現代 Ⅱ
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「さあーて!ど・ち・ら・に・し・よ・う・かな?ふふふ」
女子は、俺たちから、少し離れ距離で、蓮と俺を指差しながら、楽しげに微笑んでいる。
「それじゃあ、後ろの超ーー!イケメン!!の、あ・な・た♡」
女子は、俺の後ろにいる蓮を指で差しながら言った。
「……。」
蓮は、こう言った女子がなにより苦手なんだ。
その女子の魔術に掛けられている蓮は、身動きも出来ないし、声も出ないでいる。
「それじゃあ、早速、はじめて貰おうかしら♡」
ウキウキしながら、楽しげに女子が言うと、蓮の口が勝手に喋りだした。
「ーー俺は、…上条蓮だ。」
(!!!)
(何、言いなりになってんだよー!!)
(あれっ??)
悠真も、女子の魔術に掛けられていて、身体も動かないし、声も出ないでいるのだが。悠真はまだ、理解出来ずにいる。
(俺、なんで!?声が出ないんだ??体も動かないし?…これって、一体、なんなんだ??金縛りかぁーー??)
悠真が、そんな事を考えている間に、蓮はまた、女子の魔術で、口が勝手に喋りだしてしまう。
「俺は、…人間ではなく、…堕天した…天使だ。川原悠真は、…俺を幼じみだと思っているが、…それは、…違う。…俺が…川原悠真に…暗示を…かけて、…そう思わせて…いるだけ…なんだ。」
(な、何、言ってるんだ?!蓮?)
蓮は、魔術に抗おうと頑張っているが、女子の魔術が上手のようだ。
悠真は、混乱しながらも、頭の中を整理しようと、蓮の言葉をあたまのなかで反芻する。
「…なぜなら、俺は…つい最近…堕天した…ばかりの…堕天使…だからだ。」
(それは、蓮が堕天使だとは分かってるつもりだけど、まだ、俺は、信じられないよ…。蓮は、俺の幼じみの友達だろっ?!)
「…なぜ…堕天したか、…それは、…ある悪魔と…契約を…かわしたからだ…その…名前は…っつ!!」
蓮が一瞬、苦しそうに、顔をしかめたかと思うと、片手を顔に当てた。すると一瞬にして、蓮とは明らかに違う顔の表情が現れた。
「…クックック、堕天使のくせに、たかだか、低級な悪魔のクソ魔術にまんまと引っかかって、ベラベラ喋るとは、なんたるザマだ。それでも、以前は上位の階級の天使だったのか?ククク。ハハハハハッ」
また、あの時の黒ぶち眼鏡と対峙した時に現れた、蓮の別人格が現れたのだった。