シークレットガイド

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 #芦屋クン



「あっ、あのっ。真守くんを責めないで…」

 ずっと僕の後ろにくっついていた芦屋クンが、おずおずと前に出てきて、小さい声で灯琉達に言った。

「ボクが準備に手間取って…真守くん、ずっと待っててくれたんだ。だから…」

 芦屋クンには持病があり、少し体が弱いらしかった。

 でも、それは関係なしに友達と沢山外で遊んで欲しいという親の願いがあって、先生からもそう話されていた。

 さっき芦屋クンを迎えに行った時も、芦屋クンのお母さんが「念の為持っていきなさい」と薬を持たせて、「誘ってくれてありがとう、楽しんできなさい」と見送ってくれた。

「芦屋が気にするこたねえだろー! 転校してきてまだ10日目だべ!?」

「あぅ…」

 灯琉の地声のでかさに、芦屋クンが固まった。

「ほらぁ灯琉…また芦屋クンを怯えさせて」

「ん?」

 芦屋クンの両肩にガッシリ置かれた灯琉の手をそっと剥がして、二人の間の距離を空けた。

「言葉に勢いがあるからね…アレじゃどこかの取り立て屋みたいだよ」

 えだっちがヤレヤレといった顔でポツリとつぶやき、灯琉は訳が分からないといった顔をしながら僕に背中を押されていた。





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