レンズの向こう側
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(★)
「…ホラやっぱりぃ…おれのせいじゃん…」
ノブキは耳から顔を離して、下にいるあたしを切なそうに見つめた。
あたしに頭を抱えられたままなので、すごく至近距離。
「言い訳を…させて貰える…?」
「うん…?」
ノブキが少し目を泳がせながら言うので、あたしは首を傾げた。
「おれ、抱きしめたの覚えてるよ…
正確には…夢の中でせーかを抱きしめてて…
せーかが、せーかがね、
【せーかってよんでよ、ノブ】って…
すごく甘えたカオで…言ってて…
それでおれ、夢なんだけど色々ぶっ飛んじゃって…
せーかって何度もよんで…
…おねがい引かないで」
ノブキの話にすっかり固まってしまった(笑) あたしに、ノブキはすがるように言った。
その様子が可笑しくて、可愛くて、あたしは目を細めた。
そこからの、突然の呼びすてで、ノブってよんで、だったんだ。
「引かないよ」
あたしが少しノブキの頭を引き寄せてキスをしたので、ノブキは目を丸くして頬を赤らめた。
唇をくっつけたまま、あたしは続けた。
「あのね、大きくなって止められない自分の気持ちがコワイ…
ノブ、スキ。
ノブをこんなにスキでいい?
ノブもおんなじ?
ノブを全部受け止めるから…
ノブもあたしを…
…全部受け止めてよぉ…」
言い終わるか終わらないかの内に、ノブキの手があたしのカラダのラインをなぞりだして、あたしの言葉尻を1トーン上げさせた。
「せーか。
すごくスキ。
ガマンしてきた分…
…やさしくできないかもしれないよ…」
シャツの裾を鎖骨まで捲られて、ホックの外れたブラも一緒に上に上がって、あたしの胸がノブキの目の前で晒された。
部屋の空気を冷たいと感じる前に、片方を優しく揉まれ、もう片方はノブキの口に含まれ、あたしの体温は一気に上昇した。
…