12月24日の灯り
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おやおや、その年頃でそんなマニアックな説をご存知とは驚いた。
ふたりの男の子はサーッと青白い顔になって、
(おえー! まじかよ!
寝ます寝ます! おやすみなさぁい!!)
ダッシュで部屋の電気を切って、同時に頭から布団をかぶった。
女の子はくすっと笑いながら部屋を出て、後ろ手で静かにドアを閉めた。
そしてふうと溜め息をついて、こんな事を少し嘲笑うようにつぶやきながら、自分の部屋へと戻っていった。
(どうせあたしにはサンタなんて来やしない。
黒いサンタが来るんだとしたら…それはあたしの所か。ははっ)
黒いサンタか。僕が今それになってもいいんだけれど?
鼻より下を覆っていたネックウォーマーに人差し指を引っ掛けて、ブラックホールみたいな黒の裏地を覗き込んだ。
おいおい本気か? と黒が話しかけているように見えたので、くっくっくっジョーダンだよと、空間を即座に潰した。
(つばさちゃん、入ってもいい?)
女の子の部屋のドアがノックされた。
…