ハジメのエピローグ
27/28ページ
(★)
「エッ?」
ホノカは目をパチクリさせた。
この反応を見て、やっぱだめだよな、と思った。
以前ホノカは言ったことがある。ずっと付き合っていても、俺への尊敬の念は消えないから、きっと敬語のままだしずっとさん付けだろう、と。
「…ゴメン。忘れて」
そう言ってホノカの乱れたワンピースをすっかり直して、防波堤の前に立った。
戸惑うホノカの頬を両手で包んで、また唇を貪る。これで一旦宿へ戻るつもりでいたのだが…
…ホノカが、モゴモゴと口を動かす。
「…メ」
「…え」
なんて?
「ずっとは…ムリだよ…?
たまに…で、いいなら…
………ハジメ………」
…俺、死んでもいいかも。(いやダメだろ)
だって、こんな、こんな、心を掻き乱される名前の呼ばれ方ってあるかよ。
「ホノカぁ」
「わあっ」
ホノカを抱きすくめたまま砂地に尻を着いた。
ほんとにたまたまなんだけど、俺がゆるいあぐらをかいて、その上をホノカが跨いで膝を着くっていう、またいかがわしい体勢になった。
沸き上がるイケナイ気持ち、再び。
ワンピースの裾に手を入れて、ホノカの下着を下げる。
ワンピースからすっかり姿を現したそれを、ホノカの脚から抜いた。
ホノカが顔を背けながら裾を押さえる、でも俺がそれを静かに退かす。
無防備に開かれたホノカの膝の間を俺の手が滑っていって、また掻き回すと、ホノカがのけぞって水を滴らせた。
「ホノ。ホノカ。
こんな所でゴメンな。
ブレーキ効かねぇ。
あいしてるホノカ。
…ゆるして…」
指輪を忍ばせていたポケットの反対側に、ゴムを入れてた俺。
ポケットの中で摘まんで取り出して、封を口で切った。
ハーフパンツを下着と一緒に少しだけ下ろして、反り立ったモノに素早くゴムを被せて、すっかり潤ったホノカのナカになるべくゆっくり挿入した。
「ア…ア…ア…
…いーよ…?
…ハジメの好きにして…」
涙を浮かべながら俺の首にギュウッと抱きつくホノカ、胸も当たるし、お尻もすっかり俺の脚に預けて、どこまで俺をクラクラさせるんだろ。
ホノカの腰を掴み、前後に腰を振る…
その動きに合わせて、ホノカのカラダが妖しく揺れる…
「…ンッ…ハ…
ハジメ、ハジメ、ハジメ…ッ」
ホノカが額を俺の額にくっつけて顔を歪めながらそう連呼した時、俺の中で何かが弾けた。
腰を振る速さが増す…
「…っ、ホノ、ホノ、ホノ…ッ、
─────」
ホノカのワンピースの中で、俺の欲が飛んだ。
後にも先にも、外でシタのはこの一度っきり。
…