百花繚乱・第一部

山賊頭になって、先代の跡を継ぐ
自分が朱雀七星の証を持っていた事は、当の昔に知っていた
だけど、自分にはそれ以上にこの厲閣山を護っていく使命の方が大切だった
いつ現れるか分からない朱雀の巫女を待つよりも、俺は前を向きたい
そう、思っていた…

同じ志を持つ仲間、命懸けで護りたいと思うもの
こんなにもたくさんの出来事に出会うなんて、思わなかった

山にこもりっきりだった俺を連れ出してくれた仲間がいたから
俺は、こんなにも変われた


女なんか、好かん
気の利いた事なんて言えないし
ちょっと苛めるとすぐに泣くし
一々、気遣うのが煩わしい
俺がこの先一人の女を愛する事なんか、きっとない
そう、思っていた…

男とか女とかそんな事関係ないって
一人の人間として好きかどうか…そんな事を考える日が来るなんて夢にも思わなかった

自分に真正面からぶつかってきてくれる、強気だけど本当は弱いお前に出会えたから
俺は、こんなにも変われた
なあ。柳宿…俺ら、生まれ変わってもまた会えるよな?
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