12月24日の灯り

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 てっちゃん
「あたり前。
 オレ、ゲームソフト
 母ちゃんに頼んどいた」

 タケト
「おれも。
 でも、多分全然ちがうのを
 用意してると思う」

 てっちゃん
「そうそう!
 サンタさんがお願いを聞いて
 くれなかったのよーって、
 わざとらしい演技しちゃって。
 なんでそんなヘタなウソを
 つくかねぇ?」

 タケト
「さあね。
 仕事で忙しくて全然おれらを
 分かってない事への
 言い訳なんじゃないの」

 てっちゃん
「まあ、そうだろうね。
 オレんちは酒屋、
 タケんとこはおじさんもおばさんも
 会社だもんなぁ」

 タケト
「クリスマスイブくらい、
 早く帰ってこいって感じだよ」

 てっちゃん
「まあ、そうだよなあ。
 そんなわけで、タケとケーマは
 これからオレんちで夜まで
 パーティーよ」

 タケト
「そうそう。親が迎えに来るまで。
 てっちゃん悪いね、毎年」

 てっちゃん
「いいってことよ。うちだってさ、
 店が閉まるまでオレひとりだし」

 なんか、言いたい放題言っちゃってるね?

 っていうか、そろそろ放してくれない?

 タケト・てっちゃん
「あっ、わるい」

 やれやれ、あー、いたかった。





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