堕天使の詩

堕天使 其の二十一

2020/07/20 00:00
あなたは私の手の届かない一輪の華でした。

数ある華の中でも、特別な華で、非常に綺麗で繊細な華でもあったのです。

華やかな存在であり、誰しもの憧れでもあり、尊敬する人でもあり、嫉妬の対象でもあったあなたは意外に脆く、脆弱で繊細で傷つきやすかったのです。

そんなに、儚げなあなたを知らずして、その美しさだけに嫉妬していた私は、なんと、愚かなんでしょうか。

やっと、華が一番に咲き誇り、私などにも、その存在を、知りしらせめすほどに、美しく咲き輝いていたのに…。

突然、萎れてしまうなんて…。

行き場のない、喪失感に襲われるのは、何故?

それは、あなたに誰よりも私がなりたかったから。

だから、嫉妬してたのでしょうね。




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