ボーダーライン〈後編〉

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【そろそろ紅葉が見頃だと思うんだけど、車で少し遠くの山まで行ってみるか?】

 松堂さんのカキコミに、【いいね!】【いつにしよう?】とメンバーはノリノリ。

 数日してから、その企画の詳細が出た。11月○日に△△山へ。

 次々と参加者が名乗り出る中、僕は迷っていて、既読スルーをしていた。

 すると個人メッセージで、松堂さんと紡木さんそれぞれから来た。



 松堂【ノブ、今回は参加してくれよ?
    ずっと顔見せないから、
    皆心配してる。
    ツムちゃんから聞いたけど、
    免許取ったんだってな。
    ドライバーとしても期待してます】



 紡木【ノブくん、今回も来れなさそう?
    最近ノブくんとお話しできてない
    から…
    今、紅葉すっごく綺麗みたいだよ。
    一緒に見れたらいいね】



 予定がまだハッキリしてないから少し時間を下さいと書いて、両手を合わせて謝る絵のスタンプと共に二人に送信した。



 紡木さんのメッセージを長いこと見つめる。

 そうバイトでも、わざと紡木さんがいない時間帯に図書館に行くようにしていて、長いこと紡木さんと話していなかった。

 紡木さんが、僕と話をしてないのを残念に思ってくれてる…?

 そう思った途端、あんなに二人一緒の所を見たくないはずだったのに、紡木さんに逢いたくて、言葉を交わしたい思いが募った。





【出遅れましたが、紅葉登山参加します!
 初心者マークまだ取れてないですけど、
 ご用命とあらば運転頑張ります(p`・ω・´q)】



 また数日して、僕は掲示板にそうカキコミした。

 【ノブ久しぶりー!】とか【ドライバー増えた!】とかのリコメを沢山貰って、なんだかくすぐったかった。

 登山日の週間天気予報を見た。

 前日まで雨が続くらしいが、その日は秋晴れになるらしかった。





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