12月24日の灯り

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 さっき私が言った事を聞き流せない、彼は確かにそう言ったが、私は何を言った?

 うんと高い物を──

「そうそれ、よくない気持ちは自分に返るから、やめた方がいい」

 今度こそ口に出していないというのに、彼はエスパーの様に私と対話する。あんた何者だ、この心の問いにも彼は答えた。

「ああそんなに警戒しないでくれ、僕はしがない新聞配達だよ」

 うそだ、いっぱいの新聞なんて持ってやしないじゃないか。

「新聞は社用車に置いてる。駐車場に停めて、持てるだけ持って歩き配達をするんだ。
 ここいらの分は配り終えたから、次のエリアに行く前に少し休憩していたのさ」

 だったら私に構わず黙って休んでいればよかったのに。

「だから、聞き流せなかったんだってば。
 キミ、見た所色々と不満があるようだけど、何も知らないからそんな事が言える。
 知らないとはなんて、悪意が無くて罪深いんだろう」

 妙に説教くさい彼をこれでもかというくらい怪訝に──本当に警察を呼んでやろうかと──見つめると、彼はハッとなって「参ったな」と頭頂部をガリガリと掻いた。





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