ボーダーライン〈後編〉
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僕とせーちゃんのボーダーラインが掻き消されようとしている。
恋愛対象外のせーちゃんにさえも、なっちゃんの面影を追いかけて、本当にナニやってんだろう。
せーちゃんの肌からいい匂いがして、せーちゃんの肌が熱くて、ことさら頭が痺れる。
僕の手が、せーちゃんの胸からおへその上を通り過ぎて、デニムスカートの裾をひんめくった。
その下はレギンス、それを下にずり下げたら、指にせーちゃんのショーツの生地を感じた。
下腹部に昂まりが集結する、連動して、動悸がどうしようもなく激しい。
「ねぇ…俺、止められないの…どうしたらいいかなぁ…
寂しい顔の女の子見ると、理性が吹っ飛ぶ…
せーちゃんにさえ、こんな…して…
これ以上…ダメに…なりたくない…」
眉間にしわを寄せながら、せーちゃんの割れ目をショーツの上からツーッとなぞった。
せーちゃんが身をよじった。
と同時に、
僕のよこしまな手を両手で強く掴んだ。
「ノブキッ」
「!!」
せーちゃんが、僕を下の名前で初めて呼んだ。
鋭く呼んだ。
「やめよう?
やめようよ…
ノブキは…
ノブキは…
せめてあたしには…
誠実でいなきゃダメだ…」
先程の呼び掛けと強い眼差しとは反対に、せーちゃんの声は優しくて、震えていた。
それで僕は、大粒の涙を零した。
…