ボーダーライン〈前編〉
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午前中の説明が終わって、それで今日の大学の用事が終わった。
どの講義を取っておけばこの1年の単位が事足りるんだろう、それをじっくり考えたくて、もう家に帰るだけだったがそんな気は起こらず、大学の近くのファストフード店に昼食がてら寄る事にした。
説明を受けた教室を出て、大学の正門を出るまでの道すがら、色んなサークルのビラを手渡されると同時に、
「大学生活をもっと楽しいものにしない?」
「色んな出逢いが待ってるよ!」
「初回の飲み代は無料!」
などの謳い文句が飛び交った。
受験1年目の時、どのサークルに入ろう? と心踊らせていたな。
今は…うん、今も入りたいと思う。
これからの大学生活の流れを掴んで落ち着いてきた時に、入れればいいや。
ハンバーガーをちびちびかじりながら、何枚ものサークルのビラにさっと目を通して、少し無造作にクリアファイルの中に突っ込んだ。
食べ終わり、講義のスケジュールをなんとなく頭の中でシミュレーションしてから店を出た。
大学の最寄りの駅に足を踏み入れたところで、あっ! と大学の事務局に用事があったのを思い出して、慌てて踵を返した。電車に乗る前でよかった。
…