シークレットガイド
3/41ページ
#灯琉
「ごめんごめん」
みんなの前へ辿り着いて改めて詫びても、灯琉はしかめっ面を崩さない。
三白眼の猿顔。なかなかの迫力。
「けっこう待ったぜぇ、日曜なのにランドセル背負ってさ!」
「なに言ってんの、灯琉が言い出しっぺでしょ?ランドセルの事は」
「あーら、そうだったかしらぁ?」
ウケケとごまかす灯琉。どういうつもりか知らないけど、ランドセルを持って集合! と昨日の夜に突然電話をかけてきたのは、紛れもなくこいつ。
僕と灯琉は、父親同士も幼なじみで、赤ちゃんの時からの付き合い。
物心がついた時にはもう灯琉はこんな風で、クラスのみんなには『横暴』とか『自分勝手』とか言われることもあるけど、根はいいやつって分かってるから、少なくともここにいる仲間は灯琉を嫌ってなんかいない。
あ、でも、転校生の芦屋クンはびくついてる。ほら、僕の後ろに隠れちゃってる(笑)
…