シークレットガイド

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 #今ちゃん



「さぁ! 全員揃ったんだから、早く自転車取りに行こう!」

 僕が号令を掛けると、馴染みの自転車屋さんに向かってぞろぞろと歩き出した。

「芦屋クン、ポテチいるぅ?」

「あ。ありがとう、今田いまだくん」

 クラスのゆるキャラ、今ちゃんこと今田が、ほっぺのお肉をプルプル震わせながら、手に持ってたポテチの袋を差し出した。

 が、ん? という顔になって、袋の中を覗き込む今ちゃん。

「ん?
 んんー?
 …灯琉ぅ~、もう無くなっちゃったよぅ」

「泣くなバカ。待ってる間ボリボリ食ってたろ」

 うにゃーんと泣きついてくる今ちゃんに、灯琉が一喝する。

「一緒になって食ってたのアンタですけどねー」

 後ろからえだっちが冷ややかに言うのを、灯琉は無視した。僕と芦屋クンはぷっと吹き出したけど。

「芦屋クゥン、ごめんねぇ、あげられなくて…」

「ううん…あっ、今田くん。ボク、いっこだけアメ玉持ってた。シュワシュワいうやつ、よかったらどうぞ」

 芦屋クンが今ちゃんの手のひらに個包装のアメを載せると、今ちゃんの顔がぱあぁっと輝いた。

「灯琉ぅ~! 芦屋クンがアメくれた! うれしいよぉ、やさしいよぉ」

「だあぁっ。わかったから、いちいち突進くるなっ」

 泣く子も黙るガキ大将の灯琉にここまであけっぴろに甘えられるのは、今ちゃんしかいないと思う(笑)





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