シークレットガイド

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 #作業



 僕達は3ー2に分かれて作業を開始した。

 僕と灯琉と今ちゃんが穴掘りの続きを、えだっちと芦屋クンにははしごを作ってもらう。

 下に掻き出した土が溜まってきたら、誰に言われるでもなく、雪かきスコップで外に掃き出した。

 はしごが完成した頃ちょうどおやつの時間を過ぎていたので、駄菓子屋で買い込んだお菓子と、みよちゃん先生に貰った飲み物をいただきながら休憩した。

「これで穴掘りに全員集中出来るね。陽が落ちるまで約1時間半…開通出来るかな?」

 えだっちが腕時計に手を添えて言った。

「5人で集中すれば大丈夫だよ。
 …芦屋クン、体、平気?」

 芦屋クンが少し苦しそうに呼吸をしていたけれど、

「平気。こんなに体を動かすの久しぶりだから…でも薬飲んだし、大丈夫。最後まで、みんなと頑張りたい」

 芦屋クンの力強い言葉で、僕達は作業を再開した。

 無言で、黙々と、天井の土を掘っていく。土が顔に被ってもお構いなしだった。虫とか出てきても、誰も悲鳴をあげなかった。

 どのくらい、時間が経っただろう。

 ある時、土に差したスコップの感触がやけに柔らかかった。





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