にしようと目論んだのだ
「なぜにそんな事を・・・手を取り合っていけばよいだけの事ではないか」
いつしか羨ましさは妬みに変わり、憎悪へと形さえも変えてしまったのだ
「今更嘆いてももう遅い・・・大人しく我々に服従しろ!」
背後から、もう一人の兵士が芒辰に襲い掛かる
カキィン
その剣は、翼宿によって蹴り飛ばされた
「皇帝!悔しいですけど、この数を説得しようとしても埒があきません!片っ端から片付けるしか・・・」
国を純粋に思う芒辰のひたむきさは父親譲りではあったが、それをコントロールするのは野心のある翼宿の役目だった
「そうだったな・・・すまぬ」
何人かの兵士が倒れていく
「翼宿・・・お願い。止めて・・・」
祈るしか出来ない玲春
そこへ
「貴様が死ねば、この戦は止められるのだぞ」
黒炎が姿を現した
「あ・・・」
誰も、その異変には気付いていない
「わたしも驚いたよ。皇帝がこんなに目立つ行動に出るとは。わたしだけに任せていればいいものを。まあ、ついでに国に対しての宣戦布告ってところだろうか」
恐怖で体が動かない
「君は朱雀七星である前に、普通の少女。さすがにこの光景は応えたかな」
ゆっくりと剣が掲げられる
「さあ・・・わたしの手柄にさせておくれ」
きゅっと目を瞑る
グサッ
鈍い音
それはいつも自分を護ってくれた広い背中
「あ・・・・・・・・・・」
翼宿
「無事か・・・?玲春・・・」
そのまま、彼はゆっくりと倒れた
「行け!一刻も早く、玲春を捉えろ!」
西廊の軍が、皆一斉に玲春に向かって駆け出していく
「絶対に我らの姫に手出しはさせん!」
それを必死に食い止める紅南の軍
それはかつて、朱雀の巫女を護ろうとした国の姿勢と同じものだった
「どうしよう・・・あたしのせいで・・・こんなにもたくさんの人達が・・・」
これほどまでに規模の大きい戦というものを、玲春はまだ見た事がなかった
「玲春様。お気を確かに。あなたは何も悪くありません」
七星の運命は、一生玲春の身に付きまとう
「ちっ!また、偉い数の軍を集めよったな!西廊の奴らも!」
グサッ
芒辰が、一人の兵を捕らえて叫ぶ
「吐け!なぜ今頃になって、西廊は我々に侵略を!?」
「へへへ・・・皇帝はずっと紅南の力を欲していた。その代は幾度となく代わったが、遂に侵略を実行に移す皇帝になっただけの事よ」
西廊は、紅南がずっと妬ましかった
同じように民を愛し前向きに国の繁栄に尽力してきたが、紅南のようにいかない国政を何代にも渡り西廊は不満に思っていた
その結果、紅南をなくし西廊を国の発展の中心地にしようと目論んだのだ
「なぜにそんな事を・・・手を取り合っていけばよいだけの事ではないか」
いつしか羨ましさは妬みに変わり、憎悪へと形さえも変えてしまったのだ
「今更嘆いてももう遅い・・・大人しく我々に服従しろ!」
背後から、もう一人の兵士が芒辰に襲い掛かる
カキィン
その剣は、翼宿によって蹴り飛ばされた
「皇帝!悔しいですけど、この数を説得しようとしても埒があきません!片っ端から片付けるしか・・・」
国を純粋に思う芒辰のひたむきさは父親譲りではあったが、それをコントロールするのは野心のある翼宿の役目だった
「そうだったな・・・すまぬ」
何人かの兵士が倒れていく
「翼宿・・・お願い。止めて・・・」
祈るしか出来ない玲春
そこへ
「貴様が死ねば、この戦は止められるのだぞ」
黒炎が姿を現した
「あ・・・」
誰も、その異変には気付いていない
「わたしも驚いたよ。皇帝がこんなに目立つ行動に出るとは。わたしだけに任せていればいいものを。まあ、ついでに国に対しての宣戦布告ってところだろうか」
恐怖で体が動かない
「君は朱雀七星である前に、普通の少女。さすがにこの光景は応えたかな」
ゆっくりと剣が掲げられる
「さあ・・・わたしの手柄にさせておくれ」
きゅっと目を瞑る
グサッ
鈍い音
それはいつも自分を護ってくれた広い背中
「あ・・・・・・・・・・」
翼宿
「無事か・・・?玲春・・・」
そのまま、彼はゆっくりと倒れた